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人が多く訪れる拠点に暮らして

2018年7月に地域おこし協力隊として福井県南越前町へやって来た。やって来たと言っても、私の出身は福井市。移動距離でいえば40Km。車で1時間ほどの場所である。
住むこととなった場所は『流動創生』という事業の拠点となっているシェアハウス。私以外に男女1人ずつ住んでいる一軒家だ。今まで、実家でのうのうと楽な暮らしをしていたので、シェアハウスという、他人と一緒に暮らす環境に緊張しつつ生活が始まった。
 しかし、そこは我が道を行くB型なのか、あまりストレスに感じることはなかった。分からないな、と思うことは聞けば教えてくれたし、聞かずに適当に済ませてしまうこともあったり。その辺は先に暮らしていた2人の方が気を遣っていたのではないかと思う。出来上がっている生活のルールも息苦しく感じるほどのものはなく、そのルールによってある程度の清潔感と生活感のある暮らしをしていた。
 ここで、『流動創生』という事業について少し話しておきたいと思う。事業を立ち上げたのはアラキさんという一緒に暮らしている女性だ。
人口減少の世の中、移住で少ない人口を取り合っても仕方ない。もっと人材をシェアする生き方ができてもいいんじゃないか。旅をしながら生きる方法を考えてみてもいいのではないか。その方法を模索していこう。
ザックリといえばこんな感じな事業である。そんな事業の中で、住んでいる家を流動しながら生きる人たちの拠点としてシェアすることをしていた。イベントとして人を呼び入れ、宿泊代を無料とし、旅暮らしのスキルとしてDIYを身につけるために拠点の畳の部屋をフローリングにしてみたり、農作業を体験したり、草刈り機を使ってみたり。スキルを身につけて、ここ以外の場所でも作業を通じて仲良くなり、地域コミュニティに溶け込むことができるようになって、流動していく人材を育てるのが目的だ。
 結果的に、拠点となっているシェアハウスにはいろんな所から、人がよく来る。流動したいと考える人たちだから、みんな面白い考えを持っていたりする。そういう人たちと話すといい刺激となって、私自身もいろんな考えが浮かんだりする。そんな化学反応を楽しんではいるのだけれど、生活の場に様々な人が訪れるというのはなかなかに気疲れもするらしい。楽しんでいる自分と、ついていかない体の疲れという状況が度々起きる。
 その乖離はなんだろうと思ったとき、その人の持つパワーみたいなもののように感じる。良くも悪くもパワフルな人はいて、どちらかと言えば発信する側でなく、受け手側の私は彼らのパワーに圧倒されてしまう。それは距離感とかではなく、滞在している間は家の中にあふれており、否応がなしにダメージを受ける(疲れる)。パワフルな人は、そのパワーを自覚している人もいれば、無自覚な人もいる。自覚している人はそのパワーをうまく使って人を集めたり、活動していくし、自分の影響力を分かっているので、私のようなパワーに当てらてれてしまう人間がいることもわかっていて、対個人で加減しているように思う。そして、無自覚なパワフルさも人の注目を集めたり、楽しませるということに関しては力を発揮するが、周りの人間が付いていけなくなってしまうことも発生したりするんじゃなかろうか、と勝手に心配してしまうところである。

私自身はそういったパワーを刺激として蓄積するタイプなので、あまり強すぎるパワーには疲れてしまうのだろう。
そういうものが人の合う合わないだったりするんだろうなぁ、と考えたり。

人が流れること、移動することもパワー。人の輪の中に入っていくこともパワー。人が訪れるこの家は、そういった意味ではパワーにあふれている。その時々で使う力は違うけれども、負担の無い範囲で受け取っていきたい。それができる場所だと思う。


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