見出し画像

ラジオ備忘録『松岡茉優 マチネのまえに』

ふだん何気なくラジオを聴いていると、ふとしたときに自分が思っていた、悩んでいた事と繋がる言葉に出合うときがあります。うんうんと共感したり、励まされたり、思わず泣いたり……。偶然のそんな一瞬の出合いを味わいたいから、わたしはラジオを毎日聴くのかもしれません。刹那的ともいえるラジオの魅力をここに書き留めます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【TBSラジオ『松岡茉優 マチネのまえに』(毎週日曜12:00〜12:30)】

新型コロナウイルスが流行して以来、スタジオからではなく松岡茉優さんのご自宅での録音放送(通称宅録ともいえましょう)が、もはや定着した番組。ご自宅だからこそ、バラエティ番組や映画なので拝見する松岡茉優さんとはまた一味違った、声色を感じることができて心地良いんですよ。声のトーンも落ち着いていてとっても聴きやすいのはもちろんなのですが、ご自宅にいるからこその音の演出がもうお見事なのです。


たとえば…2021年1月3日(日)放送の回では、、、
オープニングはお茶らしき飲み物を湯呑みのような器にそそぐ音からスタート。さらにポットらしきものがトンっとテーブルの上に置く音がうっすら聴こえてからの番組冒頭のあいさつに入る。ひゃ〜!これ、ほんとに素晴らしい流れなんですよ。ぜひこの冒頭だけでも聴いてほしいくらい。初めて聴く方でも、あ、ここはきっと家にいるんだろうな。そして1月3日だからリスナーさんもお家にいる人が多い、まだ三が日だもの…と、いろんな想像がこの音だけで出来ちゃうんですね。過去、自粛期間中の放送では、パンケーキなどお料理を作りながら番組をすすめる回もありましたよ。新しい発想ですよね。

「年末年始だらだら〜っと過ごせる人ってそんなにじつは多くはないんじゃないかなって思ってます。さまざまなことで自分の時間がなかなか作れなかったみなさま、この30分間、ゆっくり自分のために何かをしながら、そのそばに“マチネのまえに”があったらとっても嬉しいなと思います」

ね。彼女が冒頭で言ったコメントを一部抜粋しただけでもわかるでしょ。音の演出のみならず、松岡茉優さんは言葉掛けがほんとに優しい。ちゃんと自分が考えた言葉でお話をしているんですよ(あ〜政治家に煎じて飲ませてやりたいくらい)。きっととっても気を遣う方なんだろうなと、ラジオを聴いているだけでも伝わってくるんです。

また番組内では、12月末までされていた舞台のお話もされており、全29公演を2029公演と言い間違えたときに「2029…ちがうちがう笑、森光子さんみたいになっちゃう」とね、自分にツッコミをいれていて。思わずクスッと笑ってしまいました。

と、ふだん、わたしはあまりテレビを観ませんから、バラエティ番組での彼女の様子はよくわかりません。ただ映画ではもう素晴らしい俳優さんだと感じております(『勝手にふるえてろ』大好きよ)。失礼ながら松岡茉優さんのことはそれほど存じてはおりませんが、とにかく、彼女の人柄を存分に楽しめるこの番組はイチオシなのです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?