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Red Dead Redemption(赤き血の贖罪)2と言うゲーム(後半掘り下げネタバレあり)

ご存じでしょうか?2018年にロックスターゲームス(GTAとかの会社)から発売されたオープンワールドゲームです。
元々フルプライスゲーですが定期的にSteamセール時などでめちゃくちゃ安くなるのでぜひ!やってみてほしいゲームです。発売日ではアメリカでもっとも「有給」「病気休暇」がとられた日だとか・・・それ位面白いゲームであったので・・・。

オープンワールドゲームとしての「完成度」が本当に本当に、ピカイチでありながら・・・、ストーリー、登場人物全てが「凄い」の一言に尽きるゲームです。

只ボリュームがとんでもない量であり、チュートリアルが雪まみれの世界から開始&チュートリアルで初見数時間はかかる&一気に登場人物が出てくる上に全員外国人なので日本人から見るとキャラの判別がつきにくい&名前が覚えにくいという事でとっつきにくくてやめてしまった・・・と言う人は多いかも。

只・・・分かってくると本当に面白いゲームで・・・。

主人公の「Arthur Morgan(アーサー・モーガン)」さんはこの作品にしか出てこないのですが、あまりのキャラ人気ぶりに・・・2023年における世界のゲームキャラ人気ランキングで「11位」にランクしています。

複数作品にまたがって出るキャラとか看板キャラが当たり前の中、単発作品の主人公でランクインするのは本当に凄いと思う

英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)はこのほど、「最も象徴的なビデオゲームキャラクター(Most Iconic Video Games Character of All Time)」を決める投票の結果を発表した。その結果によると、「トゥームレイダー」のララ・クロフトが1位に輝いた。英国の権威から、「最も象徴的なゲームキャラクター」ランキングTOP20が発表される

この投票には、世界中から4,000人以上の一般ユーザーが参加。各票を集計しランキング化した。
1位に輝いたのは、「トゥームレイダー」シリーズの主人公であるララ・クロフトだった。1996年に登場して以来、これまで15本以上のゲーム、3本の映画、小説版やコミック版などに出演してきた。またゲームの枠を超えて、テレビ出演や雑誌のグラビアなど、多岐にわたる活躍を見せ、「ゲームヒロインとして最も成功した人間の女性」のギネス記録などを持っている。

2位は、任天堂のアクションゲーム「スーパーマリオ」シリーズの主人公であるマリオ。任天堂の看板キャラクターだ。1981年のアーケードゲーム「ドンキーコング」でジャンプマンとして初登場して以来、これまで200本以上のゲーム、2本の映画、そのほか多数のマルチメディア作品に登場している。

3位には、ステルスアクションゲーム「ヒットマン」シリーズのエージェント47がランクイン。沈黙の暗殺者(サイレントアサシン)の異名を持つ伝説的エージェントだ。2000年の「ヒットマン:コードネーム47」で登場して以来、10本以上のゲーム、2本の小説版、2本の実写映画版などに登場している。
「最も象徴的なビデオゲームキャラクター」ランキングの4位以降は次の通り。4位:ソニック・ザ・ヘッジホッグ(「ソニック」)
5位:リビッツ(「リトルビッグプラネット」)
6位:パックマン(「パックマン」)
7位:リンク(「ゼルダの伝説」)
8位:マスターチーフ(「HALO」)
9位:クレイトス(「ゴッド・オブ・ウォー」)
10位:シャドウハート(「バルダーズ・ゲート3」)
11位:アーサー・モーガン(「レッド・デッド・リデンプション2」)
12位:ピカチュウ(「ポケモン」)
13位:スティーブ(「マインクラフト」)
14位:ソリッド・スネーク(「メタルギアソリッド」)
15位:クラッシュ・バンディクー(「クラッシュ・バンディクー」)
16位:クラウド・ストライフ(「ファイナルファンタジーVII」)
17位:アスタリオン(「バルダーズ・ゲート3」)
18位:桐生一馬(「龍が如く」)
19位:エリー・ウィリアムズ(「ラスト・オブ・アス」)
20位:ネイサン・ドレイク(「アンチャーテッド」)

引用元:プラスデジタル

軒並み並ぶキャラは、基本的に複数の作品で主人公を務めたりするキャラであったりするわけなんですけど、その中で11位に単発作品の主人公がランクインするわけです。そのすごさ、分かっていただけるでしょうか。

プレイしていると・・・ストーリー、オープンワールドの凄さもある中・・・アーサーさんの生き様に本当に「惚れこむ」レベルで・・・好きになります。多分・・・。

〇華麗なオープンワールドとランダムイベントと懸賞金

オープンワールドゲームとしての完成度はずば抜けていて、本当にこんなところまで力入れる?ってところまでキッチリ描写されています。自分が関わっていないところでも世界は動いていて、ランダムイベントも定期的に発生します。道行く人にいきなり声をかけられたり助けを求められたり金銭をたかられたり何なら襲われかけたり・・・、定点イベントではなくランダムでそういった事が起こるわけです。
後は何をしても自由だから、勿論プレイヤーの判断で強盗とかをするのも自由なわけです。もちろん道行く人をいきなりボコったりもいい。只その代り「見られる」と通報されるし、通報がいきわたると賞金首としてお尋ね者になります(和解金を払えば解消する)。賞金首としてお尋ね者になっている地域では寝起きするたびに別の賞金稼ぎが自分を追って付け狙ってきたり、法執行官がパトロールするようになったりします。敵対するギャングに襲われ、それを返り討ちにしただけなのに一般人の通行人にそれを見られたために通報されて賞金首に・・・みたいなのもリアルでいいですよね。もちろん目撃者を問い詰めて黙らせることもできたり・・・全てが自由です。人助けをすればカルマポイントが上がったり、逆に下がったり・・・。とにかく何をするにも自由、それがRed dead redemption2のオープンワールドなのです。

