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七夕と幼心。

私もまだ小さかったころ、

毎年、友達たちと七夕祭りにいってた。


お寺の境内で仏様のお話をきいて、

みんなでゲームをして、

屋台で遊んで、短冊をかいて、花火をした。


少し早くから部活動を始めた私にとっては

この七夕まつりは数少ない夏の思い出の一つ。


七夕の日には、晴れていたら天の川が見える。

その天の川で1年に一度、

織姫と彦星はロマンチックに再会するのだと信じて

首が痛くなるくらい空を見上げていたのも懐かしい。

みんなも信じてたよね?


しかし、運が悪かったのか、

私の記憶では、七夕の日は決まって曇りだった。

晴れていた年があっただろうか。

なんなら雨が降っている年もあった。



幼い私は、今年も二人は会えなかったのかと悲しんでいたけれど、

少し大きくなってくると、雲の上は晴れていて、

毎年、二人は再会できているのだと考えるようになった。

この時はまだ純粋だったと思う。


そんな風に考えていたのも少しの間だけで、

少しずつひねくれだした私は、

ネットに書いてあった情報をもとに

実は月一で再会しているという説が濃厚だと知り、

そこら辺の遠距離カップルと同じなのかと思い始めた。


ついには便利なツールを使って連絡を取り

イチャコラとテレビ電話しているんだろうと


なんなら、天の川にも橋ができて

長年夫婦生活営んでるんじゃないかと

相当冷めてしまった。


それに考えてみれば、

天の川だって時期と場所と天候の条件さえ合えば

いつだってみられるじゃない??

なんて。


そんな風に考えだしてからは

お祭りで遊べるという特別感と

部活の健闘祈願を短冊に書くことだけが恒例になっていた。


もちろんいつ行っても楽しかったし、面白かったけれど

小さなころのように無邪気に信じて空を見上げていた時のほうが

ずっとずっと楽しい時間だったし、面白かったとは思うけどね。


みんなが短冊に部活の健闘祈願を書く中、

毎年欠かさず、こっそり

恋人ができますようにと短冊に書いていた友達の事も。


隠すことないのにって思いながら

そのかわいい乙女心をうらやましく思って青春を感じた時もあったし。


どんなにいろんなことを知ってしまっても

願わずにはいられないよね。

たとえ七夕を信じていなくても。

切実な願いも、大した願いじゃなくても。


だって、七夕だから。


いくつになっても、七夕の日には

幼いあの時を思い出して、

ふと考えたりなんかして。


今は、そうやって懐かしんだり

ちょっと願ってみる事のそれだけでもいいかな、なんて思ってる。



皆さんは、七夕に何を願いますか?


健康?恋愛?世界平和?


皆さんの願いがどこかに届きますように。


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