○石井幹事長会見 2024年5月17日(金)10時30分 @衆院第7控室



【冒頭発言】
≪中小企業の賃上げ≫
経済政策について申し上げる。今年の春闘において、連合の中間まとめでは、平均の賃上げ率は定期昇給分を含めて5.17%と報告をされている。一方で従業員300人未満の中小企業の平均の賃上げ率は4.66%と、全体の平均を下回っており、大企業と中小企業との間で賃上げに差が生じている。この要因について中間まとめでは、中小企業において、人件費などの価格転嫁が進んでいないことなどが指摘をされている。
公明党は、雇用の7割を占める中小企業の賃上げの実現を重視し、政府に対して、昨年、「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」を提言した。2024年度予算・税制改正では、企業が一定の基準を超えて従業員の賃上げをした場合、その一部を法人税から控除し、税負担を軽減する「賃上げ促進税制」が抜本的に拡充されている。
現在、円安などで仕入れ価格の上昇に苦しむ中小企業も多いと考えられる。そういった状況をつぶさに捉え、必要な政策を今後も政府に提案してまいりたい。

【質疑応答】
≪政治資金規正法改正≫
Q、きょう、自民党が単独で国会に案を提出する予定だ。自公で共同提案に至らなかったことへの受け止めは。また、今後、公明党の主張をどのように訴えるか。
石井)本来であれば、与党として、自民党と公明党で共同提出できることが望ましかったと思うが、先週5月9日に取りまとめを行って間もない時期に法案を取りまとめなければならないことから、時間的な余裕もなく、今回、わが党は、自民党の提案には、一緒にやるのは難しいという状況に至ったわけである。
今後は、来週から衆院の政治改革特別委員会で政治資金規正法の改正について議論が始まると思うので、その場でしっかりと公明党の主張を展開していきたいと考えている。

Q、公明党内には、党の主張を広く知らしめるため、公明単独の法案も出した方がいいという意見もあるが。
石井)そういう意見を私は聞いていない。

Q、公明党として今後、単独案を提出する考えはあるか。
石井)今のところ単独で提出する考えはない。私どもの考えは、もう既に与党協議のプロセスを通じて広く周知されている。あえて法案を出さなくても、公明党の考え方はしっかりと訴えられると考えている。

Q、いずれは公明党として、各党の法案に対し賛否を示すタイミングが来るが、その判断のポイントについての考えは。
石井)私どもは自民党の案は詳しく承知しているが、野党の案は、どういう案が出てくるかは承知していない。ただ、今、野党の主張がバラバラだから一律に申し上げることは難しいかもしれないが、企業・団体献金の廃止とか、政治資金パーティーの禁止とか、ちょっと私どもの党とは、かけ離れた主張をされている政党もある。そういったところは、なかなか距離がありすぎるなという考えである。

Q、今後、自民党と合意できていない2項目について修正を求めていくか。
石井)来週から政治改革特別委員会の議論が始まる。特別委員会で与野党協議も行われる可能性もある。そういった流れを見ながら、今後、判断していきたいと思っている。

Q、政治改革特別委員会で本格的な審議に入る時点で、公明党案を提出できていない。政治改革をリードすると言っていた姿勢と矛盾があるのでは。
石井)矛盾はないと思う。

Q、これからの政治改革特別委員会で、公明党は議論をリードできるのか。
石井)もちろんリードするつもりでいる。ただ、やってみないと分からないところが正直ある。お互いの主張があまりにもかけ離れすぎているということであれば、なかなかまとめるのは難しい。そこは、どういう展開になってくるのか、今後の具体的な展開を見ながらだ。公明党は従来から、いろいろな案件もそうだが、少なくとも選挙制度改革や政治資金改革については、なるべく多くの政党による合意が望ましいという考え方だ。そういう方向に促していく役割を果たしていきたいと考えている。

Q、自民党案や公明党案と、野党案は隔たりが大きい。公明党が果たすべき役割、強みは。
石井)どうだろうか、なかなか自分で評価しにくいところだ。かねて私どもは、与野党協議が重要だと主張してきた。実際にスタートすることになれば、なるべく多くの政党が賛成できるよう環境づくりに努めていきたい。

Q、与党協議では、パーティー券引き下げなどで折り合えなかったが、与野党協議でも、そのスタンスは変わらないのか。
石井)私どものオリジナルの考え方は今、指摘があった通りである。その上で今後、与野党協議にしっかりと臨んでいきたいと考える。

≪安定的な皇位継承≫
Q、党として、どのように議論に臨むか。いつまでに結論を出すべきか。
石井)ご承知の通り、党として検討し、両院議長に考え方を報告している。きょう午後2時から衆院議長公邸において衆参両院議長の出席の下で、各会派がそれぞれ、安定的な皇位継承に関する意見を申し上げる機会がある。これを皮切りに、この議論を大きく先送りするべきではないと考えている。一方で、会期もあと5週間ちょっとという中にあって、最終的に皇室典範改正まで行き着くのはそう簡単なことではないと思う。少なくとも政党間で、おおむねの合意ができるようなことは、この国会でめざすべきではないかと考えている。

≪能動的サイバー防御≫
Q、きょう自民党が党内議論に着手した。政府も早期に有識者会議を設置する方針を示している。能動的サイバー防御(アクティブサイバーディフェンス)に対する公明党の見解を。
石井)重要なことだと理解しているが、具体的な党としての方針は、これから、わが党としても検討していきたい。

≪衆院東京15区補欠選挙での妨害行為≫
Q、「つばさの党」代表ら3人が逮捕されたことへの所感を。
石井)適切な対応がなされたと思う。選挙は民主主義の根幹であるから、今回の東京15区補選において、有権者が十分にその候補者の訴えを聴取することができなかった。これはやはり極めて由々しき事態だと思っている。
「表現の自由」「言論の自由」が最大限尊重されるべきことは、言うまでもないことであるが、一方で、有権者が選挙権を自由に行使できる状況は保障されなければならない。過度な妨害行為によって、そういった機会が奪われることは、やはりあってはならないことで、それぞれの候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ。表現の自由といっても、おのずから制約もあると考えている。
こうした過度な妨害行為が適切に取り締まれるということは、引き続き実施していただきたいと思う。これは与野党を通じて議論するテーマだ。まずは現行法を引き続き適切に運用していただくことが重要であるが、さらなる必要性があれば法改正も含め議論していくべきだと考えている。

以上

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