掌編小説「フェアリー・テイル」
=== <74> pascal/oubo, -(-), 95/12/28 05:59, 216 行
標題: フェアリー・テイル「フェアリー・テイル」
むかしむかしの、いにしえ人が詠んだ歌に次のようなものがあった。
できることなら、桜の花が咲く春の頃の満月の夜、桜の木の下で死にたいものだと。そして、その僧侶はその通り春、死んだ。私も、家の窓から外を見ながら思ってみる。できることなら自分は、初秋の夕暮れの時間、沈み行く太陽の光が、西日となって窓から差し込む畳の部屋で静かに息を