イヴ

安物の蝋で固めた答えを胸に
別れを突きつける前夜
愛はとっくに情に変わり
冷めたスープは飲む価値もない
支離滅裂な明日が来る
放っておいても 無駄に明日は来る
灰がかった世界
水銀のプールで私は浮かぶ
こんなはずじゃなかったと
頭を抱えてみたところで
固めた蝋は簡単には溶けない
理性で止められぬ大洪水
一方 冷めた目で俯瞰する
普段よりもうんと高い所に登って
最善の策が見つからぬまま
もがけばもがくほど
張り巡らされた糸が 私の肢体に
無慈悲に食い込む 逃げたい
ああ これで何度目だ
どれほど間違い探しをすれば
幸せになれるというのだ
てっぺんからつま先まで
汚染された化け物
行くあてもない
ぼろぼろの未練を着て
夜な夜な彷徨い歩くだけ

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