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○山口代表 定例記者会見 2024年1月16日(火)11時 @衆院第7控室

○山口代表 定例記者会見 2024年1月16日(火)11時 @衆院第7控室

 

【冒頭発言】

≪能登半島地震≫

 年頭に発生した令和6年能登半島地震から2週間が経過した。時々刻々と被災地の状況は変わってきているが、今なお避難生活を余儀なくされている方が1万6、7千人いるのが現状だ。孤立地域も解消には至っていない。そうした中で、これからの支援のあり方については、現地と政府が協力、連携し合いながら進めていくことが重要だ。

わが党としては、ネットワークを生かして地元の市議、町議と連携を取り、県議を中心に対策本部を現地につくり、国会議員と連携して、さまざまな情報収集や現地の調査・視察などを重ねてきた。その上で、12日には林官房長官に、その時点における要請を行ったところだ。そこで強調されたことは、避難所での生活支援もさることながら、2次避難を強力に推進する必要があるということだ。避難所での生活は、感染症のリスクがあり、寒冷地における暖房など安定的な居住条件と言い切れない状況がある。衛生面にも配慮しながら、助かった命が「災害関連死」などに至らないよう、より安定的な居住環境が整った2次避難先をいち早く確保して、十分な説明を尽くし、被災者が納得の上で避難できるよう政府に強力な推進を要請した。

岸田首相は14日に現場を視察した。首相自身が現場の実情を見て、被災者の声を聴いて、支援に当たる機関の状況を把握することは、とても重要なことだった。それらを通じて首相自身も2次避難の重要性を強調し、地元自治体と共に住民や避難された方々に説明しているところだ。また、安定的な2次避難先をかなり確保した上で、そうした対応に当たっていると聞いている。それに応じる動きも出てきた。ただ、被災された方は高齢者が多い。一定のコミュニティーの中での生活、人間関係の保持を望む人も多い。また、先の展望が必ずしも描ききれないなど、さまざまな不安をお持ちだと思う。それらに対して、先々がどうなるか、インフラ復旧や仮設住宅の入居、電気・ガス・水道の復旧の見通しなどを、できるだけ具体的に示していくことが重要だ。

公明党は従来の災害から、情報をきちんと提供することを重視してきた。例えば、視覚障がいのある人は情報の入手が極めて困難な状況に置かれがちだ。自治体で音声コードを使う実務が確立しているので、災害に関する情報についても音声コードを提供し、読み取りのアプリを無償で提供する。アプリ開発者の協力を得ながら、石川県と連携して情報の提供にも道を開いた。こうしたことも含めて今後、個々の被災者の状況に寄り添った支援が必要だと考えている。

政府としては、予備費の活用を図るということで、まずはプッシュ型支援で47億4000万円の使用を決定したが、首相が視察した上で、1000億円を超える予備費の活用を検討していると聞いている。さらには、その後のことを考えて2024年度予算案の予備費について、先の党首会談で増額修正することで理解をいただいたところだ。約1兆円に増額した上で24年度予算案として国会に提出できるよう準備していると聞いている。こうした政府の財政的な支援の見通しを示していくことも極めて重要だ。

また、われわれにできることとして、街頭での募金活動を民間団体と一緒に全国で展開している。私自身も14日に亀有駅頭で行った。道行く方々に呼び掛けると、反応は関心が高い。子どもからお年寄りまで、通りすがりの外国人まで募金に協力を頂いた。ぜひ全国で募金活動を行った、公明党の関わったものについては日本赤十字社に寄託して活用してもらう方向で進めていきたい。

また、斉藤鉄夫国土交通相が17日、現地の調査・視察に行くと聞いている。特にインフラ復旧が職務上、重要なテーマになっている。能登空港や、地形が大きく変化し、地震によって隆起した実情もある。道路が各地で寸断されている。また、港湾が破壊され、使用不可能になっているところもある。そうした基礎的なインフラの被災状況をつぶさに確認した上で、できるところから復旧を図っていく。また、全体の復旧・復興計画にも生かしていくという意味で、斉藤国交相の視察の成果を期待したい。