〇ゲームシステムと「デッド・アイ」システム

「デッド・アイ」システムは前作に引き続きありますね。レッドデッドシリーズのお決まりの奴です。後述するけど簡単に言えばスローモーみたいな・・・。
このゲームには3つのステータスバーがあり、HP、スタミナ、デッドアイのバーがそれぞれ「基本ステ」と「ステータスバー」の2本に分かれています。

HP(ヘルス)であれば、HPバーがあってこれは敵に攻撃を喰らったり転んだり高い所から落ちたりすると減ります。純粋な体力ゲージですね。只減った後の回復手段としては、即時回復薬を使うか、基礎HPを消費して徐々に回復します。基礎HPの回復方法は簡単に言えば食べ物を食べることで回復します。

同様にスタミナもスタミナゲージはダッシュをしたりして消費します。スタミナゲージの回復は基礎スタミナを消費して回復するか、即時回復薬を使うかのどちらかになる。

デッド・アイゲージについてはデッドアイ発動時に減少し、ゲージが尽きてしまうとデッドアイが発動できなくなり、回復する手段としては基礎デッドアイがある状態で敵を倒すと徐々に回復する・・・と言ったしシステムになります。回復手段がちょっと難しいので、即時回復薬を結構多用しますね。

そしてデッド・アイシステムですが・・・上述したようにいわゆるスローモーと言うか、ステイシスと言うか・・・デッドアイを発動すると時間の経過がゆっくりとなり、主人公が有利にエイムをすることができます。エイム苦手な人でも銃撃戦ができるようにしてある配慮ポイントですね。レッドデッドシリーズではお馴染みのシステムです。凄腕のガンマンにしか使えないとされるスキルとされていて、それに該当するアーサーさんはデッドアイシステムを使えます。只作中に「こいつももしかしたらデッドアイを・・・?」ってキャラは幾人かいて、ダッチも?かもしれませんしマイカも?できるかも。そういう目線で見てみると意外と新しい発見があるかも。


〇簡単な「ダッチ・ギャング(ヴァンダリン)」の解説(主要メンバー)

アーサー・モーガン 主人公

Arthur Morgan(アーサー・モーガン):今作の主人公であり後述するジョン・マーストンの兄貴分です。年齢は35歳で元孤児であり、奴隷商人につかまっていたところをダッチとホゼアに拾われ、2人から教養・銃撃・知識・馬術等全ての知識を受け継ぎつつ育った苦労人。悪態はつくけれどもなんだかんだお人好しで・・・ギャングには正直向いてない性格かも。ダッチギャングの中心メンバーのうちの一人になり、主に武力面で秀でている存在です。カリスマSS、武力SSS、教養S位な感じ。銃撃戦は全般得意で、かつ殴り合いのステゴロも得意な男。意外と純愛気質で年上好きだが好かれるのはもっぱら年下と言う悲しい男・・・。

ダッチ プランおじ

ダッチ・ファン・デル・リンデ:ダッチギャングの名の通りギャングのリーダーであり、アーサーを拾って育てたある意味で父親のような存在(実際アーサーもダッチを父親のように見ている)。年齢は実は44(or45)歳となっており、そんなにアーサーと年齢は離れていない為、実質年の離れた兄に近い?とんでもないカリスマ性の持ち主であり、また彼の率いるダッチギャングはいわゆる「義賊」を掲げており、ギャングとはいえ非武装の人も抱えているのが特徴で「弱きものを助ける」と言う信条に従って女性や子供もギャングに迎え入れているのが特徴です。注目するところは「ワンマンリーダー」なところカリスマ性SSS、武力SS、教養SSな感じ。銃撃では二丁拳銃(アキンボ)を得意としており、長物は基本持たないけど拳銃で遠距離をピンポイントで打ち抜いたり拳銃の技術は本当にバケモノ級に強い男。あとはものすごい女たらしでとっかえひっかえ若い子を鞍替えして付き合っている残念な所も・・・。
巷と言うかゲームプレイ勢には「プランおじさん」と言われる

ホゼア 聖人 ダッチのセーブ役

ホゼア・マシューズ:ダッチの右腕のお爺ちゃん。年齢的には55歳くらい?であり、どちらかと言うとダッチのセーブ役でありダッチに対して本当の意味で真正面から反論を言える唯一の存在(アーサーもその立場にあるけどやはり遠慮してしまう)。いわゆるギャングのコンシリエーリ的存在。年齢的に見ても、アーサーの慕い方的に見ても本当の意味での「父親」ライクに見ているのはホゼアだと思ってます。カリスマ性SS、武力S、教養SSSな感じ。若いころは本当にクソクソクソクソイケメンです。その美貌を逆手にとって結婚詐欺等、頭を使う犯罪をメインにしてきたギャング内のブレイン役ですね。
コンシリエーリらしく、ダッチに対して面を向って言えない他のメンバーの不満を聞いて宥めてあげたりしている苦労人。ただこの時代以降の急激な近代化についていける「ブレイン」と言うよりは「策を練る」担当と言う意味での「ブレイン」役です。ダッチギャングには機械に長けた人がいないのです・・・。

