WikiDeviが閉鎖、後継サイトはどうなる?
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WikiDeviが閉鎖、後継サイトはどうなる?

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やや旧聞となるが、世界最大級の無線通信機器ウィキであった「WikiDevi」(wikidevi.com)が2019年10月31日を以て閉鎖された。閉鎖までの経緯と後継サイトについてここに記録する。

WikiDeviとは

WikiDeviはM86氏が2010年に立ち上げたSemantic MediaWikiである。建前上はコンピュータハードウェア全般を扱う方針だが、当初より無線LAN機器の記事が突出して充実しており、OpenWrtコミュニティを始めとする組み込み系技術者に重宝されていた。

閉鎖までの経緯

2019年9月25日頃、WikiDeviのヘッダーに閉鎖のお知らせが掲載された。

WikiDevi will be going offline 2019-10-31. For historical dumps of the database, see 'WikiDevi' @ the Internet Archive (MW XML, Files, Images).

閉鎖の理由については触れられていないが、M86氏のトークページを見るに、いわゆる「燃え尽き症候群」で興味を失ってしまったのが原因のようだ。

WikiDeviの閉鎖はOpenWrtコミュニティでも話題となり、OpenWrt Wikiの管理者であるtmomas氏が引き継ぎに名乗りを上げている。

実際にM86氏のトークページでもtmomas氏とのやり取りが確認できるが、その後、破談となったのか、当初の告知通り10月末にWikiDeviは閉鎖されてしまった。

遺されたデータベース

しかし、これまでの成果物が無に帰す訳ではない。M86氏は数年前からWikiDeviデータベースの一部をInternet Archiveに公開アーカイブしていた。

これを利用して複数の有志によるWikiDevi後継サイトが立ち上がっている。

TechInfoDepot

TechInfoDepotは2019年9月末に公開されたDarkShadow氏によるWikiDeviミラー。M86氏への直訴により、本家WikiDeviからもリンクされていた。ただし、記事数が本家の8割程度に留まっている。元々は管理人のプライベートウィキという位置付けだったようだ。

WikiDevi.Wi-Cat.RU

WikiDevi.Wi-Cat.RUは2019年12月末に公開されたOmega氏によるWikiDeviミラー。外観がオリジナルのWikiDeviに近く、記事数も本家とほぼ同数。Wive-NGというロシア製の無線ルータ向けOSを開発しているWireless CAT(Wi-CAT)という会社が提供しているようだ。

後継サイトの問題点

WikiDeviはCC BY-SA 3.0を採用していたので、ライセンスに従う限りミラーを公開するのは自由だが、TechInfoDepotもWikiDevi.Wi-Cat.RUもオリジナルの記事を一旦エクスポートしてからインポートし直しているらしく、履歴が継承されていない。つまり、継承(SA)はされているが、帰属表示(BY)がされていないため、多くの記事がライセンス違反で不法状態に置かれている恐れがある。

仮に「WikiDeviの[記事名][日付]版からの複製」などと履歴が追補された場合はどうだろうか。CC BY-SA 3.0では合理的な方法で帰属表示することを求めているため、ウィキ間で複製を行う場合は要約欄に複製元へのハイパーリンクかURLを記載することで帰属表示に代えることが一般的だ。しかし、今回のように複製元のウィキが消滅している場合、複製元へのハイパーリンクやURLでは投稿者一覧が確認できない。これを仕方ないこととして許容するのか、履歴そのものを持ってくる必要があるのか、判然としない。

後継サイトはどうなる?

ウィキで重要なのは記事数だけではない。利用者が付かなければ新しい記事は生まれない。メールアドレスなどのプライバシー情報を含むアカウントデータベースは公開されずにWikiDeviと運命を共にしたので、後継サイトはゼロからコミュニティを形成することになる。複数のウィキに利用者が分散するのは好ましくないので1つに集約するはずだが、それがどちらになるのか、または第三者が登場するのかはまだ分からない。

DeviWiki [2020年2月7日追記]

DeviWikiは管理者不明のWikiDeviミラー。ドメイン取得は2019年10月31日に、ウィキ作成は2019年12月初旬に行われているが、存在が明らかになったのは前述のtmomas氏によるOpenWrt Forumでの投稿が初出ではないだろうか。記事数が本家とほぼ同数な上に、履歴の継承が行われているため、ライセンス上の問題をクリアしている。まだ、いくつかの特別ページがうまく機能していないようだ。

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