わが党としては引き続き、現地の議員と連携を深めながら、ネットワークを生かした寄り添った支援、新たなニーズに即応できるような支援を続けていきたい。


【質疑応答】

≪能登半島地震≫

Q、代表が被災地を視察する予定は。

山口)機会があれば、現地を訪れたいと思っているが、具体的に確定している状況ではない。時々刻々と変化をしている被災地の状況であるので、その時々の最も必要とされるニーズをしっかりと把握できるように機会をつくれれば良いなと思っている。現場の議員とよく連携を取っていきたいと思っている。

 

≪政治改革≫

Q、きょう、自民党の政治刷新本部は平場を開き、さまざまな意見が出るかと思う。どのような議論を望むか。

山口)自民党の政治刷新本部の平場の議論が行われるということなので、可能な限り、自民党の議員が多く参加して、それぞれの年末年始、地元でいろいろな声に接してきたと思うし、捜査が進展している状況もあるので、そうしたことを踏まえながら、自身の立場で活発に意見を述べていただくことを期待したい。特に、今回の問題の再発をどう防止するかという視点での議論の深まりを期待したいと思う。


Q、刷新本部のメンバーのうち安倍派9人が政治資金パーティーの収入が不記載だった疑いが出ている。岸田首相は交代させる考えを示していないが。

山口)派閥は自民党特有の取り組みであるので、それに関わるさまざまな行いがどう刷新本部で取り上げられていくかという観点で、自民党自身が問われている課題だ。そのことを意識した上で進めるべきだと思う。わが党は、派閥は作らない、もちろん、存在もしないので、派閥の現状、実情については、わが党は知見がないと言っても過言ではない。自民党自身が問われていることにしっかりと対応していただきたい。平場の議論で、全ての議員に発言の機会が与えられることなので大いにそのチャンスを生かしながら、実りある対応を期待したいと思う。今月中に中間取りまとめを行うことも岸田総裁として発信されているので、中間取りまとめができるような議論の深まりを期待したい。刷新本部のメンバーであろうと、平場で参加する議員であろうと、問われている状況は同じだと思う。中身をどう作り上げていくかが大切だと思っている。


Q、政治資金規正法の改正案について、現状、党内の調整状況は。代表としてどういった点が一番重要になってくるのか。

山口)公明党は、政治改革本部で石井幹事長を中心に議論を重ねている。国会の開会前にわが党の基本的な考え方を提案したい方向で議論を深めているので、今週取りまとめを進めながら、遅くとも来週の国会開会前に発表したいと思っている。これまでに中身のパーツになるような考え方は、私やその他の幹部から発信されている。それらをこれからの制度として、どう仕上げるかという観点で、わが党の取りまとめに生かされていくものと思う。

わが党に派閥はないし、作らない。派閥のあり方ということは自民党自身の課題だと思っている。わが党としては、政治資金規正法の内容についての提言が中心になると思う。方向としては透明化を強化するという取り組みが一つ。もう一つは、再発を防止するための透明化のルールを守らなかった場合の制裁・罰則の強化などによって抑止力を高める。こういう二つの方向性で、内容を検討していきたいと思っている。

これまで発信されているのは、政治資金パーティーの20万円を超える購入について、収支報告をすることになっているが、20万円という基準をもっと引き下げてはどうか。例えば、5万円の寄付の場合は、金額、相手先、寄付者について公表するルールがあるので、それに合わせてみたらどうか。こういう意見が出ている。また、現金でのパーティー券の購入、やりとりは原則やらない。原則、振り込みとして、購入のルートがきちんと分かる取り組みをすべきであるということ。あるいは、政策活動費として出されているものについては、使途、使い道を公表するよう義務付けたらどうかという提案である。

制裁の部分については、罰則の強化と共に、連座制を強める意見が出ているところだ。そのほかにも、収支報告書について、現状のままで良いかどうかをもっとオープンにできる仕組みができないか。例えば、オンラインで公表するとか。あるいは、提出前にチェックを受けられるような第三者機関を設置してはどうかといろいろな意見が出ている。最終的には、石井幹事長の下で案を取りまとめるということで、発表できるように整えたいと思う。


