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東京ヤクルトスワローズ 記事まとめ

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#勝った試合

【4/19◯4/20●中日戦】打線は水物、と言うけれど

19日◯ その打球は、空でも飛んでいるかのように、なかなか下に降りてこなかった。あまりにも降りてこないものだから、高く飛んだフライになってそのまま誰かがキャッチするんじゃないかと思った。 でもそれはナゴヤドームのスタンドの中断に、ようやく落ちてきた。待ちに待った、待ちすぎた分が詰まったような、そんな、大きな大きな村上くんのホームランだった。 けいじくんが先発の日、高津さんは「今は打線がそんなにたくさん打つという状態ではないので、ロースコアの展開で粘り強く勝てれば」と、言

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【4/17横浜戦◯】痛みの不安と戦いながら

朝のランニングで、足を負傷した。 家まであと3メートル、というところになにか大きなゴミが落ちていて、それに思いっきりつまずき、体勢を崩した。その衝撃で右足首に痛みが走り、その残り3メートルを足を引きずりながら歩いた。 痛みは次第にひいて、これならまあ大丈夫かなと午前中の撮影に出かけ、帰り道にちょっと離れた駅まで歩いていたところで気づいた。あれ、まだ痛い、足首。 ひきずるほどではないけれど、歩くのがちょっと億劫になる痛み。私はとにかく歩くことが好きなので、時間が許す限り移

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【4/15横浜戦◯】青木のヒットと大喜びのベンチと

頭を丸刈りにした青木は何度も何度も何度も粘り、12球目をとうとう、レフトに打ち返した。19打席打席ぶりのヒットに、ベンチは大盛りあがりだった。ホームランを打った選手を迎えるようなテンションで、代走の渡邉くんと交代して帰ってくる青木を迎えた。 帰国後、初ホームランを打った青木をサイレントトリートメントで迎えたベンチを思い出す。あの時は間違いなくそれが、チームにだってプラスをもたらした。それは、大きな1点となってチームに入った得点だったから。だけど今回は、少し違う。それは、その

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【広島戦4/12◯ 4/13●】調子の波は誰にもあるけれど、じたばたせずにぐっと。

これは、13日広島戦、8回裏に塩見が出塁し、盗塁も成功させ、てっぱちも四球を選び、一死1,2塁で4番村上くんと5番青木を迎えたものの、二者連続三振で終わったときの私の表情である。カワウソである。 たしかにまあ、そうだ。前日の試合でもなかなかクリーンナップが打てなくて、試合を決めてくれたのは5番に入ったケリーの押し出しと、6番長岡くんのタイムリーだった。 でもその形が、いつだってうまくいく、わけではない、もちろん。やっぱり、「打つべき人が打つべきところで打つ」というのは、チ

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【4/10巨人戦◯】けけフォーエバーと、たいしのこと。

「ここ来るのさ、日本シリーズ以来だから、なんかちょっと不思議な感じ!」と、前を歩く息子が言う。「そういえばそうだね」と、私もついこの前のような、それでも随分前のような、あの日本シリーズの毎日のことを思い出す。 東京ドームが「ホーム」だった一週間弱を経て、また「ビジター」に戻ったここへやってきた。 久々のドームは、ビジョンも新しくなり、えらいでかでかと映し出される選手たちは、坂本も岡本も丸も、なんだか普段の3倍くらい怖く見える。 けいじくんは2回裏に早速丸にホームランを打

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【4/7中日戦● 4/8巨人戦】「追い上げる」「追いつく」「勝ち越す」の大きな差と「流れ」のこと

4/7中日戦● 「こういうところで、勝ち越しておきたいんよなー…」と、私は思わずつぶやく。反撃のタイミングで、「あと1点」まで追い上げるのと、「同点」まで追いつくのと、「勝ち越す」のでは、大きな差があるのだ。 できるだけ勝ち越しておきたい。そうして流れをこっちにもってきておきたい。例えば今日であれば、松本くんが二日連続の2ラン(!!)を打って3-4まで追い上げたところだ。流れは一気に、ヤクルトに傾いたように思えた。だけど追い上げは「あと1点」のところまでだった。そこから勝

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【4/6中日戦◯】 長いシーズンの、キュートな一勝

一年間毎日毎日試合を見ていると、まあほんとうにいろんな試合を目にする。劇的なサヨナラ勝ちがあれば、悲劇的な逆転負けもある。ああほんとうに好きでいてよかったと思う試合もあれば、もう二度とみないぞととぼとぼ思う試合もある。(もちろん、翌日にはまた見ている。)派手に点をとる試合もあれば、1点差を守るしびれる試合もある。 そして、勝ちきれなかった試合の翌日に、昨年は一軍登板のなかったキャッチャーが2ランを打ち、その2点で勝つ、そんな試合だってある。 松本くんは初めてのお立ち台で何

