姫矢御前04姫娜静葵

欠伸を噛み殺しながらダイニングへと入り、後ろへと続く水萌と共に食卓へと着く。朝食の準備を終えた静葵さんが開けたままの扉へと消える姿を見送る。食べ終わり、片付けた後の水萌と穂斑が行うやり取りがルーティンのように変わらない。違うのは席へと着いた後に胡桃が話し掛けて来た事。


谷間を覆い尽くす大群によって行く手を阻まれる。強引に突破するなんて不可能。退き返すしか手立てがないと思われる中、師匠から言われるままに坂を登って行く。鉱山の町を見下ろせる洞窟の真上まで来たところで挟まれてしまい、身動きが取れなくなる。投げ飛ばされるような感じにて魔力へと包まれた状態で山越えさせられた。残った師匠の姿が呑み込まれて見えなくなる。ダンジョンをショート・カットして魔王城を前にして立つ。


気が付いたら目の前へと何か見える。半ば無意識に手を伸ばすまでもなく、触れたら可愛らしい悲鳴が聞こえた。慌てて起き上がろうと思っても、柔らかな感触にて阻まれる。膨らみへと顔を埋めてる状態となり、謝る事しか出来ない。落ち着いてからも、膝枕を強いられたまま…。誕生パーティーの準備が調うまでの相手を頼まれたのに何時も通り倒れてしまったらしい。結果的に役目を果たせても、情けない姿を見せた事に変わりがない。

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