切れるべき縁

2年半お世話になったアルバイト先を、本日正式に退職してきた。バイト先を休むようになったのは、店長との距離感に違和感を感じた出来事があったからだ。通常のアルバイト店員とは大いに異なる距離感で、こわい、気持ちが悪い、と感じた。これまで、とても良くしてくださる店長だった。自分でも自覚するくらい、気に入ってくださっていた。周囲の主婦の方々にも、同期にも、あなたがいるから相変わらずご機嫌だよ、と呆れられるくらいだった。だからこそ、信頼していたからこそ、苦しくなった。自分の心がどんどん冷や汗をかいていて、心臓がバクバクと激しく動いていた。

         すごく、残念、でした。

本当に、いい環境に身を置かせていただきました。完全では無いものの、対人恐怖症の克服に近づけた、と思えるレベルに、最低限のコミュニケーション能力を、感覚を、取り戻せたと感じています。店長のことで、お店に行く、ということが精神的に負担になり、不安で眠れなくなってしまいました。急に辞める、ということが出来ず、9月から約2ヶ月間、休職していました。しかし、どれだけ日を重ねても、店長に対する嫌悪感を払拭できませんでした。それは、同時に、今まで自分の場所であったコミニティや、人との縁が、終わる暗示だったのではないか、と今は考えています。

制服を返却するために、お礼の品を持って事務所に行きました。直接会うことがこわくて、事務所の建物の前まで母親に付き添ってもらいました。電車賃、かけさせてごめんね。
扉を開けると、会いたくなかった人がいました。わたしの顔を見ると、これまでとは別人のような態度で対応されました。それがすごくこわくて、制服を置いて、お菓子を広げて、挨拶をして10分足らずで母の元へと逃げ帰りました。
これでわかりました。
今、切れるべき縁だったのだと、思いました。
店長の豹変した態度のことを伝えると、母も「今、離れて良かったんだよ。今後、危険な目に遭うところだったのかもしれない。」と。

「たった今、バイト辞めてきたよ。今まで支えてくれてありがとう、」と日頃大学で顔を合わす、親友2人とのグループLINEでそう伝えると、『お疲れさま、頑張ったね!』『お疲れ様頑張った!幸せになろうぜ!』とすぐに返信をくれて、泣きそうになった。少し、駅で泣いた。2人は、私がコミュニケーションが苦手ということを知ってくれていて、授業終わりにバイトに行く日は、いつも、「偉いね、頑張ってるね、」と褒めてくれていた。支えてくれていた。伝えきれない感謝の気持ちを胸に、いつもそばに置いてもらっている。
来週、会ったら、改めて感謝を伝えようと思う。

そして私は先日、新しい環境でアルバイトをはじめた。すごく小さな映画館だ。私は、自分の心が不安定になると、今の自分に当てはまる言葉を求めて映画館に行く。どうか私に、何か言葉をくださいと思う時に映画館に行く。映画は観ないけど、暗くていい匂いで静かだから、ただのんびり落ち着くために映画館に行くくらい、映画館がすきだ。短い間になるかもしれないけど、新たな場所で、自分なりに、また頑張ろうとおもう。

ご縁を大切に、これからも生きていきたい。

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