母親からの縛りつけに悩むときの本/映画

H.N わかなご さんからの悩み相談
親が貧乏性で、その影響が強く私も何かをする際にお金の事がちらつき食事もままならない現状です。
このままではいけないと思い一人立ちを親に申し出るも却下され、ずるずると数年実家暮らしを続けています。
私の決心を後押ししてくれるような作品を紹介してください。

現状を変えるために一人暮らしをするというのは良い方法だと思います。私自身、高校卒業までは生粋の次男坊スタイルで何をするにも親と一緒だったクチですが、大学入学に向けて一人暮らしの部屋を探す際、父親から言われた「これからは契約とか支払いとか、なんでも自分でやるんだぞ」という一言で自立心が生まれた気がします。映画で一人暮らしモノという括りを考えると、「百万円と苦虫女」「横道世之介」なんかがパッと思いつきました。
そんななかでも母娘のしがらみというテーマで作品を選んでみました。

まず、本のオススメは宇佐美りん著の「かか」です。
こちらは、精神的に問題のある母親を持つ女性が自分の人生を語る作品です。母親への憎しみと、それと同じだけある愛情のアンビバレントな感情が独特な文体で描かれています。
わかなごさんの悩みを直接解決するものではありませんが、気持ちに寄り添う部分もあるかと思うので、良かったら読んでみてください。

映画は、「レディ・バード」をオススメさせて頂きます。
グレタ・ガーヴィグ監督は女性の生き方を描かせたらNo.1なのではと思っています。実際、本作品がAmazon primeで配信されていた頃、女友達にオススメしまくっていました。
高校生の主人公クリスティンは母親に一人立ちを申し出るも、母親は金銭的な問題を理由にその申し出を却下。なんだか気まずい雰囲気の母娘関係ですが、車内で朗読のカセットを聴いて一緒に涙したり、服屋で似合うドレスを見つけたときの「女子同士感」あふれるやりとりに、女性の共感を多く集めている作品です。
クリスティンはわかなごさんと同様に、母からの縛り付けを感じている立場です。しかし、母の娘への想いと、母自身の若かった頃の後悔を吐露するシーンでは、その縛りつけの裏側には愛があることが垣間見られます。
母自身、娘に対して素直になれない中、最後に歩み寄ったのはクリスティンの方からでした。最後は胸をほっと撫で下ろすシーンで終わります。

この映画で描かれるように、お母様もわかなごさんの幸せを思っての縛りつけだと思います。感情的にならずに、お互いがどうしたいのか、自分にとっての幸せは何なのかを話し合って、少しでも前進する事を祈っています!

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