Ⅱ. Capriccio ②
『天使の危機Ⅰ』
講談社『クレーの天使』作品No.31
遠い昔、ある天使が「人間の世界」に来た経緯とその行く末を、老いた音楽家が語って聞かせる、という体で書かれていると思われる。
「このよのなか」は「(人間から見た)人間の世界」であり、
「べつのよのなか」は「人間から見た天使」の世界である。
「そこから」人間の世界に「なんまんねんもかかってとぼとぼと」歩いてやってきた天使は、「おかげですっかりやせこけた」。
そして「にんげんからのおくりもの」として翼を与えられるが、同時に