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【再訪】愛知の大廃墟、千歳楼

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本記事は下記記事の続編ないし、外伝のような位置づけである。
2018年6月。私は思いつきから愛知有数の廃墟である千歳楼を訪問した。今までもインターネットで廃墟の情報を読んだことはあったが、自分の足で廃墟に行ったのはこれが始めてであった。インターネットで見ていた景色が目の前に現れた時の感動は今でもよく覚えている。千歳楼は私が廃墟に興味を持つきっかけ・・原点だったのだ。

訪問日:2020年5月8日

愛知・岐阜県道15号。この県道は瀬戸市から多治見市にかけての区間は「愛岐道路」という名称で知られている。その名前からも分かる通り、愛知県と岐阜県を結ぶ道路だからこの名称がついているのだが、この道路の沿線には非常に多くの廃墟があることで有名である。瀬戸市から多治見方面に走ると、まず最初に平和工業の放置された建物が左手にある。そこを過ぎて、しばらく行くと愛知県有数の廃墟・心霊スポットとして知られる廃旅館千歳楼がある。千歳楼を過ぎると岐阜県に入るのだが、岐阜県に入って間も無く目に入るのが道路右手に見える廃旅館と廃レストランである。そして、この廃旅館・廃レストランのすぐそばには岐阜県を代表する廃墟・心霊スポットの古虎渓ハウスも存在する。わずか5、6キロメートルの区間に5件も廃墟があるのだ。今回、訪問したのは廃旅館、千歳楼である。

1.半年ぶりの千歳楼

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写真は道路から見た千歳楼だ。私はこの日およそ半年ぶりに千歳楼を訪れたが、千歳楼は半年前と変わらずそこに存在した。割れたガラス、残る放火の痕跡・・・本当に何から何まで変わっていなかった。

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千歳楼近くにかかる橋より撮影。千歳楼の前を流れるのは一級河川の庄内川だ。千歳楼は河原にへばりつくように建っている。写真右端の建物は元々従業員寮だったとされているが、放火によって、今にも崩れ落ちそうな状態になっている。写真には写っていないが写真の川の左岸には広い河原が広がっている。私が千歳楼を訪れたのはこれが4回目であったが4回目にして初めて河原に降りて、千歳楼を撮影した。

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河原へと繋がる階段。階段の入り口は猪侵入防止用のフェンスで塞がれていた。わざわざフェンスを開けて、河原に降りるのは私のような一部の物好きだけだろう。河原に続く階段はあまり利用されている様子がなく、新緑の雑草に覆われつつあった。

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河原の砂地は雑草に覆われ、雑草に覆われていない場所はゴツゴツした岩が散らばっており、とても歩きにくかった。河原には私以外人はいなかったが、この場所が観光地として栄えていた時代にはたくさんの人がこの河原に降りていたようだ。その証拠に、郷土資料には、この河原でくつろぐ人々を写した写真が載せられていた。写真ではわかりにくいが、河原には3〜4メートル程度の高さの岩があった(写真中央部やや右に写っている岩。ただし、この写真ではそんなに巨岩には見えない)。このあとに載せる写真の多くはその岩の上に乗って撮影した物だ。岩には足場になる穴があり、比較的簡単に登ることができた。郷土資料の写真にはこの岩の上に登っている人の姿があったし、きっと岩に登りやすくするために人工的に掘削をしたに違いない。

ところで、あなたは千歳楼の内部が現在どうなっているのかみてみたい、そう思ったことはないだろうか?千歳楼は廃墟になってから何度も何度も不審火騒動が発生した。そして、2012年には内部から白骨化した遺体が発見され、廃墟・心霊スポットとして一層知られるようになった。千歳楼で事件が起こるたびに侵入対策がより強固なものへとなっていった。現在では建物周囲には立派なバリケードが設置され、その上、防犯カメラが侵入者がいないかを見張っている。

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この強力な侵入対策を物理的に破壊して侵入することは比較的簡単ではあるが、その結果待ち受けているのは「書類送検」という名の制裁だ。実際、2017年に高校生が千歳楼に侵入し、書類送検されるという事件が起こっている。
わざわざリスクを侵して廃墟に侵入せずとも廃墟内部の様子を知る方法がある。
過去に3回この場所を訪れた私は、千歳楼の内部を覗く術を持たず、指をくわえて建物を眺めることしかできなかった。しかし、この日の私は違った。私の手には遠くを撮ることができるカメラのレンズが握られていた。私はそれを駆使して、河原から千歳楼内部を覗いた。そこには今なお「破壊の痕跡」が生々しく残る千歳楼の「現状」が映し出されていた・・・

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2016年頃から廃墟に関心を寄せる。2018年、実際に廃墟へと趣き、廃墟訪問にハマる。現在はその廃墟がかつてどのように使われていたのか、いつ頃廃墟になったのかを特定することに力を注ぐ。 地域・店舗限定のエナジードリンクを見つけることにもハマっている。自他共に認めるエナドリ中毒者。