アーサーのベッドに飾ってある若かりし頃の3人。左からホゼア、ダッチ、アーサー。全員男前ですよね。特にホゼアは女泣かせだったろうなあ・・・。

ここまでがギャングの中核を担う3人。ホントに誰か一人欠けたら成り立たなくなるレベルで重要なファクターをみんな背負ってます。この3人。

ジョン まだちょっと若い 絵が下手

ジョン・マーストン:前作「Red dead redemption」の主人公。今作のRDR2は前作の前日譚にあたるため、まだうら若きジョンが見れます。まだ大人と言うよりは・・・ガキと大人の中間って感じの青い男として描かれます。ギャング内に妻子が居て、大人になり切れず・・・子供を認知できずギャングをほっぽって1年くらいギャングから抜けてた経緯があり、アーサーからはめちゃくちゃそれを「とがめられてる」人です。元々ジョンも孤児あがりであり、アーサーの後にダッチとホゼアに拾われ同様に教養等を仕込まれているはずですが、あまりそこら辺は浸透しきらなかったようで・・・、武力Sな男って感じ。

有能チャールズ でもインディアンとしての信条を汚されるとブチギレ

チャールズ・スミス:聖人of聖人。ギャング内で最も人間的にも成熟していると思われるインディアン。時代が時代ならギャングには入っていなかったのでは?と思うくらいには有能なのだが・・・、父親が黒人で母親がインディアンと言う時代背景的に「最も」差別される身分にあったため・・・アウトローとして生きていく他なかった不遇なお人。ずっとずっと一人で生きていたが、ダッチギャングの「人種関係なく人を迎え入れる」スタンスによりギャングに加入する。実は最も新顔な男只ものすごく人ができており、基本的なギャングのメンバーとは仲がいい他、アーサーもものすごく気に入っているしチャールズもまたアーサーを尊敬している(海外でアーサーとのカップリングがクッッッソ人気)。腕っぷしも半端なく強く、ステゴロも最強レベルに加え武器については弓矢とソードオフショットガンの2丁で戦うちょっと変わった男。

駆け落ち娘 モリー 何もしないニートなので嫌われる

モリーオシェイ:ダッチの現在の女。元々身分階級の高い出身の娘らしく、半ば無理やりダッチが連れ出す形で(駆け落ち)ギャングに加入。ダッチの女という事で何も基本的に仕事はしない為、あまり女性陣から好かれていない女の人。

スーザン オカン

スーザン:ギャングを取り仕切るかーちゃん的存在。元々ダッチの元カノでもあったが現在はギャングの切り盛り役となっており、女性陣以外にも男性陣もキッチリまとめるギャングのオカン的存在。アーサーさんも結構頭が上がらなかったりする。良いキャラなお姉さん。銃も使う。

ピアソン 飯担当 腕はからきし 飯はめちゃくちゃ美味しいらしい

ピアソン:飯づくり担当。元々海兵と言う特徴がある。ギャングのアジトで栄養満点のシチューとコーヒーをタダで提供してくれる。

レオポルド 虎の威を借る狐とはこのこと?

レオポルド:眼鏡をかけた高利貸。ギャング内でも立場は微妙でアーサーは特に嫌っている男。弱いものに高利で金を貸し、それをギャング内の他のメンバーに頼んで暴力で無理やり回収する・・・という事を繰り返している。

ビルおじ 一周回って可愛いおじ

ビル・ウィリアムソン:前作にも出てくる男でありダッチの盲目信者。と言うより自分で考えることができず、ただ盲目的にダッチに従っているだけの男。ただし腕っぷしは元々軍人であることからもキッチリある。只本当に自分で頭が使えない・・・髪が薄い男。

ハビおじ 割と常識人

ハビエル・エスクエラ(ハビア):前作にも登場するメキシコ人。メキシコで革命を起こすも失敗し国を追われアメリカにやってきた折ダッチに救われダッチギャングに加入する。ダッチには相当の恩義を感じていて基本ダッチの味方をするが、考える頭が無いわけではなく、比較的常識も持ち合わせている人。ホゼア、ハビアと名前が似ているので最初はよく間違えるかも?

アビゲイルおねえさん 料理が壊滅的と評判
ジャック君 ギャングの癒し枠 意外と文学青年

アビゲイル・ロバーツ:ジョンマーストンの奥さん。元々ウェイトレス兼売春婦として生きてきたがダッチギャングに加入する。
ジャック・マーストン:ジョンとアビゲイルの子。アーサーにめちゃくちゃなついている。実際アーサーはジャックのお守りを良くしている。ギャングにしては珍しく文学っ子であり本を読むのが好き。

お酒大好きカレン グラマラスボディ

カレン:酒飲みの銃も扱える詐欺師&娼婦。アル中でギャングの生活を気に入っているが、実際本当の気質としては神経質で心は弱めな性格。

器量よしのティリー

ティリー:黒人女性。余り目立たないが、元々違うギャング?に所属していたがダッチギャングに加入を望み加入した。芯がしっかりしており強かでもあるため、女性メンバーの中でもしっかりしており信頼されている。

お調子者のおじさん 実は前々作の・・・??

