【7月のよからぬ思い】

あのひとの「しまった!」というときの舌をペロッと出すところが、どうしても好きになれない。いや、そんな生やさしいものではない。嫌いで仕方がない。反吐が出そうなくらいを通りこして、銃があれば心臓を撃ち抜いてやろうかと思うくらい嫌いで仕方がない。
大人で、それもいい歳をした男がだ。「こんな僕にも少年の一面があるんだ。どうだ可愛いだろう」というような世間に対してのアピールかなにかの顔がたまらなく嫌いで仕方がない。そんな顔をして許されるのはせいぜい小学生までだろう。少なくとも私のなかでは。

それをすると自分がやらかしてしまったことが帳消しになるのだろうか。お茶目な風をだせば罪が軽くなるのだろうか。無邪気でいると何もかもが許されるのだろうか。


私にはあのひとがわからない。
いっそわからないままでいい。
わかってしまえば、私が自らの心臓を撃ち抜くかもしれない。


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