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『みねそう先生の免疫学はじめの一歩』note連載にあたり

TVやSNSでもお馴染み!峰 宗太郎先生の連載がスタートとなります!

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はじめまして,峰 宗太郎(みね そうたろう)です。

(twitterアカウント:https://twitter.com/minesoh


私は医師(病理専門医),薬剤師,博士(医学)として,今はウイルス学と免疫学にわたる基礎的な研究を行っています。免疫学の基礎的な研究だけではなく,ウイルスに感染される宿主としてのヒトの免疫の関わりなどを日々考えています。

本連載は,免疫学の初歩~入門をわかりやすくお伝えしていこうというものです。

振り返れば,私が薬学部生のころに,免疫学の勉強は成書でしかしようがないような状況でした。とても難解でなかなか取り組むのも難しいなと感じるところがあったのを覚えています。昨今では非常に読みやすくわかりやすく正確な免疫学の本も増えていますね。

そんななか,あえてこの連載を行う目的というのは,さらに間口を広く,気軽に免疫学に触れていただき,かつ,面白い最新の情報などにも触れていただきたいということがあります。

できるだけ正確性を失わず,しかし易しく,かつ読みやすくを心掛けて進めていきたいと考えています。

本連載は研修医や医療系の学生が主な読者ターゲットとなっております。
更新頻度は1〜2週に1度の予定です。
(2021. 4/28現在,峰先生のご多忙により難航しております。申し訳ありません。)
下記の構成のうち,「序章」と「1章」を無料マガジンにて公開いたします。

『みねそう先生の免疫学はじめの一歩』構成

序章
・免疫とは何だろうか
・免疫学の歴史オーバービュー

第1章:免疫学からみた基本事項
・免疫とはなんだろうか,アゲイン
・免疫細胞の種類とその機能
・獲得免疫とその仕組み
・自然免疫とその仕組み
・細菌感染症に対する免疫
・ウイルス感染症に対する免疫
・自己と非自己の認識

第2章:獲得免疫

・獲得免疫のしくみ
・液性免疫と細胞性免疫
・液性免疫のしくみ
・細胞性免疫のしくみ
・MHC
・免疫記憶
・寛容

第3章:自然免疫

・自然免疫とは
・登場人物
・補体
・TLR,RIG-I, サイトカイン
・炎症
・自然免疫と獲得免疫

第4章:免疫の異常と疾病

・アレルギー
・アレルギーの種類
・アナフィラキシー
・自己免疫疾患
・免疫不全
・先天性免疫不全
・後天性
・医原性

第5章:移植免疫

第6章:がん免疫

第7章:ワクチン

第8章:粘膜免疫・腸内細菌叢

第9章:免疫と治療

第10章:免疫生物学と分子生物学



峰先生より読者の皆さまへメッセージを頂戴しております,アゲイン!

改めまして,皆様はじめまして。峰 宗太郎です。

『みねそう先生の免疫学はじめの一歩』と題した連載を開始させていただくこととなりました。

内輪の話をばらしてしまいますと,本来は連載ではなく,書きおろしで同題名の免疫学の入門書を書くという話を…相当…まえに…いただいていた…のです……(息も絶え絶えな感じですが)。が,私の筆の遅さ(とにかくとりかからないという悪い癖)もあり,なかなかペース配分等(書き出さないわけですが)に困っていたところ,編集部より note の連載という形ではじめてみてはどうだろうかとご提案いただき,この度,連載を開始するという流れとなりました(正直に書きました,反省です)。

さて,そういうわけで,なんだか追い込まれて始まったような感じの連載と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,煮詰まっていた分,準備はしっかりしてあります(開き直りです)。
免疫学の基礎的な分野の最新の動向から,他の読みやすくわかりやすい免疫学の入門書まで,いろいろと2年間リサーチしておりました(2年間筆が進まなかったということです)。

本連載では,免疫学や分子生物学等のバックグラウンド,基礎知識がそれほどない方であっても,まずは読み進められることを目指し,わかりやすく免疫について書いていきたいと考えています。
「はじめの一歩」として,そこで躓くことがないようにしたい,と思うのです。

一方,免疫学は非常に広く深い分野であり,研究の最前線では日々新しい発見があり大きく「常識」が変わったり,情報が容易に陳腐化したりしています。そういったこともしっかり横目にみながら,免疫についてよりよく知りたい方のための役に立つような,そういった,正確性を失わず,応用性のような内容も盛り込んでいきたいと思っています。
これは,「はじめの一歩」が「最後の一歩」にならないように,「次の一歩」に確実につながるものを目指したいということです。

私が免疫学にはじめてふれたのは薬学部生をしていた20年ほど前のことです。当時,有機化学の方が好きだった私にとって,生物学にはまりこむきっかけとなったのが免疫学でした。免疫は分子生物学的な細かく精緻な機構を元にして,さまざまな細胞や成分がかかわり,整然と,さらにダイナミックに振舞うシステムとして非常に巧妙にできています。新しいキャラクターや仕組みを学ぶことが本当に楽しく,驚きの連続であったことを今でも覚えています。
そして,その後も免疫学はどんどんと進展しており,その範囲は広がり続けています。
多くの生物学上の有名な発見も免疫学の分野でもなされており,生物というものへの理解や,実験上・臨床上の応用も多くなされています。ノーベル賞も多く出ている分野であり,非常に多くの研究者が取り組んできている壮大な分野であることも間違いありません。

このような免疫学という面白くも結構難しい分野について,是非一緒にゆっくりと考えながら(原稿が間に合わないという意味ではないです),見ていければと思っています。

note における連載で皆さまからもご意見をいただきつつ,免疫に興味をもってこれから勉強を始めようと考えておられる方にとって,踏み出しやすく,助走としやすい,第一歩となる連載となることを願っています。

それではみなさまどうぞお付き合いの程,宜しくお願い申し上げます。


2021年3月4日
峰 宗太郎

(note連載第1回に続く)

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