〈人生の記録〉⑤母親が亡くなった日

この日のことは忘れない。

天気は良かった。
いつも通り朝ごはんを食べた。
夜ごはんに何を食べたいか聞かれて答えた。
いつもと変わらず学校に行って帰ってきた。

お部屋の前に母親に買ってほしいと頼んでいたものと手紙が置かれていた。
何も気に留めずお部屋の中に入れて帰りを待った。

父親が先に帰ってきた。
母親は夫婦のお部屋に手紙を置いていたらしく
その手紙を見た父親は血の気が引いた顔で
外に出て行った。
夜になっても帰ってこなかった。

しばらくして、
いろんな大人が来た。
たぶん学校の先生と警察だと思う。
母親の身内について聞いてきた。
夜ごはんを持ってきてくれた。

数時間後、
母親が自分で自分の人生を生きるのを
やめたことを聞いた。
涙しか出なかった。

その後は、
何が何だかわからない中で
あっという間にお葬式が終わった。

父親はお笑い番組をひたすら見て
現実逃避をしていた。

私たちは1週間ほど休んだ後
いつもと同じように遊び、小学校にも行った。

1年後、私はこの家を出ることになる。

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