見出し画像

【はじめての東洋医学】聞いて・読んで覚える「東洋の脾の考え方」

【2022/06/12 更新】このアカウントは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。

【東洋医学概論】
 ⏩ 脾の蔵象学説

こんにちは!
オンラインで試験対策を学ぶなら森元塾 塾長のもぬけです。

なるべく教科書の正しい説明と個人的に噛み砕いた説明の2つをお伝えしていきたいと思います。

内容は鍼灸(あんま)の教科書(医道の日本社)をベースにお伝えしています。

これまでのマガジンのノートで「肝」が…とか「脾」が…とか色々説明をしてきました。これは「陰陽学説」や「五行学説」とはまた別の考え方の蔵象学説です。


【東洋医学】蔵象学説とは

画像1

蔵象学説では、五臓のそれぞれを中心とする人体の生理体系と各体系間の相互関係、及び、五臓六腑の基本病証について学んでいく。

まず蔵象ってなんや!ってところから説明していきます。

「蔵」は「かくす、おさめる」という意味で、人体の内蔵を意味しています。

「象」は「かたち、ありさま、すがた」という意味で、体表の組織・気陥の様々な現象を意味します。

一番わかりやすく伝えると肺そのものが「蔵」、呼吸という機能が「象」です。

つまりこの臓器にはこんな機能があるよっていうのを東洋的に覚えていくというものですね。


【東洋医学】脾の働きに入る前に

画像2

西洋の解剖学を学んでいると「脾臓」という臓器があると思います。
西洋医学での脾臓は赤血球を破壊する臓器と認識していると思いますが、いったんそれは放置してください。全く違います。

これは一節によるとなんですが、東洋と西洋が混ざりあった時代に、東洋の脾臓と西洋の脾臓が誤って名前をつけられたという話があります。
(諸説あります。)

東洋的に説明される「脾」は西洋で言うところの「膵臓」に近いと考えられています。

じゃあ膵臓なのかといったらまた違うので、ちょっとにてるところもあるなー程度だと思います。

【東洋医学概論が苦手な人への心構え】
 ▶西洋とごちゃまぜにしない。
 ▶たまに「あ、似てるなー」と思ってもごちゃまぜにしない。
 ▶「うちはうち、よそはよそ」精神


【東洋医学】脾の作用

脾の生理作用は2つ

【脾の生理】
 ▶運化
 ▶統血


【東洋医学】脾の作用:運化

画像3

飲食物を水穀の精微に変化させて吸収し、心や肺に運ぶ作用を運化という。

運化には飲食物(食べ物・飲み物)を水穀の精微という気(エネルギー)に変える働きがあります。

この過程は「脾」のみではなく胃や小腸も関わりがあります。(特に「胃」)

この働きにより「心」や「肺」に運びますが、心のちからによって水穀の精微は「気」や「血」になり、脈中に流れます。

この働きは西洋で言われている消化・吸収に似ています。

根本的に脾は気や血を作り出す「もと」となっているので、脾は気血生成の源と呼ばれています。

また水液を脾が吸収もするため、運化は水液の停滞を防ぐ役割も持っています。

運化の働きが失調すると、痰湿が発生するため脾は「生痰の源」と呼ばれています。
国家試験の話をすると肺は「貯痰の器」と呼ばれていて、これを入れ替えて出題されることがあります。


【東洋医学】脾の作用:統血

画像4

気の固摂作用により、血が脈中から漏れ出るのを防ぐ作用のことを統血という。

脾は気の源となる水穀の精微を吸収し、全身の気の量は脾の機能に左右されています。(気血生成の源)

つまり気の働きである固摂作用も気の総量に依存するため、統血は脾の働きとされています。

もし脾の働き・機能が失調すると、気を作り出せなくなるので、結果、気の固摂作用そのものが低下し血が漏れ出やすくなっていきます。
(具体的には血便・血尿・崩漏・皮下出血などがありますが、今はへーと思っておく程度でオッケイです。)


【ちょっとわからない所があった方へ】
 ▶気の固摂作用って何?
 ▶そもそも気って何?


【東洋医学】脾の生理特性について

脾の生理特性は2つです。

【脾の生理特性】
 ▶昇清
 ▶喜燥悪湿


【東洋医学】脾の生理特性:昇清

昇清の「清」とは水穀の精微のことだそうです。脾は上へと向かう気機を特徴とし、生理物質などを上昇させる。

脾の機能によって吸収された水穀の精微はいったん上昇し心と肺の機能を受けて気や血に化成され。その後全身をめぐる。

脾の機能が失調し昇清に影響が及ぶと、生理物質を上昇できなくなります。
組織や器官の位置を正常な位置に保つことができなくなります。

その結果、内蔵下垂が起こったり、慢性的な下痢が発生すると言われています。

これらの症状はそもそも、気の固摂作用が落ちているっていうのもあります。


【東洋医学】脾の生理特性:喜燥悪湿

脾は乾燥を好み、水液を嫌う特性がある。

梅雨時にお腹を壊しやすいとかって聞いたことありませんか?

脾は水液をさばく場所であるため、常に水液が旺盛になりやすいという特徴があります。
脾が水液をさばくためにはある程度の乾燥が必要で、乾燥が足りていない陽を作り出せることができなくなって症状が悪化します。


毎日国家試験対策や臨床で必要な知識をお届けしています。
ためになった・気に入ったって人は
「いいねボタン」と「アカウントのフォロー」
をお願いいたします。

【国家試験オンライン塾:まいにち頑張るコース】

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の学生の方でちょっと不安がある、何を勉強して良いのかわからないって人向けの有料期購読です。

【国家試験オンライン塾のコンテンツ内容】
 ▶テスト形式での問題の配布
 ▶詳しい解説
 ▶勉強の仕方・ノウハウ
 ▶質疑応答
  
現在3年生・4年生の方はもちろん。そうでなくても早いうちから国家試験で安心したい人や普段の定期テスト・実力テスト・模試などの点数を稼ぎたい人にもおすすめです。問題集を買うより断然お得です。

教科書読んでもよくわからない、いつまでも覚えれない。そんな人におすすめの単発記事です。国家試験でもかなり頻出の問題を取り扱っています。

無料記事も多数用意しております。 サービス継続のため、 役に立ったと感じましたら未来の受験生のためにもサポートをお願い致します。