#17 the story | 『Fate/Prototype』(3)
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「少年は進む、己の願いこそが正義だと信じて。」
『Fate/Prototype』3巻。始まりはバーサーカーを従えし、とある少年から。彼は争いを好まない。彼が聖杯に願いし望みは平和のみ。ゆえに。彼は苦しむのである。ゆえに。彼は死すのである。
魔術師は外道でなければならない。ゆえに。彼らに慈悲など必要あらず。沙条愛歌のような気概を持たねばならない。
とても心を揺さぶられた。
本作における主要な登場人物は、平和を求める。バーサーカーを従えし、優しき少年。集中治療室の存在によって、辛うじて命を紡いでいる病人。出自は違えど、彼らは似た思想を抱いている。
本作ではライダーの過去に関する記述がある。彼はファラオとして、どのような生き方を選択したのか。物事には表と裏が存在する。正しく人を評価するには、多角的な目線を持たねばならない。
型月ファン必見の作品である。