🎁the monogatary #74 | 遠くへ #4
「優くん….。お久しぶりね。こうやって電話で話すのはいつ以来かしら。」
「加奈さん…ご無沙汰しております。たしかに。加奈さんから電話をもらうのは珍しいかもしれないですね。何かありましたか?」
「落ち着いて聞いて欲しいのだけど…。うちの娘がさっき。どうやら。」
『交通事故にあったみたいなの…。』
【第四章】
そこは静寂に包まれていた。
気付けば。僕は走っていた。普段はバスを使って帰るのに。
その日はバスを待つことが出来なかった。
その時間が勿体無い。
早く円に会いたい。
たったそれだけの感情が。
僕を支配していた。