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男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』について、想像したこととか参考になりそう…

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男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』について、想像したこととか参考になりそうなことをそのまま。理論と根拠は迷子。

最近の記事

生と死の円環② "recomposition(再構成)"された歌詞

老いた音楽家の人生と、彼の心にひそむ天使たちⅠ. Prelude 老いた音楽家の死の前兆 〈天使たちのざわめき〉 なにがてんしからのおくりものか それをみわけることができるだろうか はなでもなくほしでもなく おかしでもほがらかなこころでもなく 〈天使たちのざわめき〉 Ⅱ. Capriccio 老いた音楽家が、かつて自身の心の中にいた気まぐれな天使を懐かしみながら語る。 その天使は、かつて人間に虐げられていた。 なんでもしってるおとななのか むじゃきなこどもなのか

    • 生と死の円環① 原詩

      Ⅰ. Prelude 『天使とプレゼント』 なにがてんしからのおくりものか それをみわけることができるだろうか はなでもなくほしでもなく おかしでもほがらかなこころでもなく (それはたぶん このわたしたちじしん……) Ⅱ. Capriccio 『天使というよりむしろ鳥』 なんでもしってるおとななのか むじゃきなこどもなのか つばさはどろだらけで きのうモーツァルトのソナタの すみっこにいた きょうゆうやけぐものうえに ちょこんとこしかけていた おんなでもお

      • Ⅱ. Capriccio ④

        先の Ⅱ. Capriccio ③ を読み返していて、 『天使というよりむしろ鳥』と『天使の危機Ⅰ』はパラレルワールドである、という仮説に、少し違和感を抱いた。 『天使の危機Ⅰ』が、 天使が人間に虐げられている世界線であることには確信に近いものを持っているのだが、 「そこからてんしはきた」の説明がつかないのである。そこで、 『天使の危機Ⅰ』を、さらに前半と後半に分けてみることを試みた。すると、 前半部分と後半部分では時系列が違うことが推測できたのである。 前半部分を

        • Ⅱ. Capriccio ③

          『天使というよりむしろ鳥』と 『天使の危機Ⅰ』は、パラレルワールドである説を提唱したい。 これももしかすると無理のある説かもしれないけど、個人的にはかなりしっくりきている説であるため、忘れないうちに書いておく。 もし仮に『天使の危機Ⅰ』冒頭の「このよのなか」が『天使というよりむしろ鳥』の世界線を指していて、 「べつのよのなか」が『天使の危機Ⅰ』の世界線を指しているとした場合、 『天使というよりむしろ鳥』は 「人間の世界」に溶け込めた世界線であり、 『天使の危機Ⅰ』は 天

        生と死の円環② "recomposition(再構成)"された歌詞

          Ⅱ. Capriccio ②

          『天使の危機Ⅰ』 講談社『クレーの天使』作品No.31 遠い昔、ある天使が「人間の世界」に来た経緯とその行く末を、老いた音楽家が語って聞かせる、という体で書かれていると思われる。 「このよのなか」は「(人間から見た)人間の世界」であり、 「べつのよのなか」は「人間から見た天使」の世界である。 「そこから」人間の世界に「なんまんねんもかかってとぼとぼと」歩いてやってきた天使は、「おかげですっかりやせこけた」。 そして「にんげんからのおくりもの」として翼を与えられるが、同時に

          Ⅱ. Capriccio ②

          メモ.松本望とその経歴

          株式会社E アーツカンパニーのHPより http://earts.jp/artists/nozomi-matsumoto/ Nozomi Matsumoto Piano / Composition 松本望(ピアノ/作曲) 北海道出身。東京藝術大学大学院修士課程作曲専攻修了。パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科首席卒業(審査員満場一致)。これまでに作曲を土田英介、尾高惇忠の各氏に、ピアノを三角祥子、北島公彦、浜口奈々、E.ベルショの各氏に、伴奏法をJ.ケルネル氏に師事。2003年

          メモ.松本望とその経歴

          メモ.慶應義塾ワグネル・ソサイエティー男声合唱団 第138回 定期演奏会

          演奏:2013年11月17日 昭和女子大学 人見記念講堂 指揮:村山俊介 (学生) ピアノ:細野莉香子 (学生) 合唱:慶應義塾ワグネル・ソサイエティー男声合唱団 日記「定期演奏会を振りかえって」(2013年11月24日)より抜粋 学生ステージでは現代の邦人合唱作品:男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』に挑みました.ワグネルのレパートリーに風穴を!と意気込んで選んだのですが,想像を絶する難曲でした.自分が学生指揮者として歩んできた足跡をこの作品に残そうと必死に練

          メモ.慶應義塾ワグネル・ソサイエティー男声合唱団 第138回 定期演奏会

          メモ.第68回 東西四大学合唱演奏会

          演奏:2019年6月22日 すみだトリフォニー 大ホール 指揮:清水敬一 ピアノ:小田裕之 合唱:早稲田大学グリークラブ パンフレット12ページより引用 1曲目のモティーフが5曲目に帰ってくる循環形式を外枠にし、その中にジャズ風、ポピュラー風に至るまで、多様な音楽がコラージュのように現れます。自身が優れたピアニストである松本さんのお書きになるピアノパートには、彼女の個性が刻印されていて、だからこそ無伴奏で歌われる4曲目の印象が深まることも、見事な「構成」と言えるでしょう。

          メモ.第68回 東西四大学合唱演奏会

          Ⅱ. Capriccio ①

          【音楽】カプリッチオ、奇想曲 語源はイタリア語の "Capricciosa" で「気まぐれ、勝手気まま」の意 タイトルから、ピザの一種としてよく耳にする「カプリチョーザ」が連想され、調べてみると「シェフの気まぐれピザ」ということらしい。納得。 日本国内外にチェーン展開しているイタリアンレストランの名称でもあるらしい。 『天使というよりむしろ鳥』 講談社『クレーの天使』作品No.3 推測①老いた音楽家が、 「なんでもしってるおとな」であり、同時に「むじゃきなこども」でもあ

          Ⅱ. Capriccio ①

          Ⅰ. Prelude

          はじめに男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』のテキストは、 作曲者が先述の詩画集『クレーの天使』より詩を抜粋・再構成したものであり、 同時に、 抜粋と再構成によって偶然(?)成立した、 ある無名の『老いた音楽家』が、自身を主人公として「日常にひそむ天使」と「生と死の円環」の関係について語る、 いわゆる『四次創作の物語』であるという、あくまで個人的な見解を前提として考察していく。 1[通例単数形で](~の)前触れ、前兆(to) 2【音楽】前奏曲、プレリュード 語源

          Ⅰ. Prelude

          楽譜に記載されている情報まとめ

          タイトル英訳 "Composition Where Angel Exists" 楽曲情報 作詩:谷川俊太郎 作曲:松本 望 委嘱:カワイ出版 初演:2009年8月2日 いずみホール 《The Premiere vol.1~真夏のオール新作コンサート~》 指揮:伊東恵司 ピアノ:平林知子 合唱:なにわコラリアーズ 組曲について -詩の "再構成" (recomposition)- (松本女史・2009年6月) パウル・クレーの絵画と谷川俊太郎の詩による

          楽譜に記載されている情報まとめ