おじさん:前作にも出てくる本名不詳のおじさん。本当にオジサンとしか呼ばれない。働かない、酒ばかり飲む、飲み会には必ず出るが仕事は必ずやらない、「ターミナルランバゴ(Terminal lambago 末期腰痛)」を自称して仕事をさぼるおじさん。只ノリは良く、捨てられそうなタイミングでもうけ話を持ってくるのでなんだかんだ捨てられずうまくやっている抜け目のないおじ。

メアリーベス。元々は普通の家庭の子。

メアリーベス・ガスキル:文学少女。小説家を目指す傍ら、詐欺師もこなす女の子。ちょっとアーサーに惚れている描写もあり・・・、かつアーサーも何となく察している様子あり。アーサーに救われてギャングに加入したという経歴がある。ゲーム内ではかなり親身にアーサーの相談に乗ってくれる。

マイカ・ベル 顔は整っているけどビール腹がヤバイ男

マイカ・ベル:新参者で暴れん坊。ギャング内でも最も嫌われている男。暴れることが好きでそれ目的でギャングに加入した。2丁拳銃の技術は恐らくダッチさえも上回るほど強く、ギャング内ではアーサーに並ぶ武力勢二大巨頭の一人。物凄く武力は強いが、その分血の気が多すぎて味方を顧みない為嫌われている男。

レニー。実は19歳とめちゃくちゃ若い。頭が良い。

レニー:ギャングの若手の黒人の男。元々父親が黒人奴隷出身であったが、雇い主が父親を家族同然に扱ってくれており、比較的レニー自身も不自由なく育ったが、ある日父親が奴隷であるといういわれから酒場で暴漢に襲われ理不尽に殺されてしまう。その結果激高したレニーはその暴漢を復讐で殺し、結果アウトローの道に入ることとなり・・・ダッチギャングに拾われる。元々はカタギでも全然やっていけるほど聡明な人間であり、ギャング内でも聡明な方に入るほか、アーサーの大のお気に入りの後輩。

ショーン。暴れっ子。レニーと比べると盛り上げ上手だけど腕とか器量じゃ劣るかナア・・・

ショーン・マクワイア:ギャングの若手2。アイルランド系の移民。血の気が多く、ことあるごとにミッションに参加したがる元気な兄ちゃん。レニーの事をライバル視している。アーサーもなんだかんだお気に入りにしている後輩2。

セイディ・アドラー:元々農民の奥さん。作中で加入する。

他にもいますが、目立たなかったり、ネタバレもあったりもあるので省略します。

〇前作「Red Dead Redemption」とのつながりは?

RDR2は基本的に前日譚になります。だから特に前作をプレイしてなくても全然内容は分かります。只やってたりとかすると、「あ、この人か~!」ってなるかも。それ位の差しかないので特段無印は先に履修しなくてもいいかもです。前作主人公は「ジョン・マーストン」です。

〇簡単なストーリーと前日譚

元々ダッチとホゼアが二人で組んで各地で詐欺や犯罪を犯し、稼げるだけのお金を稼いで名乗りを上げていて・・・。そこでアーサーは二人に拾われ、育てられます。その後ジョンも拾われ、二人組と言うよりは所帯となっていき・・・ダッチが「リーダー」としてギャングとなっていきます。作中でも絡みのある「コルム一味」とは元々志を同じくしていたので同行していたダッチ一味でしたが、とある仲たがいでコルム一味と敵対、ダッチギャング「ヴァンダリン」として独立し互いに敵対しながらもギャングとして成長していきます。ダッチの掲げる正義は「義賊」的な立ち位置であったため、「強きものから奪い、弱きものを助ける」と言うスタンスを掲げていました。だからこそアーサーもダッチをしたってついていったわけです。そして弱きもの、人種関係なく差別なく受け入れるというダッチギャングの元には多くの人が集まり、いわゆる非武装(戦えない)の人も増えて来て・・・食い扶持を稼ぐのにダッチは必死になってきます。
既にこの時にダッチは「全米中でも物凄く有名な犯罪者」として指名手配になるくらいには悪い意味で有名人であり、そのギャングもまたピンカートンや法執行官に常に狙われる立場にありました。
ダッチは今いるメンバー全員が安心安全に死ぬまで安泰に暮らすための「新天地」を目指すために・・・多額のお金を稼ごうとし、そこで思いついたのが新参のマイカベルの進言もあった「ブラックウォーター襲撃」。そこで途方もない額の金を得ることに成功するものの、法執行官の力強い抵抗によりやむなく敗走せざるを得なくなり、ダッチギャングはブラックウォーターから脱出し雪山へと身を隠すこととなって・・・。

と言った形でストーリーが開始します。敗走中のシーンがチュートリアルになるわけですね。「失敗」から始まるわけです。ストーリーが・・・

ダッチの主張は一貫してストーリー中「多額のお金をドンと一発稼いで、そこで新天地へ向けて逃走し、そこでギャング全員が安泰な余生を送る・・・」と言うのが目的になっているわけです。

〇贖罪というテーマ

Redemption(贖罪)の名の通り、罪を償うという事がこのゲームのテーマでもあります。主人公のアーサーさんも含め、ダッチギャングの面々は「義賊」を掲げているとはいえ、殺人もやむなく行ったり、銀行強盗など・・・当然犯罪は当たり前のように起こすわけです。

作中のプレイアブルシーンでいくら不殺を貫いても、ストーリー上「殺人」は避けられない部分もあります。

ココが結構本邦で「賛否両論」のシーンで、完全な「善人プレイ」はできないのです。まあもともと既にゲーム開始時にアーサーさんも結構な無法者なので仕方ないっちゃあ仕方ないのですが、不殺を貫くことは基本出来ません。

そして・・・悪いことする人は「清算」が必要だよね?っていう世の常を表したテーマで・・・、そういう人たちは皆、なんだかんだいろんなことで「贖罪」をする必要に駆られる・・・わけです。と言うより・・・世がそうしているというか、運命は巡り巡るというか・・・。

それでもアーサーさん(ひいてはプレイヤー)はどうするか?がこのゲームのテーマなんだろうって思います。過去は変えられないけれど・・・今できる、するべきことは何だろう?ってことを問うゲーム。もちろんそれは自由で・・・、どんな結果も正解なんだろうって思います。オープンワールドゲームで何しても何でも自由ですけど、結末の選択肢もまたプレイヤー次第で決まる。そこがすごく良いです。

贖罪しないって選択肢もきっと、あると思います。

〇以下ネタバレあり

以下ガチネタバレあり!


