今日は何の日(2020/1/18)

1. 冬土用の入り

土用といえば夏の土用が有名ですが、土用は「季節の変わり目」なので、年に4回あります。(春土用のツイート参照)そのうち、「冬の土用」が今日(2020年1月18日)から始まります。

各土用の最初の日を「土用の入り」と呼び、最後の日は「土用明け」といいます。「土用明け」は、四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前日で、これらの日は「節分」と呼ばれます。
冬の土用の最終日は、立春の前日(毎年2月4日ごろ)です。単に「節分」という場合、一般にこの日のことを指します。

2. 土用と食べ物

夏の土用の丑の日には鰻を食べる習慣が定着していますが、各土用にはそれぞれ、食べた方がよいとされるものがあります。

冬土用:未の日に「ひ」から始まる、もしくは赤い食べ物を食べます。
例:ひらめ、トマトなど

春土用:戌の日に「い」から始まる、もしくは白い食べ物を食べます。
いわし、いちご、いんげん豆など

夏土用:丑の日に「う」から始まる、もしくは黒い食べ物を食べます。
うなぎ、梅干し、瓜(きゅうりやスイカ)など

秋土用:辰の日に「た」から始まる、もしくは青い食べ物を食べます。
玉ねぎ、だいこん、秋刀魚など

これにも、五行説が関係しています。五行説によると、色や十二支に五行を割り当てることができます。

木:青(緑):寅・卯・辰
火:紅(赤):巳・午・未
土:黄   :なし
金:白   :申・酉・戌
水:玄(黒):亥・子・丑

ここから、冬土用の未の日や夏土用の丑の日などに、その日の十二支に関係するもの(頭文字が同じもの又は色が一致するもの)を食べるのです。

それでは、なぜ「冬土用は未の日、春土用は戌の日、夏土用は丑の日、秋土用は辰の日」なのかというと、ここにも五行説が関係しています。

まず、各土用のある月は旧暦では、

春土用:3月
夏土用:6月
秋土用:9月
冬土用:12月

となります。また月の干支というものがあり、各土用のある月の十二支は、

3月(春土用):
6月(夏土用):未
9月(秋土用):
12月(冬土用):

です。そして、例えば夏土用であれば、夏の暑さに冬の寒さをぶつけることで夏の負担を和らげるという考えに基づき、「丑の日」が選ばれます。(冬土用は丑の月)

3. 寒の土用の丑の日

近年、諏訪湖のほとりにあり、鰻の漁獲量・消費量が多い長野県岡谷市を発祥として、夏の土用の丑の日と同様に冬の土用の丑の日にも鰻を食べる習慣を広めようとする活動が行われているそうです。1998年には、「うなぎのまち岡谷の会」が「寒の土用の丑の日」を日本記念日協会に記念日として登録しました。

4. 土用殺

土用には、旅行や移動などを避けた方がよいとされています。
特に、土用の期間には凶方位とされる方角(土用殺)があり、この方位には移動しない方が良いとされます。

冬土用の土用殺:北東
春土用の土用殺:南東
夏土用の土用殺:南西
秋土用の土用殺:北西

5. 土用波

土用波とは、「夏の土用」の時期に、発生する大波のことです。
夏の土用の時期にこのような波が来ることは、古くから漁師の間などで知られていました。そして、近代気象学の発達に伴い、これは遠洋に存在する台風の影響であることが分かりました。つまり、台風などによって遠くの海上で海面の乱れが起こり、うねりとなって海岸に届くいたものが土用波です。
その場所の天気には関係なく海水浴などの海のレジャーを楽しむ人にとって危険な波とされています。

また、土用波は、夏だけではなく、冬の穏やかに晴れている時にも押し寄せてくることがあるそうです。

冬の土用波は、北日本の東の海上で発達する低気圧が原因です。
冬の低気圧は、千島の東海上やアリューシャン付近まで離れていったとしても、台風並みに発達し、海上では大きなうねりを作ります。このため、低気圧が遠ざかったあと、冬型が緩んできても安心はできません。
この時作られるうねりは、北海道のオホーツク海側と太平洋側の海岸、東北の太平洋側まで届いてくるそうです。

冬の土用波にも十分な注意が必要です。

6. 関連する行事

6-1. 春の土用の入り(4月後半~立夏前日)
土用とは何かについて説明しています。

6-2. 夏の土用の入り(7月後半~立秋前日)
夏の土用が最も有名な理由と日の干支について解説しています。

6-3. 秋の土用の入り(10月後半~立冬前日)
土用の間日について解説しています。

7. 参考文献

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