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【4/2横浜戦◯】てっぱちがいつだって何かを打破しようとした、250本分のその思いを

サヨナラのいいところは、みんなが報われるところ。何度も何度もそう思う。そして、その瞬間のヤクルトたちを見るたびに、ああもうほんとうに大好きだ、と、そう思う。 サヨナラの一勝は、みんなでつかみとった一勝だ。先制の塩見もピンチを救った田口も、ピンチを招きながら乗り切ったうめちゃんも。打たれたけどそれ以上を許さなかった清水くんだって。みんなみんながヒーローだ。だから自信を持って、明日からも戦っていけますように。 ♢ 数字というのは環境によって重さを変える。楽しいことをしている

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【3/27阪神戦◯】 6回裏、なっしーは流れを引き渡さなかった。

カイマクサンレンショウ、なんて初めてのことだから戸惑ってしまう。もちろん、勝って兜の緒を締めよ、である。ゆだんたいてきおでんたいやき、である。どちらもかの有名なつば・くろう氏の言葉だっただろうか。 息子は塾へ、むすめはもうすぐ近所で行われる「大縄大会」の練習に出かけていった。おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へ芝刈りに、くらい聞き慣れた話だ。ついでに夫は、コーチをしているサッカーに出かけた。私はようやく一人になった部屋で、ソファに座ってテレビをつける。…いや、これ、なん

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【3/26阪神戦◯】ナイターからの、デーゲーム

「あーーーーー昨日楽しかった」と、言いながら息子がベッドから起き上がる。この人は、えらい小さい頃から、寝起きだけはほんとうにめちゃくちゃ良い。ずっと起きていたのかと思うほど、当たり前みたいに急に話し出す。「むにゃむにゃおはよう…」みたいなことが一切、ない。 「起きたんかいな、あーびっくりした」と、言いながら私はホテルの部屋のカーテンを開ける。小さな部屋の窓はすりガラスになっていて、カーテンをあけても外の景色はそんなに見えない。それでも朝の光が差し込むとなんだかうれしくなる。

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【3/25阪神戦◯】満員の球場、ファンとの交流、息子の成長

「京セラ、オールスターで来たとき以来じゃない!?」と、前を歩いていた息子がこちらを振り返り、にこにこと言う。「あーーーーーーほんと楽しみ!!!!!」と、何度も何度も言う。 あっちいったりこっちいったりの日程で、子どもたちは疲れているはずなのに、スーツケースをころころ転がしながら、しっかり私についてきてくれる。いや、地図を確認して「ママすぐ道間違うから!」とか言いながら、私の前を歩いている。ほんとうに、ほんとうに大きくなったな、と、改めて思う。 先月亡くなったおじいちゃんの

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【11/27日本シリーズ オリックス戦◎】ヤクルト日本一の日に。てっぱちの涙、息子の涙。

てっぱちの涙を、村上くんの涙を、青木の涙を、カツオさんの涙を、慎吾の涙を、私は忘れないでいようと思う。みんながどれほどの思いを持って、このシーズンを戦ったのか、そして、日本シリーズの熱戦を戦い続けたのか。私がわかったふりをしながら、全然わかっていなかった、たくさんのことを。 ♢ オリンピックでてっぱちと村上くんがほんとうに嬉しそうな顔で笑っていた時、私はてっぱちのこんな笑顔を見たことがないな、と、そうおもった。 てっぱちの喜びがたくさん伝わってきた。それを見ながら私は、

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【11/24日本シリーズ オリックス戦◯】カツオさんはヒロインでいつも、誰かに感謝する

カツオさんはお立ち台で、「めちゃくちゃうれしいです」と言ってはにかんだ。それはほんとうに、ほんとうに嬉しそうな笑顔だった。 私は今シーズン、何度も何度も見たカツオさんの悔しそうな顔を思い出し、思わず泣いた。優しいフォロワーさんがくれた「塩入りタブレット」を取り出し、口に入れる。 やさしさの味がして、私はまた、泣く。 「第4戦という大事な試合を任されて、なんとか監督の気持ちにこたえたかったので、『絶対大丈夫』という気持ちでマウンドに立ちました。」と、カツオさんは言う。

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【11/23日本シリーズ オリックス戦◯】「気持ち」が突き動かすもの

「気持ちで打ちました」「気持ちで投げました」といったようなことを聞くたびに、…気持ちでなんとかなるなら苦労しないけれども!と、思っていた。だけどこの日本シリーズの試合を見ながら私は「ああこれは、気持ちだわ…」と、つくづく思う。 例えば青木のヒット1本に、その「気持ち」を見る。 今シーズン、青木は数字としては「ものすごく良い」ものではない成績だった、と思う。いや十分すごいけれど、今までと比べれば飛び抜けて良いものだったわけではない。だけどこの日本シリーズで、青木はほんとうに

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