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『白い病』カレル・チャペック

戦争を目前とした世界に未知の感染病「白い病」が流行する。
そんな中、ある町医者は特効薬を発見するが、薬のその薬の提供に際して条件を1つ提示する。恒久平和条約を締結する国にのみ治療を提供する、と。

「あなたは人が亡くなるのを放っておくのですか。」という問いに対し
「では、あなたは人々が殺し合いをするのを放っておくのですか。」と町医者。
医者が患者を治しても、治療しても、戦争で次々に人が死んでいく世界。医師として戦場で過ごした経験のある町医者の突きつけた条件は戦争停止と治療法の引換だった。

戦争目前の世界、勝利こそが正義と考える国の元帥である独裁者、軍事品の工場で設ける会社、労働者、宗教心、病気への不安・恐怖、独裁政治、群衆の洗脳、等々、、色々なこが絡み合っていきます。

結末はずいぶん無念な気持ちになるものでした。

新型コロナウイルスのワクチンが完成した際にはどんな展開が起こっていくでしょう。この戯曲と同じにはならないとして、しかしながら様々な政治的戦略等はすでに起こっていますし、これから様々見えてくるでしょう。そんなこともふと思わされた本でした。


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