石井幹事長会見 2024年3月22日(金)10時30分 @衆院第7控室

○石井幹事長会見 2024年3月22日(金)10時30分 @衆院第7控室

【冒頭発言】

≪育成就労制度の創設≫

「育成就労制度」の創設について申し上げたい。3月15日に政府は、技能実習制度を廃止し、新たに育成就労制度の創設などを盛り込んだ出入国管理法の改正案などを閣議決定した。現行の技能実習制度は、人づくりによる国際貢献を目的に、途上国の外国人を受け入れる制度だ。ただ、法の目的とは別に現場では、技能実習生を「労働者」として受け入れているという実態があり、法律の目的と実態に乖離がある状況だ。

今回の改正案では、外国人を「労働者」と規定し、未熟練の外国人を3年間で、一定の知識・技能が必要な「特定技能1号」の水準に育成することをめざす。また、これまで外国人の実習生を一部の企業が不当に扱い、実習生が失踪するケースもあった。こういった実態を踏まえ、これまで原則、認められなかった別の企業などに移る「転籍」について、条件はあるが、可能となる。

 公明党としては、外国人労働者の人権を守り、共生につながる環境整備を進めるため、党「外国人材の受入れ対策本部」が現行制度の廃止や人材確保・育成に向けた新制度の設立を政府に提言したところであり、こういった公明党の提言も踏まえての今回の改正案となっていると承知している。

 2040年すぎには、日本の高齢者人口がピークを迎えるが、その間も人口減少は進む。この人口減少と高齢化に対して、各自治体がどのように対処しようとしているのか。特に、担い手が圧倒的に不足してくるので、外国人材を含めて、どのように対応しようとしているのか。党2040ビジョン検討委員会を中心として、全国の都道府県・市区町村にアンケート調査を実施し、現在、取りまとめている最中だ。取りまとめ次第、皆さまにも公表させていただきたいと思っている。

 行政サービスや経済を維持するという観点からも、外国人材の受け入れは重要な要素だ。外国の方が日本で働きたいと思えるような環境整備につながる法改正になることを期待している。

【質疑応答】

≪自民党派閥の政治資金問題≫

Q、立憲民主など野党は、衆院政治倫理審査会で弁明していない45人に出席してもらうため、申し立てへの賛同を公明党に求めている。党としてどう対応するか。

石井)皆さんもご承知だと思うが、政治倫理審査会は基本的に本人が弁明したいという意思がなければ機能しない。実際に参院でも、三十数名の議員に対して申し立てを行ったけれども、実際に出席されたのは本人が弁明したいという3人だった。

過去を振り返ると、審査会で議決して、出てほしいと言いながらも出席しなかった鳩山由紀夫元首相のような事例もある。結局、本人が出る意思がなければ、申し立ての上で議決をして出席を要請しても、そこに出席しなくてもペナルティーがないということであるので、本人の意思がなければ政倫審は機能しないというのが大前提だ。

そういう意味で今、申し立てをすることにどういう意味があるのか、私は大いに疑問だ。

Q、二階元幹事長や萩生田元政調会長ら45人について、説明責任は果たされたと思うか。

石井)説明責任を果たすのは、いろいろな場面がある。政倫審については、あくまでも本人の意思がなければ実施することができないので、質問の趣旨が「政倫審に出席して説明責任を果たすべきだ」であれば、本人の意思があるかどうかで変わってくる。政党が「出てこい」と呼び掛ける立場でもない。審査会で議決しても、本人の意思がなければ成立しないので、あくまでも本人がどう考えるのか。また、政倫審以外にも、さまざまな説明の機会はあると思うので、そういった機会を活用して、積極的に説明責任を果たしていただきたいと思っている。

Q、これまでの政倫審での説明は十分か。野党は証人喚問を求めているが。

石井)衆参政倫審での説明では、派閥の幹部がたくさん出席されているが、派閥のパーティー券のノルマの設定だとか、キックバックだとか、そういったことにはタッチしていなかった。また、派閥の問題のみならず、ご自身の政治資金団体、派閥からのキックバック分が記載されていなかったことも認識していなかった。そういう答えが大半だったと思う。国民の疑念に十分に応えることができたとは言いがたいのではないかと思っている。

 その上で、証人喚問ということであるが、これまで、ある意味で国会の知恵として、証人喚問や参考人招致は原則、全会一致というルールが作られている。これは、多数決で呼べるとなると、多数党が少数党の関係者をどんどん証人や参考人で呼べることになる。ある意味で知恵として、全会一致のルールが設けられている。その上で、今回、当事者である自民党がどう判断するかが重要と思っている。自民党は慎重な立場であるから、そういう意味では、なかなかハードルが高いのではないかと思う。

Q、刑事処分が出てから時間が経っている。いつまでも説明責任ということでは国民も辟易してくると思う。連立与党の公明党として、自民党にどういう説明の場が必要と思うか。

石井)それは自身が考えることであって、われわれがどういう場で説明しなさいと注文を付ける問題ではないと思っている。その上で、この先、重要なことは再発防止策に向けた方策を具体的に検討していく。政治資金規正法の改正をしっかりと議論していくことである。

先般、自民党との幹事長、国対委員長会談においても、自民党は検討されて、まずは、自民党、公明党で政治資金規正法改正について、すり合わせを行いたいと。その上で、野党とも真摯に協議をして国会中で、政治資金規正法の改正をしっかりやっていきたいということを確認した。わが党も既に、1月18日に「政治改革ビジョン」を発表しているが、その中身を詳細に検討して、政治資金規正法改正に向けた、いわゆる「要綱案」の作成に入っている。これを早期に作り上げて、与野党協議をしっかりと行って成立させていきたい。

Q、公明党は政治改革ビジョンを他党に先駆けて発表して、今も精力的に議論している。改めて、法改正の議論を行う狙いは。

石井)国民の皆さんは再発防止をしっかりやることを期待されていると思う。その期待に応えるために、公明党がリードして、政治改革を成し遂げるという思いで取り組んでいるところだ。特に、今回の問題を踏まえて、政治資金の収入と支出の透明性を向上させることと、今回、ルールはありながら、ルールを守らなかったということなので、罰則を強化して不正を行うことへの抑止力を強化していくという二つの柱の改正は、しっかりやらなければいけないと考えている。

Q、政規法のすり合わせについて、与野党協議に乗せる前に、自公で一本化したものをテーブルに出すのか。すり合わせの場は、合同のPTなどを開催するのか。

石井)どういう形でやっていくかは、これからだ。まだ詳細に議論しているわけではない。方向性だけやっている。従来のいろいろなパターンからすると、それぞれ代表者が協議して、できれば一本化したいと思っている。

≪憲法改正≫

Q、岸田首相は総裁任期までに改憲すると公約に掲げているが。

石井)憲法改正には衆院と参院で、3分の2の多数で発議しなければならない。その上で、国民投票にかけるということで、非常に手続きを要する。特に、衆院は比較的議論が進んでいると思うが、参院での憲法審の議論は、まだまだこれからという状況であるので、そういうことを考えると、そう簡単なことではないと考えている。

以上


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