とある女性の生きる道-22-

私は気の多い人間なのだと思う。

高校1年生の時、実行委員を一緒にした男の子が気になるようになった。

背が高く見た目もかっこいい人。
性格も優しく、委員のことでもほかのことでも、話をするのがとても楽しかった。
でも、1年間の委員活動が終わると、接点もなくなり、次第に思うことがなくなっていった。

その後、何の繋がりか忘れてしまったが、男性と知り合い、お付き合いを始めるようになる。
少し遠くに住んでいたため、電話でのやりとりが増えたことで、家族にも知られるようになる。

しかし、彼より先に、私の気持ちが彼へ向かなくなってしまった。

気になるのはいつも、曖昧な関係のあの人だった。

私は彼を裏切った。

この気持ちを隠すのが耐えられなくなり、電話で正直に話した。

今はもう無いお店の隅にあった公衆電話。

こんな酷い人だと思わなかった

と言われた。

今から来い

と言われた。

その日を最後に、彼と会うことは二度となかった。


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