とある女性の生きる道-12-

ある日のこと。

その日は酷い雷雨だった。

中学校から家まで徒歩数分。
急いで帰ろうと一人早足で歩いていた。

すると突然、辺り一面がピカッと光り輝いた。
瞬間、音は消え、景色も地面さえも、何も見えなかった。
私は頭から足の先まで、光に包まれた。

どれくらい経っただろう。
もしかしたら数秒も経っていないのかもしれない。
気づくと、いつも通りの景色が戻ってきていた。
ゴロゴロと雷が鳴り、強い雨が降っていた。
痛みは何もなかった。
何があったのかわからなかった。
ただただ、ここにいることが怖くなり、走って家に帰った。

雷は今も怖くてたまらない。

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