雑記_服屋と備忘録_20231220


秋はいつの間にかすっかりと姿を消し、長くて寒い新潟の冬の始まりを肌で感じていた。

急遽謎に勃発した地元幼馴染男女4人組の集まりがあった。珍しく昼開催のその会ではご飯を食べて、服屋を歩き、カフェで一服して解散となった。勝手に飲み会だと思ってたもんだからすんごい新鮮だった。まだ生きてる魚みたいだった。

大学の用事以外でのレアな外出イベントだったので備忘録を残しておく。俺の外側からもたらされる刺激と経験値は俺を俺の外側に連れて行ってくれるから好きだ。けどマジで心配になるくらい出歩かないから俺には普段から散歩とかでいいから布団の外に出てって欲しい。

正午より少し前、近所で有名らしいハンバーグの店でセットを食べた。俺は知らん店だったが、何かマジで人気の店らしく少しして店内は満席っぽい感じになった。

メンツが皆無事に集まれて一安心。インフル明けみたいなのが1人と、昨日まで風邪ひいてましたみたいなのが1人とで本当にリスケせんで大丈夫か?と思わんでもなかったがちゃんと会えた。

洋風のしっかり目の店行くと毎回ナイフとフォークどっちだったっけ?のラグが脳裏によぎる。右ナイフだと右利きの人ってライス食べ辛くねぇか?やっぱタイ式のスプーン&フォークの布陣が俺は好みだな。

ハンバーグは普通に美味かった。サイゼと肩を並べられるクラスだった。あと俺はハンバーグ君の隣に毎回くっ付いてるコーン共に内心キレているぞ。ポロポロポロポロポロポロ…フォークから落っこちて食べ辛いんだよ!てめコラ!全部食うけどさ。ライスはとってもちゅきちゅき大ちゅきらぶりーちゃんです♡。それに比べて…サラダ!何だお前は!オーロラソースなんて被って…。言っとくが俺はオーロラソースに微塵もお洒落さを感じねぇからな!お前の正体はケチャとマヨって知ってっからな!残念だったな!でも美味しかったよ。

食後のコーヒーもgoodでした。別にコーヒー自体は好き好んで飲まないから飲むか聞かれたときに脳内ローディングによる遅延が発生して会話ブロンズ危機が訪れかけたけど俺は人里に降りて来た猿だったので何とか人間のふりをして誤魔化すことができた。猿は人が半分くらい残したハンバーグをポッケに入れて持って帰ろうとしていたので鞭で叩いて躾けた。今の俺は人間だから、あんまり檻から出てきてくれるなよ。

オッシャレ風味なお昼ご飯を終えてミントのガムを噛み、次なる目的地の服屋へと向かう。消臭剤が店に置いて無かったので僅かに服に肉の匂いが着いたかもと皆で話したりした。俺はあんまり感じないなとか思ってたらマスク付けてたわ。俺としても個人的お洒落tear1クラスの栗色のコートが匂うのは本意ではないため帰ったらファブるべと思った。

たわいない話をしながら4人で少し歩いた。

服屋に到着。新潟のランドマーク的位置にある万代というシティにはあらゆる服屋がひしめき合っていた。

男友達の服を皆で選ぶなどした。冬に着られるあったけぇやつをご所望らしい。てか冬服って難しいよな。外では寒さに抗うための保温性が求められるのに、屋内だと暖房が効き過ぎててかえって暑くなるとかあるあるで辛いね。イカれてんのか?俺はもっと便利な世の中になってると思ってたよ。

あんま進んで服とか買いに行かないという事には全面的に共感しまくった。分かるマン。マジで服って意識して買うぞ!と思わんと買わんよな。そんでそいつは色々と服を吟味していった。女子勢力の知見を聞き流しながら俺もためになるなとか少し思った。

俺は服を着たりするたびに友達を褒めていた。褒めてるつもりだけど俺が言葉を発するたびに笑いが出てる気がする。何じゃこら!俺の認識では服屋ってもんはどれだけ人を褒めても良い場所だと思っている。服屋の話しかけてくる店員さんだってお似合いですよぉって言いますよね?俺は隠の者だから嫌いだけど。嫌な気持ちになったら服買わないし悲しいって思うよなぁ?だから絶対に褒め言葉を出すことにしている。おー良いねぇ。かっこいいですぜ旦那ぁ。真ん中からお洒落が覗いてるよぉ。おいおい、最強のオシャレさんが誕生しちまったなぁ!これであんたが社内のファッションリーダーや!と言った具合に。似合ってる?それ褒め言葉ね。ふざけとかではないぞ。ないことはないけど。

俺も普通にトレーナーみたいなのを1着買った。謎の紋様に見せかけて意味がある服を。そういや意外にも女性陣は買わなかったな。子供服とかしっかり見てたけど。子供服ってちいちゃいのに良いやつだと普通に1万超えのアウターとかもあって白目剥いて気を失ってた。あと全身アルミホイルみたいな服もあって感性が掻き混ぜられた。ポッケから焼き芋とか出したら一目惚れしちゃいそうだと思った。俺のオシャレ・タクティクス・レベルでは扱えそうになかった。

歩き回って疲れたのでその後カフェに入った。

平日の昼下がり、世界がスーツを着てあくせく働いている中で、俺たちはカフェオレを片手にソファに座って談笑していた。

とんでもない確率のとんでもない贅沢。こんなの今まで滅多になかったし、これからもあんまりないだろうなって後で思った。

男女1組ずつで分かれて注文しに行って、ちょっとだけ男友達とゲームのAC6の話とかをした。中学高校のときは飽きるほどしたようなそんな話は社会に出てからはあんまりしなくなっていった。家の方針で据え置きゲーム機が禁止されていた俺の家にチャリのカゴにWii入れて持ってきて何時間も遊んだいつかの思い出の匂いがした。

皆でしばし会話をした。こんな感じので酒入ってないのがやっぱり新鮮みがあってそわそわした。地元内コミュニティでの矢印(関係性)の変化がごちゃごちゃしてきて面倒くさ!と思った。地元の奴ら皆で手ェ繋いで行こうぜ!ってのはもう完全にないだろうなと思った。でもちょっと関係性が拗れるのを羨ましくも思った。拗れる関係すらもなかったからね。ぴえん。無い側のしがみだ。でもほぼフラットに仲良い状態でマジで良かったとも思うし、何よりそういう話を側から聞くのがいっちゃんおもろい!から良かったっちゃ良かったな。おそろっちの服を貰って着て後で返せとか言われていつの間にか別の奴が着てたら俺は爆笑するね。地元飲み会の幹事になって席順を決めろって言われたら俺は匙を投げる。各々で勝手に座りな!そんで茶飲みの会はしばらくして終わった。

相対性理論だ。楽しい時間はおもんない時間に比べてすぐに終わってしまう。俺と俺以外の人との時間の進み方は全然違う。男と女とでも暮らしてる世界って違ったんだなって思った。女子を残してトイレに行って帰って来たらその僅かな時間で知らん兄ちゃん達に声をかけられてたらしい。街の治安レベルって人によって個人差をもって感じるんだなって思った。実際コワイ!ね。

時間があったら、また、第二回が開催されるようだ。次回のテーマはドライブ。雪が降って溶けた後とかにやるんだろうか。普通に過半数がペーパーだから飲みとかになるかも知れんな。

雪が降り始めた。

外は薄く雪が積もるようになった。

吐いた息は窓ガラスを少し曇らせた。

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