ハイフン

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私は、推しを消費した。(小説-2万2千字)

 日常から伸びる線というものは、自分の知らない間に、あるべき場所へと繋がっている。  それは、人生の岐路だとか選択肢だとか、そういう可変性のあるものじゃない。  自分の意識の及ばないところで、人間や生活みたいなちっぽけな存在を超えた、圧倒的に大きな何かによって、初めから決められているのだ。レールの上を走る電車が、それ自身が転轍機を動かすことができないように。  だから彼との出会った理由とか、そのきっかけが何だったのかとかを考えるのはちゃちなことで、何度思考を巡らせようとも、「

    私は、推しを消費した。(小説-2万2千字)