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記事90:日本語ラップ100選①

ついこの間、80回更新したかーと思っていたがもう90回になった。ここ10日間の記憶がいまいちない。

自分の好きなことを沢山書けるぞ、と思って始めたがそんなこともなく、90回のうちの大半は日記として機能させていた。それはそれで悪くないのだが、100回までに10枚ずつ日本語ラップの名盤珍盤を挙げていったら、100回目で100枚だ。大団円だ。

ただでさえ適当に更新する日があるのに、10日間続くのか。自分が自分を一番信用していない。途中で何度か諦め、115回目ぐらいでやっと100枚に到達することだって充分にありえる。まあいいや。仕事じゃないし。

順位づけをするわけではないので、iTunesでアーティストの名前順にリストアップしている。

1. ABNORMAL BULUM@『AEGU』
わりかしドープな日本語ラップファンでもこれを選ぶ人はなかなかいないだろう。つまりどういうことかというと、「俺、超ドープ」ということだ。この企画では今後も基本的にはこの傾向は続く。
このグループは3MC+1DJと何やってるか謎のメンバー2名、だったかな。

MCそれぞれのラップの癖が強すぎて好みが分かれると思われるところに癖の強いトラック。でもポップさを含んでいて聴きやすさもある。出してるアルバムはどれも良いんだけど、一番聴いたのがコレだ。そして10年前のコレをもって解散だか活動休止していて、もう集まる気配はない。

2. AKLO『THE PACKAGE』
ミクステブームのときにフリーDLの音源で名を上げ、BACHLOGICに見出され、期待値ガン上がりのところで出された1stアルバム。今のスタイルが既に固まっているし、それまでも活動していたとはいえ1stアルバムとは思えない落ち着きの作品。正式なデビュー作としては地味だと思ってしまう。

この人のすごいところは、バイリンガルラップに嫌味がないところ。それまでのバイリンガルラッパーはどうしても「ドヤ感」が強くなってしまっていたが、AKLOのそれはとてもスムーズで、日本語と英語の境界線が滑らかだ。
M-2『RED PILL』冒頭の「Let's ゲディディン〜」は当時日本語ラップファンが全員真似したはずだ。そう、全員だ。

3. AQUARIUS『オボレタ街』
まぁ、これは入れなくてもよかったんだけど。とはいえ当時レンタルしてMDに焼いて、すごく聴いてた。言ってしまえばM-1『ココ東京 feat. S-WORD, BIG-O, DABO』のマイクリレーのかっこよさが出オチのアルバムなんだけど、この曲が入っているというだけで100選に入れてもいいと思った。
当時勢いしかなかったNITROの面々がところどころで客演しているので、同世代の日本語ラップファンはこのアルバムにお世話になっていることも多い。

このアルバムに入ってるマイクリレー曲かっこいいのばっかりだな。GORE-TEXのパンチラインメイカーっぷりが突き抜けてる。
「遠慮はいらないよ 戦争もいらないよ 演奏はいるよ 健闘を祈ろう」
とかどういう頭してたら思いつくのか。

DELIは市議さんになったが、YAKKOはいまトラック作ってないんだろうか。

4. BAD HOP『BAD HOP ALL DAY』
正規リリース作品ではなく、あえてこれで。好き嫌いはともかくとして、彼らの登場は日本語ラップ界にとってエポックメイキングだった。自主でここまでやる人たちが出てきてくれるとは、オジサン嬉しいよ。という感じだ。

武道館公演の時、場内はもちろん禁煙なのに会場がタバコ臭かったという話が本当に良い。嘘だとしても、「ああ、そうなんだろうなぁ」と思わせてくれるのがいい。それでこそ川崎だ。観客を入れてのライブができない時期に、横浜アリーナでの無観客ライブを無料配信したことが個人的に彼らの株をガツンと上げた。まんまとその後のクラファンに参加してしまった。
今後もメイクマネーし続けてくれるのだろうが、オジサンの想像もつかないようなお金の使い方をしていってほしい。こういうヒップホップも必要だ。

5. BES & ISSUGI『VIRIDIAN SHOOT』
とにかく、BESはみんなで支えてあげなければならない。ISSUGIは漢だ。日本語ラップでフロウ重視の流れを作り出した一人がBESだと思っている。たまにラップすると、「これこれー!」と思わせてくれる。声にエフェクトかけてます?いや、かけてないか。という声。

ISSUGIとBESのバランスは素晴らしく、単発企画と思われたこのアルバムの後にまさか2枚目を出してくれるとは思わなかった。これからもBESのケツを叩いてくれ。ISSUGI優しいから、相手が叩かれてるとバレないように叩くのうまそう。

6. BES from SWANKY SWIPE『REBUILD』
日本語ラップ100枚選べといったら、ほぼすべての人が入れてくるだろうアルバム。ということであまり多くは語らない。何よりアーティストをABC順に並べたことをもう後悔している。

どのくらい売れたかというと、カラオケに普通に入ってるぐらいにはみんな聴いてた。M-1『The Process』なんて、本家の音源より友人が歌うバージョンの方が多く聴いてる。客演もメシア、漢、STICKY、GUINESS…と非常に煙たい。僕がBESの母親だったら絶対に付き合いをやめてほしいと思う面々だ。

7. BRON-K『奇妙頂来相模富士』
これも周りのみんなが聴いてたなぁ。みんなって。さっきからどういう世界の話をしているんだろう。SD JUNKSTAの初期主要メンバー3人がそれぞれアルバムを出して、どうしてもNORIKIYOに注目が集まる中で結果的にはNORIKIYOと評価を分け合ったぐらい、インパクトがあった。(個人的にはTKCのアルバムが好みだったけど、こちらはNORIKIYOのデビューに隠れてしまった)

ただこの1stアルバムで一度出し切ってしまったらしく、2ndまで空いたし3rdまではさらに空き続けている。細く長くでいいから…!

8. BUDDHA BRAND『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST(金字塔)~』
順位つけないといったけどこれは1位。半分くらいインストの印象なんだけど、それも含めて1位。NIPPSの出席率が低いのも含めて1位。

9. BY PHAR THE DOPEST『BY PHAR THE DOPEST』
CUEZEROがKREVAに負けていない、唯一の作品。これも100選に入れる人が多いと思う。その前に100選をやる人自体が少ないと思う。
この頃のKREVAビートはサンプリング主体で、いま聴くとKREVA印ではない気がする。この頃から今までギラギラし続けているKREVAのKREVAたるゆえん。

『伝導師』ではKREVAの最速ラップが聴ける。2020年現在でもKREVAの最速ラップはこの曲だと思っている。

10. C.O.S.A. & KID FRESINO『Somewhere』
コラボアルバムとしては1位かもしれない。いや、このあと真の1位が出てくるかもしんない。というかBESとISSUGIの話はどこにいったんだ。このアルバムはM-2『LOVE』とM-10『Close to you feat. PUNPEE』の2曲が入ってる時点で100枚に選ばれることが決まっていた。

それっぽく言えばStyle Wars。それっぽく言いたくなければ声質もラップスタイルも補い合ってる。この2人は仲が悪いわけではないだろうけど、もう新作出さないだろうなぁ。


最後の方、けっこう巻いたつもりだったけどだいぶ長くなった。これは10日で100枚無理だ。

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