とある女性の生きる道-5-
小学生の頃、私は少し目立つ存在だったかもしれない。
学年ごとの劇で主役をしたり、学級委員になった。
児童会(生徒会をこう呼んでいた)の書記をしたこともあった。
児童会役員になるために、選挙があり、選挙活動もした。
クラスの友達に家に来てもらい、制作を手伝ってもらった。みんながタスキやポスターを作ってくれ、私を応援してくれた。
登校時にそのタスキをつけ、みんなとともに門の前に立ち「よろしくお願いします!」とアピールした。
全校児童の前で選挙演説もした。
体育館のステージ脇から、自分の名前が呼ばれて壇上へ向かう。
何を話したかは覚えていないが、そこから見た景色は覚えている。
今は、少し何かをするにも緊張してしまうし、私のために何かをしてもらうなんて申し訳ない、と、遠慮をする人間になってしまった。
人は、良くも悪くも変わるものだ。
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