とある女性の生きる道-8-

初めて、人の死を身近に感じたのも、高学年の頃だった。


同級生が病気で亡くなった。

一緒のクラスになったことはなかったが、何年生かの時に学年内での同じ何かの係になって、一緒に仕事をしたことがあった。

その頃から病気があるというのは聞いていたと思うが、知らなければわからないくらい、見た目も話すのも何もかも普通だった。

そう見えていただけかもしれないが。

話を聞いた時、何やら訳の分からない感情で、胸が痛んだ。


おばあちゃんも亡くなった。

学校で授業を受けている時に呼ばれて、早退してすぐ新幹線で向かったのを覚えている。

母方だったので、母はとても忙しくしていた。私も何か手伝ったのかもしれないが、覚えていない。親戚のおじちゃん達が何度も優しく話しかけてくれた。

いろいろな事情があり、私はこれ以来、田舎へは行っていない。

あの家は、家の裏に流れている川は、家の目の前に広がる景色は、今どうなっているのだろうか。



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