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周防亮介さん(Vn)、上野通明さん(Vc)、岡田奏さん(Pf)+読響 ガラ・コンサート

2023/3/4、目黒区にあるパーシモンホールの開館20周年記念の同ホール主催ガラ・コンサートに行ってまいりました。

出演は、サントリーホールの大ホールでリサイタルを行うなど、飛ぶ鳥を落とす勢いのヴァイオリニスト・周防亮介さん、彼方此方から引っ張りだこのチェリスト・上野通明さん、ラストはピアニストの岡田奏(かな)さん、いずれも共演は、角田鋼亮氏指揮・読売日本交響楽団です。

私の目当ては、周防さんと上野さん、申し訳ないことに、岡田さんのことは今回初めて知りました。

才能ある3人の若手演奏家のコンチェルトを読響で、という贅沢なコンサートです。

初めて周防さんの生演奏に接したのは、私の先生から、

「(先生の参加するオケが)フィンランドの指揮者で、シベリウスのヴァイオリン協奏曲、フィンランディア、シベ2という、有名曲プログラムのコンサートに出演します。
周防さんというとても素晴らしいヴァイオリニストがコンチェルトを弾くので、ご希望の方は是非ご一報を」

という内容のメールが届き、詳細を見たら、フィンランドの指揮者とは、私が思うに今世紀最高のシベリウスのスペシャリスト、オッコ・カム氏で、自分はCDのシベリウス交響曲全集は持っているものの、生演奏を聴く機会がなかったので、喜び勇んで先生にチケットをお願いしたのでした。

その時に聴いた周防さんのシベリウスのコンチェルトは、衝撃的に凄かった。
ああ、こういう人が世界で通用していくんだなあと思ったものです。

クラシック好きの娘とは、上野通明さんの公演を何度も一緒に観に行っているのですが、周防さんの演奏を聴いてもらいたくて、声をかけたら、「行きたい!」と。

当日は座席集合。
座席は、相変わらず先行発売の時間から私がいつも頑張るので、4列目のど真ん中。

オケの場合は、前過ぎると全体のバランスがよくわからないので、前過ぎたかな、とも思ったのですが、ソリストの直接音も聴きたかったので。

結果は大正解。
ソリストの直接音と、オケのバランスもよく聴こえました。

さて、肝心の演奏ですが、褒めちぎることしかできないので、今日は簡略化バージョンで😊。

まずは周防さんのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。
この方の演奏は、そのまま感情に訴えてくるのです。

上手いなあ、と感心する前に、最初に心に届いてくる。
これこそ芸術音楽だなあ、と聴きながら感じるのです。
満場の観客も、演奏終了後に惜しみない大拍手喝采。
アンコールこそありませんでしたが、しばらく拍手は鳴り止まず。

さて、次は上野通明さんのドボコンです。
上野さんの演奏に触れるのは4回目かと思いますが、コンチェルトを聴くのは初めてです。

上野さんは演奏もさることながら、あの弾きっぷり、あのキャラクター、なんとも言えない魅力の持ち主で、それを含めて彼のことが私は好きです。

上野さんの前に弾いた周防さんのニコロ・アマティ(1678年製だそうです)が、とても「通る音」を出していたのですが、上野さんの愛器パオロ・アントニオ・テストーレ(1758年だそうです)は、「通る」というより、どちらかというと、ふくよかで、いい意味でチェロらしい包容力のある音(と私は感じてます)ということもあってか、フレーズによってもの凄く凄く大きい音を出しているはずなのに、飛び抜けて出てこない感じが、痒いところに手が届かないようで、それが私には残念でした。

ドボコンの超絶的な技巧を完璧に、そして有り余る感情を迸らせているのが目の前でわかるからこそです。

チェロ用の台ありますよね?
あれは低音は台が共鳴するかもしれないけど、上の方の倍音とかにはどう影響するのかなあ、とか、演奏を聴きながら考えてしまいました。

調べてみようかな。

もちろん、上野さんの演奏は言うまでもなく素晴らしかったです!
観客も大喝采。

さて、最後は岡田奏さんのラフマニノフのコンチェルト2番です。

ん?
両手首に黒いサポーターをしている。
腱鞘炎の予防ならいいですが、もうなっていたら、この曲を弾くのは大変です。

大丈夫なのかな。と思うのも束の間、いやー凄かった!
ちょっと飛ばしますが、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番って、第1楽章の印象が強いですけれど、この日の第3楽章、読響の演奏を含めて凄かった。
岡田さん,素晴らしいです。
最後は鳥肌立ちっぱなしでした。

また素晴らしい演奏家を知ってしまった。
プロフィールをみたら、15歳で渡仏してパリ国立高等音楽院ですよ。
その後国際コンクール第1位を2回も、エリザベートもファイナリスト。
凄いわけです。

演奏が終わったとき、娘と反対側のお隣に座っていた年配の男性から、
「これの端っこ持ってもらえませんか?」
何かと思ったら、「BRAVO!」の文字が書いてある横長の布です。

喜んで持たせていただきましたが、岡田さんは大喝采の中、遠くのお客さんに視線がいっていて、全くこちらに気がつかず。

お隣の男性も「ダメだ、視線がこっちにこない」と諦めのご様子。

そんな中、私は、いま、弦楽器雑誌「サラサーテ」の表紙を飾っているヴァイオリニスト・髙木凛々子さんのお母さん(ご両親が読響のヴァイオリニスト)が、私たちに気づいて微笑んでいたのを見逃しませんでした😅。

隣りの方は、仕事を引退されて、今は年に7〜80回クラシックの演奏会に行っているとのことで、
「奥様から何か言われませんか?」
と尋ねると
「私ほど好きではないんだけど、今日もあの辺に来てるんですよ」
と、2階席の方を指します。

「趣味が同じでいいですね♪またどこかの会場でお会いしましょう」
と言って別れました。

娘も、
「この素晴らしい内容で税込6600円。 
一曲2200円。
これは安いよねえ。
いや良かった。来て良かったね」
と喜んでくれて、誘った甲斐がありました😊。

私、読響、好きです。
N響も都響も好きですが、やっぱり読響はいいなあ。

あー、やっぱり記事の簡略化は簡単じゃないですね。
少なくとも私には😅。

さて、明後日3/8はベルリンフィルの首席チェリスト、ブリュノ・ドルプレールとピアノのナタナエル・グーアンによるデュオ・リサイタルに、またまた娘と行ってきます!

それではまた!

(※ヘッダーの画像は配布されためぐろパーシモンホール発行のチラシを引用させていただきました)

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