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〇ダッチ・ファン・デル・リンデと言う男

強いカリスマ性を演じてはいたものの・・・それはダッチ自身が尊敬してやまなかった「父親像(ダッチの父親は南北戦争で大活躍したカリスマ溢れる英雄)」を演じていたからこそ表出していたかりそめのカリスマ性で。所帯が大きくなり食い扶持が増えるにつれ・・・必要なお金の額は増え、また「西部開拓時代」の終焉もあり・・・どんどん古い「ギャングの形」は失われていきます。その時代の終わりを悟っていたとは思うけれど・・・その幻影にすがることしかできなくて・・・新しいギャング、つまり都市型の「マフィア」にもなることができず、「カウボーイ」のまま・・・義賊としてあり続けなければならない火の車の操縦者だったわけです。
どんどん余裕がなくなっていき、余裕があったころは父親を真似ることでキープできたカリスマ性もどんどん失われ・・・挙句にはセーブ役であった、一番初めの仲間で相棒かつ親友、右腕であるホゼアが死んでしまった事から・・・どんどんダッチは焦りに焦っていくわけです

ダッチが撃ち殺されて、ピンカートンのミルトンの「There's your deal, Dutch?(これがお前の選択だ、ダッチ?」の発言で・・・。
ホゼアが射殺されたときのダッチの「ホゼア・・・」の語気と表情が本当にキツイ。

元々結構ギリギリのメンタルしていたのです。作中しょっぱなのブラックウォーター失敗時から。だけど・・・何とかホゼアとアーサーが何とか持ち直してた部分があって。只本当に心の底からダッチに対して「NO!」を突き付けられるホゼアが死んでしまって・・・。ぶっちゃけダッチも何だかんだ自分の無茶な意見に対して「マジでまずい時はホゼアが止めてくれるだろう」って気持ちもあったと思うんですよね。そのストッパーのホゼアが・・・死んで。

これ以降軒並みダッチは「Give me a time(考える時間をくれ)」と時間をくれ、時間をくれと言い続けます。考える時間をくれ、考える時間をくれ・・・と。そして本当にガチで追い込まれたときに・・・「I miss Hosea...…(こんな時ホゼアが居てくれれば・・・)」とうなだれながらつぶやくのです。
そしてひたすらに「I have a plan!!!!!!!!!!!!!!」と成功率低い計画を重ねては失敗を続けてどんどん死人が出て・・・となるわけです。プランおじさんって言われるのはそのゆえんですね。

でも正直な話、ゲームプレイしてて主人公のアーサー含め他のNPCもみなが皆、「どうする?ダッチ?」「どうすればいい?ダッチ?」とひたすらに問い詰めてばかりで、自分で動こうとしないのです。

これ、ギリギリのメンタルの状況のダッチにとって、「頼れる人」が居なかったんですよね。ちょっとここは本当に可愛そうだなって思うところがあって。アーサーが唯一、唯一まっとうに進言できる立場であったものの、やっぱり自分自身を拾って育ててくれた父親同然に慕っていたダッチに対してどうしてもアーサーさんは無意識に「甘えたい」部分があって、どうしてもはっきりと「こうすればいいんじゃないか」と言えないのです。どうしてもダッチに対してアーサーさんさえも・・・「次はどうする?ダッチ」としか言えなくて。

無意識にギャング全体でリーダーのダッチを心理的に追い詰めてしまう構図が出来上がってしまうのです。

これ、ゲームプレイ中は「キツイな・・・ダッチもう少し何とか優しくしてやれんものか?」って思っていたのですが・・・。
元々、ダッチギャングってダッチの「ワンマン」ギャングだったんですよねあらゆる意思決定は全て「ダッチが」決めるギャングで。それにただ従っていればいいってスタンスで他のギャングメンバーは認識していたわけです。他者が意見を言うことは許されないわけです。ダッチのワンマンだから。せいぜいホゼアが進言して修正しつつ、腕っぷしのアーサーの力でごり押しして成功させるって言う方法で今までやってきたわけで。だから他のギャングメンバーからしてみれば「意見を言う」事自体が今までNGとされてきた分、「どうする?ダッチ」としか言えない状況を作ったんですよね

だからある意味で、ダッチのワンマンプレイが招いた結果と言うか・・・、今までで少しでもギャングメンバーの意見を取り入れるような事をする素振りでもあれば・・・未来は違ったのかもしれませんが・・・。ダッチが今までワンマンでやってきた分、「どうするダッチ?」って答えしか窮地に陥っても得られなかったのは、仕方がない事なのかなあって思うのです。

いびつな形のギャング・・・、ヴァンダリン・・・。そして最後は全てを失って・・・アーサーさんさえ失って・・・失ってから初めてその真意に気づいて・・・そして前作のラストにつながる・・・わけです。

「俺たちの時代は終わったんだ、ジョン。」

〇ホゼア・マシューズという聖人

年をとってもオシャレは一番だと思う

まあギャングの一員であり、ダッチの最初の相棒かつ「親友」で結婚犯罪とかガンガンやってきた以上、聖人って言い方は良くないかもしれませんが少なくともギャングの維持役としては絶対不可欠な存在であり、唯一ダッチに対等に意見を言えるメンバーでもありました。そして明確な医者ポジがいないギャング内で薬草等の薬活を行える臨時医師のポジも彼が担っていました。無茶が過ぎるぜ・・・ホゼアさん・・・。苦労したよな・・・。

