虫唾

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最近の記事

《短編小説》絶世の美女

私はブスだ それはちゃんと自覚している、だけど別に開き直ってる訳ではない。 明日は待ちに待った美容整形手術、この美しい顔の条件をすべて逆にした様な顔とも今日でおわかれ。 大昔は美容整形に否定的な人もいたらしいけど、そんな時代があったなんて今では考えられないほど今の美容整形技術は発展している。現在では美容整形は化粧をする様にほぼ100%の女性がしていて、男性でも70%以上、小学生ですらしているぐらいだ。 その背景には医療のめまぐるしいほどの発展や、美容整形の保険適用が認められた

    • 《短編小説》真っ黒な虹

      真夜中に目が覚めると、初めて見る母親がずっと靴を叩いている 隣にいる父親はテレビに毛布をかけて大音量で音だけを聞いていた 母親が靴を叩きながら、もうすぐ駅に着くからメガネを捨てなさいと言うので、仕方なく口からメガネを出して冷蔵庫に戻した 駅に着くとドアが開いて大量に蠢めく人間が降りて行くので、私もそれに押し出されるように外に出た 少し歩くと、ゴミ箱の中に人がいたので、その人からお金を借りた 空には近所に住んでいる中年の夫婦が浮かんでいて、おはようって言ってる 今日は雨の予報だ

      • 《短編小説》天国で会った男

        ここはどこだ? 目が覚めると一面に広がる花畑、遠くを見渡しても誰もいない、ここが俗に言う死後の世界ってやつか? だが自分が死んだ記憶が全く無い、だけど説明は出来ないがここが自分がいた世界ではないと言うことは確信出来た。普段通り朝起きて歯を磨いて、朝ごはんを食べて、制服に着替えて、高校に向かった、このあたりからの記憶が無い とりあえずあたりを見渡すと、遠くの崖の上に小さな人影が見える 近づいてみると、その人影は実際に小さく、だいたい1メートルくらいで、子供と言うよりは大人をそ

        • 《短編小説》社員マスカット

          部長「それではこれより、今年度から新しくこの会社の仲間となる新入社員の三名を紹介していきます。」 どうやら今年は三人の新入社員が入ってくるらしい、去年は募集もしていなかったのに今年は三人、たぶん俺の同期の企画が大成功を収めたからだろう、まぁ大成功と言っても俺が入れるくらいの小さな会社だから世間から見たら大したことはないのだが、この小さな会社にとっては設立以来の大成功と言っても過言ではないくらいの出来事らしい。 そんな大成功を収めたのが俺の唯一の同期… それに比べて俺ときたら

          《短編小説》男を轢いた女

          (キキーー、ゴン!) 軽自動車が人を轢いた、 男「痛い痛い痛い痛い…!」 男を轢いた女は車内で呆然としている 男「痛い痛い痛い痛い…!」 男を轢いた女は我に返り男を見てクラクションを鳴らす (ファーーーーーーー!) 男「痛い痛い痛い痛い…!」 男を轢いた女が車から飛び出し、男の元へ駆け寄り尋ねる 男を轢いた女「あなたは誰ですか?」 男は少し困惑しながら答える 男「後藤直己です。」 男を轢いた女は安堵の笑みを浮かべ男に問う 男を轢いた女「もし宜しかったら、私とお付き合いして頂け

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