Q、どのように与野党で合意形成をめざしていくのか。

山口)最終的には、国会で合意をつくって、法改正に至る道筋を描いている。最大の課題は、衆院で過半数を持つ自民党が、どう改革案を作るかにかかっている。自民党抜きにして法改正はできない。自民党や野党の皆さんと議員立法で政治資金規正法を作り、改正も行っているので、政党間での合意形成のあり方については、与野党ともに、どうするかを話し合っていく必要があると思う。その手掛かりとして、わが党の提案は、ヒントにしてもらいたいと思っている。他の政党もいろいろな意見を出されるのではないかと思う。議員立法の課題であるので、これからの国会論戦で、直接、政府を相手に議論できるものではないという特性も踏まえた上で、政党間の合意形成の進め方について、一層、対話を進める必要があると思っている。


Q、多くの法律は、与党間協議で与党案をつくり、国会にかけるという順番が多いと思うが、政治資金規正法の改正についても、まずは与党間の協議を重視して進めるべきとの考えか。

山口)政治資金の問題については、今の政権交代可能な選挙制度という前提がある。現に、今の選挙制度の下で政権交代が複数回、起きているわけだ。そういう点では、与野党共通のルールであるので、与党として合意をして、政府に推進させるという一般の法律とは少し違った面があると思う。自民党と公明党で、与党で協議をするということは、もちろんあり得ると思うが、野党も含めて合意形成を図っていくというのが基本的な進め方ではないかと思う。


≪防衛装備移転≫

Q、国際共同開発した次期戦闘機の第三国への直接移転を巡り、政府は3月から始まる日英伊3カ国の政府間協議に影響を及ぼさないため、2月までに結論を出すよう与党に求めている。山口代表は以前、2月までという期間にとらわれる必要はないと発言したが、次期戦闘機の輸出を認めることは、政府間協議での交渉力の低下を上回るデメリットがあると考えているのか。

山口)政府自身が共同開発を決め、おととし暮れの時点で、第三国輸出は前提にしていなかったということだ。これは政府自身も認めているところだ。殺傷能力を持った武器・兵器を輸出しないというのが、わが国の基本的な進め方であったし、世論も圧倒的に支持している。現状でも、その状況だ。そうした前提を踏まえた時、政府が、なぜこれまでのあり方を変えるのかという説明が政党にも、国民にもなされていない。政府自身がどうするのかきちんと組み立てる必要があると思う。

また、今回の戦闘機の共同開発は、同盟関係にある日米間のあり方とは全く違った組み合わせでやるわけであるから、こういうことの変化に対する取り組みも、もっと基本的に掘り下げて考える必要があるのではないかと思う。そうした点で、政府として、きちんと対応すべきだと思っている。


≪八王子市長選≫

Q、政治とカネの問題が取り沙汰される中での選挙戦となるが、党としてどのように臨むか。

山口)公明党としては、既に候補者の推薦を決めているので、推薦した以上、他の推薦するグループと一緒に当選できるように全力を尽くす以外にない。


≪野党の動き≫

Q、日本維新の会と教育無償化を実現する会が、統一会派を組むと発表した。こうした野党の動きについて、どう受け止めているか。

山口)そうした野党の動きが出てきているということは報道などで承知しているが、野党の考え方や動きについて、一つ一つコメントする立場にはないと思うので、今後も注視しながら、国会運営にどう影響していくかを注視しながら、与党としての責任を果たせるように自公でしっかり結束して当たっていきたいと思っている。


≪台湾総統選≫

Q、中国が敵視する与党・民進党の頼清徳副総裁が勝利した。結果をどう受け止めているか。

山口)台湾の人々が選んだ総統ということであるので、その選挙の結果を尊重したいと思う。その上で、日本との関係では、経済や文化などについての実務的な関係が存在するので、これが安定的に進展するという今後の台湾のあり方を望みたいと思う。

 また、中国と台湾の関係について、1972年の国交正常化当時に日本として立場を表明したことは今も変わっていない。基本的には、対話によって平和的に、安定的に進められることを望んでいる。


以上

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