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「今」を見つめて生きる。これがわが家の♯キャンプの楽しみ方

「あれ、いま何時だっけ?」
キャンプ中にふとスマホの時計に目をやると、もうこんな時間か、まだこんな時間かと思うことがある。キャンプに行くと時計が刻む時間では生きていない。太陽の高さや空の色、肌に当たる空気の温度でなんとなくの時間を感じている。
自分の腹時計も頼りにしている。
そんな風に、誰にも、何にも邪魔されることなく、自分じかんを過ごせることがキャンプの楽しみかもしれない。

キャンプでの楽しみはたくさんあるけれど、改めて「キャンプの楽しみ方を教えてください」って言われたら、なんと応えるだろうと考えてみることにした。

太陽が沈み、月が姿を現す

キャンプは非日常体験とも言われるが、何が非日常なのだろう?
自然の中で不便さを楽しみながら過ごすこと
焚火を見つめること
土の上にテントと寝袋を敷いて眠ること
いつもと違う料理を作って食べること
何もかもが非日常だ。
では、非日常の「何が楽しいの?」と自分に問うてみる。

意外な答えが真っ先に浮かんできた。
「キャンプではお風呂に入らなくてもいい・・・」
あぁそうか。
私はお風呂に入るの本当は面倒くさいと思ってる人なんだ、と気づく。
お風呂に入ると気持ちが良いし、汗をかいた日にはお風呂でさっぱりしたいのだけど、毎日課されたノルマのように、何時までにはお風呂に入って、ご飯を食べて、アレをして、コレをして。日常の暮らしには、やらなきゃいけないことが多過ぎる。何かと時計が刻む時刻を気にかけている。
とても忙しかった会社員を辞めてゆっくりするはずだったのに、空いた時間が何かで埋まってしまった私の暮らしは結局忙しかった。

太陽の光を浴びて遊びまくる

そんな私もキャンプでは時間を気にしない。腕時計をつけてはいるけどほとんど見ることはない。一泊二日のキャンプなら、チェックインして翌日朝までは、時計を見ることなく過ごす。
お腹が空いたらご飯を作って食べる。
お腹いっぱいになったらのんびりしたり、遊んだり。
眠くなったら寝る。
目が覚めたら起きる。
キャンプでは目覚まし時計はかけない。自分の体に任せている。
それでもいつもより早くに目が覚めるから不思議だ。

キャンプの時間には、やらなければならないと思っている”いつもの仕事”がない。
誰にも邪魔されず、自分の体内時計に従って時を過ごす。
もちろん家族でキャンプに行くので、子供や夫が「お腹空いたごはんにしよう」と言ってくることもある。それも腹時計で言ってくる。家族の腹時計は似ているものだ。キャンプでは、時計が刻む時間を気にせずに自分たちの時間を生きている。

わが家のキャンプでは、日常生活にある”暗黙のルール”がない。
いつも行くキャンプ場には、大きな焚火を囲んで他のお客さんたちと交流できる空間がある。そこで子供は友達を作り、時間を気にせず力尽きるまで遊ぶ。大人だって、帰りの電車やバスの時間を気にすることなく、子供を寝かせることを気にすることもなく焚火を囲んで語らう。眠くなったらテントに入ればいつでも眠れる安心感がそこにはある。大人も子供も好きなだけ遊んで眠くなったらそのままゴロン。これが最高だ。

スターテントの光が幻想的な夜のキャンプ場

キャンプでは本当にやりたいことしかやっていない。
キャンプには生きるために必要なことが凝縮されている。
「くうねるあそぶ。」
糸井重里さんのキャッチコピーが頭に浮かんでくる。
やらなきゃいけないことに溢れた日常を離れ、キャンプに行く。
キャンプの楽しみは、時計の時間を気にせず「くうねるあそぶ。」を堪能する。
「くう・ねる・あそぶ」この一つ一つを全力でやりきっているのが、わが家のキャンプなんだなあと納得。「もう何時だからご飯食べよう」「もう何時だから寝よう」という会話は出てこない。
好きなことを力尽きるまでやる。
だからキャンプは楽しい。また行きたくなる。

「キャンプではお風呂に入らなくてもいい・・」を深めていったら、惰性で自分に課している毎日のルーティンに気づくことができた。
ゆっくり生きるとは、時計の時刻で生きるのではなく、自分じかんで生きること。

キャンプに行けない休日を、時計を見ずに過ごしてみようと思った。
「時計」と「やらなきゃならないと思っていること」はだいたいセットだ。

時計が刻む時間を気にせず生きる、それはすごく贅沢なことかもしれない。
人の生は終わりがあるから、どうしても生き急いでしまう。私はそうだ。
それが結局苦しくなる。生き急いでいる時は、「今」を生きていないと思う。
キャンプで自分の腹時計や、自然の色、空気の温度を感じて生きている時、自分の「今」、自然の「今」だけを見つめている。
余計なものがない、外の景色と自分だけを見つめて生きている。

これがわが家のキャンプの楽しみ方。









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