ダブルミーニング

LASAをどれだけ聴いても分からない。
歌詞が。難しすぎて。

特にさっぱりなのが【まつり】
何に「まとめてかかって来なさい」なのか。
何で「今なら全て受け止める」のか。
自分に対して?俗世に対して?
誰か教えて下さい。笑。


ちょっとクセのある彼の歌詞にはストーリー性がない。
だからなのか【どこかで見たな】という既視感もない。



誰かと誰かが出会って、直感的に恋におちたり、ケンカしたり、仲直りして、また離れたりする…といった容易に頭の中に再現できる、手がかりのようなものがない。

だから、聴く者が都合のいいように解釈する事を許してしまう。正解がないから、委ねられてるから逆に混乱。

軽い混乱にヤラれると、「もう一回、聴いてみよ」とか「歌詞見直そう」とか更に底なし沼みたいに、彼の世界観にズルズルと足を引っ張られる事になる。(私です)



曲によって私になったり、俺になったり、もう1人の自分になったり。
そもそも主語がなかったりする。もう一体誰のことを歌ってるのか分からない。
んもう!ややこしい!

そして、ややこしいといえば。
やば。です。


やば。


何度も何度も墓まで行って。
何度も何度もその手合わせて。

墓(見送られる者=死)
手を合わせる(見送る者=生)

最初は単純に死生観丸出しの輪廻転生だと思った。
美しくて儚い現世と来世をつなぐ瞬間。
スピリチュアルで、壮大な永遠のテーマだ。

しかし、そんなにストレートに、簡単に理解できる曲を
世に出すタイプでもない…。

墓を墓だとは、歌っていない。たぶん。
もう一つの意味。何か違う抽象的な意味があるとは思うんだけど。
何の事か分からない…モヤ….。


耳を澄まして
まっさらな気持ちで聴くと恋の詩にも聞こえる。

「恋と行為」のダブルミーニングだと、ここで気づく。
さすがに、これは掛けてる。
「行為」が「恋」に聴こえる…んじゃなくて。
どっちでも、自由に捉えていいように歌ってる。
わざと。

2つの言葉を同じ意味から連想させるように。
だから、恋の歌だと。愛の行為だと直感が働く。

何度もイク「墓」はあの世で、絶頂の向こう側。
何度も合わせるその手は恋人同士の絡まる指だったりする。

何度も…何度も繰り返すフレーズから
飽きる事ない濃密な関係を覗き見る。


やば。やば。やば。やば。
やばいくらい好き。
とにかくこの恋は、この行為はやばい。



「傷つけないから。裏切らないから。
傷つけないでよ。裏切らないでよ。」

相手に見返りを求めず、執着も手放したいのに
それができなくて、切なくて、泣きそうになってる。


「愛した日々は確かだっけ」

ずいぶん昔の事みたい。
愛してほしい、認めてほしい。
そんなのは愛じゃなかった。今なら分かるのに。
自分は上手に愛せてた?
答えのない記憶をなんど遡っても、もう取り返しがつかない。



「もうそれ以上、何も言わないで」

何か言われると、立っていられないほど。
崩れる砂の城みたいに。
たった一言で気持ちも、何もかも波にさらわれる。
好きな人の言葉を受け止める事すらできない。
深い海の底で怖がっている。

なんてナーバス。
臆病な脆い恋心。

やば。が
こんなに美しく、繊細な感情を隠すための言葉だとしたら、やっぱり相当シャイな人だ。

広くて壮大な愛と、幼さと背伸びが入り混じる恋愛観をダブルミーニングするくらいに。

歌詞は自分が情けない自分に呆れている感じかな。
天使のような自分と悪魔のような自分が痴話喧嘩してるようなような感じ。でも、何とでも解釈できるから好きなように解釈してちょうだい。
藤井風 
Youtube"LOVE ALL SERVE ALL" Listening Party



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