事実ギリギリ瓦解寸前のダッチギャングを何とか維持できていたのはアーサーさんとホゼアが生きていたからで・・・、アーサーさんがなんだかんだダッチに対しての「甘え」をしちゃう分、本当にダッチの手綱を握るのはホゼアしかいなくて・・・本当にきつかったと思うんですよね。最年長だし・・・。
ましてやゴッドファーザーでいうところの「コンシリエーリ(相談役)」なので、ダッチに直接不満は言えずともホゼアには皆不満をぶちまけるわけです。その不満を何となくまとめて、それをそっとダッチに伝える係であって。作中で最も苦労人だと思います。また最年長ってのもあって、既に肺に何らかの疾患を患っており(タバコめちゃくちゃ吸ってたから、COPD?)、ギャングのみんなから労わられてたりもしてました。でもその分ギャングのメンバーからはめちゃくちゃ慕われていて、特に黒人若者のレニーと仲がいいのがすごい良かった。最初はレニーがギャングに加入することをダッチに対して反対してたホゼアですが、レニーと交流するうちにレニーの人となりを理解して「わしが間違ってた、お前はギャングに必要な人材だ」とか、「お前はまだ若いし頭がよく聡明だ、今のうちに勉強しておくべきだ、弁護士にでもなれるぞ」と言うくらいには仲良くなって・・・。レニーも父親のように「ホゼア、寒いと肺をいわすからもう休めよ」とか声をかけたり、一緒にピアソン特製シチューを一緒に食べたり・・・その二人の絡みがとても素敵でよかった。
ホント、悲しくも同じミッションで死んでしまうんですが・・・・・・・・・・・。

ホゼアがいたからこそ、ダッチは無理を言えてた部分があると思うし、ホゼアがいたからこそ、他のメンバーを取り持つことができて。
一番の功労者はこの人であり、この人の退場がすなわちギャングの崩壊を意味していたのだと思います。実際ホゼアが死んでからダッチの狂いっぷりは加速するし・・・。

これも何もかもマイカベルが悪いんだ・・・・・・・。

そして唯一の残された希望と言うか、アーサーさんとは対照的になるのですが・・・。元々ギャング外に「妻」を迎えていて、定期的にあっていた様子があるのです。どうやら娘様もいたかもしれないようですが、ただダッチギャング自体があまりにもアメリカから「驚異的」に危険なギャングとして認識されている以上、ホゼアが単身家族に会いに行くこともリスクが高く、家族に会うことも難しかった様子です。只・・・己の血を残せたかもしれないって言うのは、幸せなのかもなって思います。

〇チャールズと言う聖人

なんでギャングなんかやってんだ?と思う反面、「時代か・・・」と思うくらいには時代の被害者、チャールズ。作中で終始ずっとギャングの為に動いてくれた上に、ギャング内での不和を収めようとしたり・・・中核メンバー不在になった時に一番新参なのに中核メンバーの代理としてギャングを運営してくれたり、ミッション中に不幸にも旅立ってしまったギャングのメンバーを探してきては埋葬して上げたり・・・、マジで最高にアツイ男、チャールズ君です。年齢は明らかにされていませんが、アーサーさんと同年代かちょっと下くらいかな?って感じで、ジョン(20代半ば)よりは年上かも?実際ゲーム中では最後まで死なないし、何ならエピローグでもジョンのサポート役としてずーっと活躍してくれるこのゲームの良心なキャラです。
上述したように、黒人の父親とインディアンの母親を持ち・・・時代背景では最も差別される身分でもあったチャールズは、実際物凄い差別を受けてきたようで、ずっとずっと一人で生き抜いてきた男でした。ダッチギャングが人種差別をしない本当に珍しいギャングであったため、ダッチギャングに加入するわけです。その加入のエピソードなどははっきりと明らかにされていないのですが、ストーリー開始時から主人公のアーサーさんからの好感度はかなり高く、またチャールズからのアーサーさんの評価も超高いという状態で。どういった形で(割と)用心深いアーサーさんの信頼を勝ち得たのか?不思議です。でもまあ・・・作中でゲームやってればチャールズの事まあ嫌いにはならないよな・・・って思うくらいにはガチ人間出来てて・・・。黒人とインディアンのハーフとして生きていますが、本人は「インディアン」として生きていて、インディアンの掟、信条を大切に生きています。その信条を守らないやつには激高して立ち向かうなど、芯の通った気持ちのいいキャラですね。ホントチャールズが居なかったらもっとどんよりしたゲームになってたかも。清涼剤と言うか・・・スッキリシャッキリした本当にいいキャラだと思います。アーサーさんが結核(TB)にすらかかってなければ・・・チャールズが相棒になってあげて逃避行・・・ってのもきっとできたろうに・・・(実際海外のファンからのアーサー×チャールズのカップリングは2024年現在でも量産されるくらいには人気がある)。

