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藤井風と彼のfandom

「fandom」(ファンダム)とは、特定のジャンルを愛好するファン集団を指す。


予備知識無しで彼を初めて観た人は、まずそのルックスに惹かれるのだろう。

精悍な顔立ち、すらっとした手脚、柔らかくも張りのある髪、センス良く整えられたセクシーな髭。
なのに緩くてふわふわとした優しい雰囲気も合わせもつ。甘辛mixを地で行くあざとさ。

彼を観ているといわゆる「ときめきトランス」の状態になる。自分の年齢も立場も社会的地位も忘れてズッポリとその穴にどこまでも落ちる。

愛と平穏をまとい
優しさとユルさで私達を油断させ、
綿あめみたいな軽さと、甘い香りで誘ってくる。

その手を掴むと、強引に抱き寄せて離してはくれない。
あっという間に彼の懐の中だ。

優しいくせに荒々しい。
にっこり微笑みながら、ギュっと手を握ってくる。
痛いほどに。まるで心まで掴むように。

外見でその価値を決めている訳じゃない。
だけど、理屈ではどうにもならない時もある。
心が勝手に動く事を止められない。

「彼はアーティスト。もっと彼の音楽を聴くべき」
という厳しい意見はもう何百万回も見てきた。
SNSにいるfanは純粋なfanじゃないと言われても仕方ないと思う事もある。

音楽性ではなくルックス重視の呟きが流れるタイムラインは、music loversにとっては異質に映るかもしれない。

けれど、そのちょっと抜けてるところとか。
みんなに優しくて、とことんお人好しなところとか。そういうものも全部ひっくるめて彼の音楽だと思っている。


「藤井風はピアノとsexしている」はYouTubeコメントの名言中の名言だと思うのだが、それさえも下品なのだろうか。

私は最高の賛辞だと思うし、刺さりまくって悶絶したというのに。(確かにあの美しい指はピアノを愛撫するように弾く)

伝え方や、言葉のニュアンスが違うだけで素晴らしさを履き違えてる訳ではないのに。

何もかもを性的に、恋愛対象として見ている訳じゃない。
音楽を全く聴いてない訳じゃない。
どちらも大切にして、ひっくるめて愛せばいい話。
目も耳も喜べばいい。

そんな風に思う私は
ワガママで贅沢なfandomの1人なのかもしれない。

                end


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