「児童サービス論」合格レポート
※合格レポートはあくまでも参考です。
丸写しや類似レポートは不正とみなされるため、絶対にやめてください。
田中は2021年10月入学で全課程修了済です。
【設題】
字数指定:2,000字
設題の記入:不要
1 図書館における直接(的)サービスと間接(的)サービスの意義と方法について述べなさい。
2 図書館におけるヤングアダルト・サービスの意義と実践方法について述べなさい。
【レポート作成上の留意事項】
・1900字以上書くこと。
・まずテキストをよく読み、その後、参考文献で肉付けすること。
・必要以上のコメントや感想は避ける。
・参考文献は必ず挙げること。
合格レポート
1.本論では、児童サービスの観点から、図書館における直接サービスと間接サービスの意義とその実践方法について概観する。
児童サービスとは、公共図書館において、特に乳幼児から小学生までを対象として実施する図書館サービスのことである。児童サービスには、子どもの読書習慣を育み、子どもが社会生活に必要な情報を得る手段を身に付け、彼らが将来にわたって豊かな人生を築くための基盤を形成する役割がある。
図書館サービスの基本的な機能、直接サービスと間接サービスに分けられる。
特に児童サービスにおける直接サービスの例として、図書館利用教育、読書アドバイス、ブックリストの作成、読み聞かせ、ブックトーク、科学遊びなどがある。これらは、子どものリテラシーを育み、読書を習慣化し、情報活用能力を育成する機能を持つ。ここで重要なのは、子どもの発達段階と読書能力に応じたサービス提供を行うことである。そのために、図書館員は、利用者層や児童書に関する知識を持つこと、子どもが伝えようとしていることを汲み取り、わかりやすい言葉で回答するコミュニケーション能力、児童サービスの継続的な発展のための業務管理運営能力が求められる。
間接サービスの例としては、選書、蔵書管理、資料分類、目録作成、装備、排架、居心地のいい空間づくり、地域の児童関連機関や組織との連携が挙げられる。児童サービスにおいて、選書や蔵書管理では、子どものニーズや発達段階に配慮しつつ、児童文化の観点から価値の高い資料を収集し、コレクション構築に努める必要がある。また、資料分類や目録作成では、子どもが求めている資料を簡単に見つけられるように考慮した組織化が求められる。さらに、資料は簡単に汚損、破損しないよう丈夫に装備し、排架や展示は子どもの背丈を考慮して低めにするなど、配慮が必要である。そして、ソファを設置したり、調べ学習コーナーや乳幼児コーナーなどを設けることで、子どもと保護者にとって何度も訪れたくなるような居心地のいい空間を形成することも重要だ。また、児童関連機関や組織と連携して、ブックスタートなど子どもと保護者への読書支援活動を行うことも重要な図書館の役割である。
ここでは、児童サービスの観点から直接サービスと間接サービスについて概観した。図書館員は、児童サービスが子どもの読書習慣や情報活用能力を育成し、その後の人生を豊かに送るための基盤を形成する役割を持つことを念頭において業務に当たることが求められる。
2.本論では、図書館におけるヤングアダルト・サービスの意義とその実践方法について概観する。
ヤングアダルト・サービスとは、児童と成人の中間に位置付けられる12歳から18歳までの年齢層の利用者を対象としたサービスの総称である。ヤングアダルトは、ほとんど成人と同じだが、感受性が鋭く情緒が必ずしも安定していないという、他の年齢層の利用者にはない特徴を持つ。ヤングアダルト・サービスにおいては、専門の施設や資料よりもアプローチの仕方に重点が置かれる。
ヤングアダルト・サービスの役割として、ヤングアダルトの成長発達支援、社会性の育成、課題解決支援が挙げられる。幅広いテーマについて、偏見のない情報や資料を提供することで、ヤングアダルトの自己理解を深める環境を整え、彼らの成長発達を支援する。また、ヤングアダルト向けの集会を開催し彼らに主体的に参加してもらうことで、ヤングアダルトは他者との良好な関係の築き方を学び、社会性を育むことができる。さらに、身近に自身が抱える問題を話せる成人がいないヤングアダルトに対して、図書館員は家庭や学校から離れた立ち位置で話を聞くことができ、客観的な視点で彼らが抱える問題の解決支援を行うことができる。
ヤングアダルト・サービスを実際に提供する際にはいくつか留意点がある。まず、継続して効果的なサービスを行うためには、図書館サービスの中でのヤングアダルト・サービスの目的を明確にし、基本方針を打ち立て、ヤングアダルトコーナーを設けることが必要である。そして、より効果的なサービスを行うためには、ヤングアダルトのニーズを把握することが大切だ。アンケート調査を行ったり、投書箱を設けたりすることで、彼らが気兼ねなく要望を話せる仕組みをつくることが求められる。また、図書館員はヤングアダルトへの理解に努め、彼らとのコミュニケーションに習熟する必要がある。ヤングアダルトの中には、問題行動を起こすもの、必要以上に周囲を気にするものなど、様々な特性を持つものがいるため、柔軟な対応が必要だ。そこで、彼らの実態を熟知している地域の学校や学校図書館との連携が重要となる。学校や学校図書館と密に連携し、彼らの読書環境や学習環境の整備を行うことが大切だ。
ここでは、ヤングアダルト・サービスの意義と実践方法について確認した。ヤングアダルト・サービスでは、アプローチ方法に重点が置かれる。図書館で打ち立てた基本方針に則り、彼らのニーズに合った活動を行っていかなければならない。
参考図書
・堀川照代編著、『児童サービス論 新訂版』(JLA図書館情報学テキストシリーズⅢ6)日本図書館協会 2020.3 [ISBN]9784820419099
・赤星隆子他、『児童図書館サービス論』理想社 [ISBN]978465001111