〇アーサー・モーガンさん

このナリで自分は「ブサイクだから・・・」って言うんですよ

不憫ですね。ただただ不憫かもしれない。彼の生涯は・・・ホントにきつくって。生まれて・・・幼いころに父親が(恐らく)吊るされて死んでいます。つまりアーサーの父親もまたアウトローだったと推察できるのです。そしてあの時代で・・・男親が死ぬというのは本当にきつくて、母親が確か病気か何かで父親より先に亡くなってしまっていたため天涯孤独の身になったアーサーは奴隷商につかまり売られそうになったところをダッチとホゼアに拾われて、確かこの時14歳だったはず。そりゃふたりの事を父親のように慕うわけで・・・。そして二人はアーサーを息子のように扱い知識や読み書き、教養、馬術から射撃まで全てを教えてくれるわけで、アーサーもそれにこたえてそれらを吸収するわけです。元々素質があったのかマメにゲーム内でも寝起きするたびに日記をつけるし手帳の日記の隅には出会った人々の似顔絵や動物のスケッチが描かれてたりしててそれがまたすごい絵心があるんですよね。文章もすごくキッチリしていて、ギャングっぽくないところでもある。そんなアーサーは・・・ゲーム開始時に既にもう居場所がギャングしかないわけで・・・。アーサーは(恐らく)20代の頃にイライザというウェイトレスに半ば強引に惚れられまあ満更でもなかったアーサーはイライザとヤってデキ婚します。そしてホゼアも所帯を持っていたように、「家庭を大事にするならギャングから抜けてもいいぞ」とダッチとホゼアに言われるわけです。只ギャングも家庭も両方捨てきれなかったアーサーはギャングの生活の傍ら、定期的に家族の元に帰る、という事をしていたのです。二人の子はアイザックと名付けられ、またコッパー(銅)と言う名前の犬まで飼っていました。
只ある日・・・いつも通り家族の元に帰ると、家族が皆殺されていました。自分と敵対するギャングが報復のために・・・殺したわけです。深掘りすると息子は実は生存しているようなのですがアーサーとは決裂し絶縁状態になってしまいます。アーサーは「家庭とギャング」の両立は無理であることを心から痛感するのと自分がしてしまった過ちを只々悔いることしかできず・・・。
そんな中、メアリー(メアリーベスとは別人)と深い恋仲に落ちて・・・婚約するまでに至るもののメアリーの父親がギャングのアーサーと結婚するのには大反対するわけです。メアリーはアーサーに「ギャングから足を洗って」と強く言い続けるのですがその時にはすでにギャングはある程度の大所帯になっていて、腕っぷしの強いアーサーさんが居なければ明日にでも死んでしまうような非戦闘員がいたわけです。アーサーさんは「そいつ等を守らなければならない」という事でギャングから足を洗うことはできないと彼女に伝えるわけです。彼女側も・・・駆け落ちまでは行けなくて。只お互い両想いであるにもかかわらずそっと瓦解してしまうのです(実は互いに未練たらたらで作中でも何度もあったりしているしイベントもある)。大恋愛をして・・・幸せになれる道もあったはずだけれど・・・ギャングとして育った以上いくら教養があっても・・・ギャングにしかなれなくて、ダッチとホゼアへの恩義も捨てられなくて、家庭も失い最愛の人も失い(アーサーとの恋愛後お見合い結婚している)、もう居場所が彼にとってはダッチギャングしかなかったわけで・・・。
こういった経緯があるからこそわが子を認知できず子を持つことに恐怖してギャングから1年ほど姿を消していたジョンに対して兄貴分としても・・・個人としても結構ガチ目に強く当たっていたんですね。しきりに「家庭とギャングの両立は無理だぞ」って言い続けるのです。体験談だものなあ・・・。
だけれど往々にして先人の「~~しとけ」ってセリフは若者には伝わらないわけで・・・。そしてレオポルドの高利貸の借金取り立てイベント。貧しい人に高利で金を貸し、ギャング内でも腕っぷしの強い人に頼んで返済を無理やりにでもさせるレオポルドの事はアーサーは嫌っていたけれど彼はギャング内の資金繰りという役割を担っていたために・・・渋々ながら不本意ながら暴力で返済を進めていくわけで・・・。そこで弱きものから金を毟り取った時に結核を移されてしまうわけですね。結核・・・基本的には感染時にすぐ発症することは稀で、潜伏感染し身体が弱った時に発症するのです。アーサーさん、度重なるストレスや遭難だったりいろいろ身体に負荷がかかった矢先・・・結核を発症してしまうわけで・・・。当時は不治の病であり、発症したらサナトリウムで療養するのが関の山、治療方法なんて無い絶望の病なわけで・・・、もう自分の先が長くないことを知って、そこでやっと自身の本当の意味での「Redemption」をするのだなあ・・・って思ったのです。
只実際、作中でアーサーが結核になったと描写されたときは普通に寝込みましたけど・・・。
それでもギャングの為に尽くして、マイカからは弱っているところを執拗に責められて「病気野郎」と言われ裏切りの疑いもかけられる中最後まで他の非戦闘員の身を案じながら、狂っていくダッチに最期までついていくのです。
そして最期を悟ったアーサーは・・・ジョンに父の形見の帽子と手帳の入ったバッグを渡して「俺の分まで生きろ」と言って追っ手を引き受けて・・・。

本当に不憫で可哀そうなキャラだったと思います。でも本当に心の底からかっこいいキャラクターでもあって・・・。なんだかんだツンデレなところとか、気に入っているお気にの後輩にはめちゃくちゃキビシイ言葉をかけつつもそれが彼の愛情表現であったり・・・。なんだかんだ人助けをしたりして・・・。良いキャラクターだよなあって本当に・・・思うのです。


〇マイカ・ベル

顔は整っていると思う。でも腹がだらしない あと性格がね・・・。

このゲームをプレイした後でこのキャラ「好きになる奴いる?」レベルで嫌われている男。自分も含めてそうなのですが、エピローグでコイツを殺すとき、Youtuberや配信者みんな銃のありったけの弾をデッドアイ中にマイカの頭に叩き込んでて笑った記憶があります。それだけ嫌われ者ですね。

