「なにかやりたいことないの?」

この前、久しぶりに親友Tと会った。

天気が良く、街を歩くとかなりの人混み。

ちょっと気になったのが、Tがいろいろと質問してきたこと。

(なんか今日、やけにいろいろ訊いてくるな。気のせいかな?)

なんかいつもと違うような……、とちょっとだけTに違和感をおぼえたけど、その質問の中のひとつで。

「坂井さんは、なにかやりたいことないの?」

「……」

答えられない私。

「んー……、やりたいことはこれといってないけど……」

その日、帰宅して、次の日になって、また次の日になっても、Tの言ったことが心に引っかかっていた。

考えてみると、自分のことを見つめるのが苦手で、あまりしないようにしていた。精神的に負担になってしまうというか、つらくなるから。

なにか、自分の弱いところを突かれたような感じだった。

私はかなり腰が重いし、行動的なタイプではない。

このまま時間だけが過ぎていくだけで、そうなったら……、ちょっと味気ないよなー。人生が。

と、こんなことを考えていたら、母がとりこんだ洗濯物を頭上にあるロープにかけて、服の袖が頭にぶつかってきた。なにこのタイミング。(笑)

まあ、考えすぎないようにしよう。


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