SWⅢ天と地との狭間にて

「従うのか、死するのか、好きな方を選べ」

残虐的な性格である紫闇(シアン)によって殺されたくないから従ってるのに死んだ方が増しに思える苛酷な修行内容。噴火活動を続けてる熔岩地帯。高温と火傷へ類する耐性を有する真黒でもマグマの上を歩くなんて堪える。履いてるブーツだって何時、底が無くなるのかもわからない。浮かぶ事が仮に出来ても、紫闇のように涼しい表情なんてとても出来ない。


ダンジョン内を歩いてたはずなのに不意に町中へと出た。真白にとっては見た事がないビルが犇めいてる。鼻が利く黄輝とは直ぐに会えたのに案内人が見当たらないまま日が暮れた。夜に為っても、人通りが絶えない。モンスターが現れる気配すら感じ取れない事は良くても、服装が違い過ぎる。目立つはずなのに見向きされない。視界へと入らない者が大半なのであり、眼に付いても何かのコスプレとしか思わない様子。流石に飛ばされた先が別な世界であると考えない訳に行かなくなった。


「刻限か…。これでお別れね…」

紫闇の谷間から現れたチェインが全身へとぐるぐるに巻き付けた。宙へと浮いたまま落ちない。突然の出来事へ対して対応出来ず、言葉を失って動けない真黒と異なり、平然としてる紫闇の顔が覆われたら空間へと呑み込まれるようにして消えた。真黒が我に返ったのは夕暮れ時だった…。没しても、何も決められない真黒が突っ立ったまま動けない。頭が働かなくては野営する事すら出来ない。

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