と言うかギャング崩壊の原因を作った張本人でありながら、かつピンカートンに情報を流していた裏切り者のネズミです。どこから裏切っていたのかは明言はされていないけれど、そこはプレイヤーの考え次第って感じで、ここまでヘイト買う役ってのも珍しいなと思うくらいヘイトを買っています。
確か本国か西欧では、同姓同名の人がTwitterでなんか全く無関係なのに殺害予告されるくらいにはガチで嫌われていたマイカ・ベル。

正直な話裏切ってギャングの情報筒抜けにしてた時点でもう許されないのは明らかなのですが、ただ可哀そうな部分もあって・・・。マイカって、実はギャングの子の「ジャック・マーストン」に異様にやさしいんですよね。不器用な優しさなんですけど、ギャングの子にはめちゃくちゃ甘いんです。
自分と重なる部分等があったりして・・・思うところがあったんでしょう。マイカ・ベルの父親はアウトローであり、犯罪を犯して吊るし首で殺されています。父親の名が実は「マイカ・ベル」であり、当のマイカは父親の名を継いで「マイカ・ベル」と名乗っているわけなのですね。そしてマイカにはカタギの弟が居て・・・。弟は妻を設け普通の平凡な幸せな家庭を築いています。マイカの最も望むことは、「平凡な生活をすること」であったのです。だからきっと・・・弟のことが羨ましかったのでしょう。そしてすごく大切にしていたのだと思います。頻繁に手紙を書いて、マメに連絡を弟にはしていたようです。しかし弟からはアウトローとしての兄が苦手だったようで、作中で手紙経由で「絶縁」を宣言されてしまっています。マイカは・・・本編終了後からエピローグ間で弟家族も「始末」してしまっているようですが・・・、やっぱりマイカ自身が最も幸せだと考えているのは「平凡な生活」だったようで・・・。只マイカ自身にはそれを成し遂げる技量が無いと自身でもわかっていたのか、ギャングでの生活を続けていました。本当に生粋のアウトローとしての生活しか彼には残されていなかった。そういう面で見てみると、彼も悲しい男だったのだと思います。
実際、彼の言い分として正しい事も結構あるのです。「義賊」を掲げていたダッチギャングですけど、もう古い時代の西部劇ライクなギャングはもう時代的に明らかに遅れていて、これからのギャングは都市型、つまりマフィアの時代になるわけです。それをダッチもホゼアもアーサーもみんなうすうす分かっていた。だけれどダッチが古い時代を捨てきれず、またホゼアとアーサーもなんだかんだ捨てきれずダッチについていくといって古い時代の沈みゆく泥船にしがみつくしかなかった。先がない事をみんな分かっていたのに・・・。そんな中、マイカだけは「義賊と言う考えを捨てろ」「戦えないやつは置いて戦える奴だけでギャングを再構成しろ」と進言し続けたのです。実際、非戦闘員が増えすぎて食い扶持が増えすぎた結果火の車になったダッチギャングにおいて戦闘員は皆腕っぷしが強い奴らで構成されていたので、再構成していれば時代を切り抜けていくくらいの力はあったと思います。只ダッチもホゼアもアーサーも中核のメンバーが皆「義賊」と言う考え方抜きではギャングと言う悪党行為を続けられるほど強くなかった・・・部分があって。
結果的に泥船にすがるしかなかった中核メンバーに・・・うんざりして裏切ったのかなあって思うのです。そう考えるとまあ憎めなくも・・・無いかも?

そして父性に飢えていたのもきっと事実だと思うのです。マイカは幼いころ父親を失っていて・・・その父性を「ダッチ」に見出していた部分があって。その「ダッチ」が「息子同然」に可愛がっているアーサーに対して露骨な「嫉妬・嫌悪感」を示すのです。そりゃもう事あるごとにアーサーに突っかかってくるくらいには、新参者の癖に古参の古株のアーサーにもうほんとに突っかかってきます。ダッチの事は本当に心底好きだったんだなあ・・・だからこそアーサーが羨ましかったんだなあ・・・ってちょっとだけ思えるかも?ってところがあって、改めてゲーム外でマイカの事を考えてみると不憫なヤツ・・・って思いますね。実際ゲームプレイ中はヘイト100%過ぎてもう文句ないまでにボコボコにするんですけど・・・。

可哀想なヤツ。って思うキャラですね。

ホゼアの時に裏切ってたかについては・・・個人的には「違うかな?」と思います。マイカって言及があったかは覚えていないのですが、裏切ってからは基本的に直接的なギャングの「犯罪」には参加しないようになって、参加するときには明らかに目立つ「赤色の服」を着るようにして、誤射して殺される可能性を減らしている?ようにも見えるのです。サンドニの銀行強盗のミッションではマイカも白スーツを着ていたので、目立つには目立つけど・・・、裏切っていたかははっきりとは分からない・・・。実際その後逃げて船沈没ですし・・・、想定外もいいとこでしょうし・・・。でも書いてて思ったけど白スーツって十分目立つよな、やっぱり情報流してたんじゃないか?クソだな・・・って思うくらいには、マイカは嫌いだし多分プレイヤーみんな嫌い・・・な可哀そうなキャラです。

〇終わりに

総じてRDR2のキャラクターってみんな不器用で、人間くさいんですよね。
そこがすごい良くって・・・。特に男性陣、めちゃくちゃイケてるのにすっごい不器用で不器用で不器用で・・・。器用なヤツもいるけど(チャールズとか)、そういうやつはそういうやつで生まれでめちゃくちゃ苦労していたり。
世の中うまくいかねえもんだよナアって思うゲームでもあります。

ストーリーもよくて、オープンワールドゲームとしては完成していて、多分本当に数百時間以上突き詰めればプレイできてしまうくらいにはボリュームがあるこのゲーム、是非興味が湧いたら、買ってみてくださいね。

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