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読書会を開催する側にまわって(後半)

読書会の⽬的は主に以下の2つです.


1. 本を最後まで読み、本から学ぶ.

2. 学びを継続して⽣かせる仲間づくり.


学びと遊びの両輪で毎⽇を豊かにする.
そんな⽬的を持った⼈たちが
“単なる勉強会”を超えて集まる.


それが読書会です.


読書会の進⾏について


具体的に進⾏の仕⽅に移っていきましょう.
読書会の参加条件は「読了してること」
これはみなさんクリアしてきてください。

はじめに参加者の6〜8⼈で

1つのグループを作り、


そこに必ずファシリテーターと

呼ばれる司会役を⽴てます。


そこで最初に⾏うのは参加者同⼠の⾃⼰紹介。


多くの場合は名前と合わせて何か⼀⾔、
最近あった良い出来事や、
最近気になる話題などを

簡単に添えてもらいます。


その後、

⼀⼈ずつに本の中の気になる箇所や、
⾯⽩かった箇所などを順番に、

⾃由に話してもらい、掘り下げます。


難しい本で、


「⾯⽩さがわからなかった」


と⾔えば、きっとそれに釣られて何⼈か


「私も!」


と声を上げてくれるでしょう。


もちろん、


「私にはものすごく⾯⽩かった!」


と⾔ったっていいのです。


また、

本の内容を脱線するのも全然オーケー


⾃分の⽇常と関連づけて、

どんどん喋っちゃいましょう。


2タイプの読書会


読書会には、


「課題本型」「紹介型」の2つの型があります。


課題本型とは事前に課題本となる⼀冊を決め、
参加者同⼠で感想を語り合うというやり⽅。


⼀⽅の紹介型とは、参加者が各自で

おすすめの本を持ち寄って、
本の内容を紹介し合うやり⽅です。


どちらにも良さがある中で、
課題本型を採⽤するのには

いくつかの理由があります。


本の紹介の価値というのは、

紹介する側と紹介される側の
関係性にかなり依存してします。


⾃分と仲の良い友達や、
尊敬する先⽣から勧められた本ならば、
いますぐにでも「読んでみようかな」
となるでしょう。


でも、

初対⾯の素性のよくわからない⼈に
勧められた本を、「よし!読もう!」

とはなかなかならないのではないでしょうか、


また紹介型を採⽤しないのには、


「参加者どうしで話が膨らみにくい」

という問題があります。


⼀⼈分の持ち時間で本の紹介を⾏い、

それを全員がやって終了、懇親会へ…

というスケジュールになると、


ディスカッションというよりも、

プレゼン⼤会のようになってしまいそうです。


⼟台となるコミュニケーション能⼒の
⾼い⼈たちの集まりや、プレゼン技術向上の

ための場としては良いのですが、


そうでない場合にはやや会話のハードルが
⾼い読書会となってしまいそうです。


⼀⽅の課題本型では、初めて会った相⼿と
とことん会話のキャッチボールをする

ことになります。


たとえ初対⾯の⼈が相⼿でも、
全員が同じ本を読んできているという
前提があれば、きっと会話は捗ります。


読書会には⼀⼈で⾏う読書では
決して得られない良さがたくさんあります。


⾃分個人の視点でしか読めなかった本を、
他の⼈の⽬を借りて多⾯的に読み直すことができるのです。


国語の授業の⼀環で⾏われる⽂章読解には
正解とされる読み⽅があります。


けれども読書会の時間にみんなで⾏う読解は
正解のないものでなければなりません。


感想が違って当然という前提で
⾃分の抱いた感想を臆さず⾔語化する。


その場には、

あなたが読んだことのない本を読み、
まるで異なる出⾃を持つ⼈がいる。


それが普段訪れることのないような

場所で開催されている…


そんな会に⾝を置く時のあなたは、

少なくとも、コンフォートゾーンの
⼀歩外側に出ているだろうと思うのです。


※ コンフォートゾーン…不安にならない⾏動範囲。新しいことに挑戦することを「コンフォートゾーンの外に出る」と⾔うことがある。不安レベルを上げる⾏動はコンフォートゾーンの外に出ていると⾔える。不安というのは、わざわざ探し求めるようなものではないが、少しの不安であればコンフォートゾーンの外側で驚くほどのメリットが⽣じる場合がある。



「同じ事実を全く違ったように⾒ていることを

お互い知ること⾃体が、コミュニケーションである。」



とある⼈は⾔いました。


読書会は演説の場ではないので、
⾔葉のキャッチボールを

成⽴させることが⼤前提です。


私たちはページをめくり、
本の世界をめぐることで、


⾃分では⽣きられない⼈⽣を
⽣きた著者の脳内にお邪魔して
⾃分たちの視野を広げることができます。


読書の⽬的の1つは、

読書を通じて⾃分⾃⾝の可能性に

気づくことでもありそうですね。


では仲間たちとの新たな関わり合いをはじめましょう。

参考文献:山本多津也『読書会入門』

(巨大読書会サロン猫町倶楽部の代表をされている方です。建築出身らしくこの本いは共感するところが多かったです)

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