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SPI通信 -JASPIC 20周年記念新聞-

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JASPIC20周年を記念した期間限定の広報誌です。第1号が新聞だったので、新聞という名前ですが、マガジンで再出発です。
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記事一覧

編集後記

JASPIC 20周年記念新聞「SPI通信」をご愛読いただき、ありがとうございます。2019年10月に紙の新聞として発行して以来、新型コロナの影響などもあり、noteの場で記事を掲載してきました。 エッセイや4コマ漫画、SPI Japanの紹介など、皆さんに楽しんでいただけるよう情報発信をしてきたつもりです。「JASPIC 20周年記念」と名付けているように、もともと期間限定での記事の掲載を予定しており、この編集後記をもちまして「SPI通信」の記事の掲載は終了します。 2

こんにちは 運営委員長です。-3-

令和の時代は、 新型コロナウイルスとの戦いで幕を開けました。ウイルスは、蛋白質の外殻、内部に遺伝子(DNA、RNA)を持っただけの単純な構造の微生物で、細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。 従ってウイルス単独では生存できず、生きた細胞の中でしか増殖できないので、寄生した宿主を殺してしまうと自らも死に至るわけです。そのため、増殖中に変異する過程で、感染力が強く、かつ宿主を殺さない性質のウイルスが生き残る傾向があり、過去にインフルエンザがそ

自分たちの活動をモデル化しよう!他の人のモデルを活用してみよう!

~「自信-謙虚-努力」モデルの紹介~  SPIコミュニティの皆さんに伝えたいことは沢山ありますが、今日はモデル化の話をしたいと思います。CMMIやISO 9001などのモデルを活用してみることも大切ですが、一方で、自分たちの活動をモデル化してみることも重要です。応用が利くようになり、また別の人が類似の文脈で活用できるかもしれないからです。つまり、知識資産になるわけです。  その意味で安倍氏のモデル活用に関する記事(20周年記念新聞 リレーエッセイ)に心から賛同しました。全

標準プロセスのさじ加減に悩む

1988年、プロセスを定義するという話を初めて耳にして、そんなバカなこと!と思いました。仕事のやり方は自分で決める! そう思いました。いま思えば、Leon Osterweil のプロセスプログラミングに対する誤った理解に基づいて、プロセスというものを、自由度の全くない作業指示書のように捉えていたからなのだと思います。 プロセスは基本的に入力と出力と処理からなります。要求仕様という入力からアーキテクチャ設計という出力を作る仕事はプロセスと捉えられます。ではどうやって作るの?と

SPI Japan 2021 の 歩き方 番外編 基調講演の歴史

今週10月6日~8日に開催されるソフトウェア改善カンファレンス『SPI Japan 2021』に先立ち、歴代の基調講演をご紹介します。 (SPI Japan 2021 歩き方 No.2 で、1日目(10/6)に実施する「基調講演」の紹介をしています) 歴代の基調講演内容その時々の時代背景やSPI Japanのテーマに合わせて、基調講演を実施してきました。(※ご講演者の所属は講演当時のものです) エピソード紹介(ご講演者が...)歴代の基調講演企画・運営における最大のエピソ

~学びの大事さ~ 歳をとって、あとからわかること

~モデルに学ぶ~私が、プロセス改善の世界に入ったのは、2002年頃であったと思います。大学を卒業し、サラリーマンになってから、20年ほど、技術者として製品の量産開発や研究試作品の開発や海外製品の生活研究などを担当していました。 それが、突然、上司から“SPIという仕事の話があるねんけど、やってみる?”と電話がありました。“SPI”ってなに?でした。 実際に担当してみると、全社的にSW-CMMを取り上げ、プロセス改善を進めるということがわかりました。さらに、アセスメントもす

No.3 令和の花形!AI使いの未来

【漫画の解説】  こんにちは、「ぶん」です。JASPICの20周年記念誌発行でスタートした4コマ漫画はついに3作目となり、今回は昭和、平成に続く令和のテイストで制作しました。  平成から令和の時代、ネットワークの発展、通信の高速化、CPUの処理能力の飛躍的な向上があり、世界中の多くの人がスマートフォンを持つようになりました。クラウド上の新しいサービスが次々に生まれ、SNSには日々大量のデータが蓄積され、そのビッグデータをAI(人工知能)が学習して動向分析・判断・提案などを

SPI Japan 2021 の 歩き方 No.4

今日は、3日目(10月8日 金曜日)の内容を紹介します。 参加者募集締め切りが迫ってます。お急ぎください。 3日目:10月8日(金) 10:00-16:00◆トーク&納得セッション聴くだけの一方通行ではなく、双方向の会話やワークショップで「納得感」をお持ち帰りいただく「トーク&納得セッション」をオンラインで開催します。JASPICの主要な活動の一つである「分科会」の研究内容や成果をいかしたワークショップ2つと、複数の分科会の活動紹介セッションをご用意しました。 テーマ①:

SPI Japan 2021 の 歩き方 No.3

今日は、2日目(10月7日 木曜日)の内容を紹介します。 2日目:10月7日(木)10:00~17:30◆一般発表ソフトウェアプロセス改善や品質保証、プロジェクト管理などにかかわる方の活動事例の発表です。ベストプラクティスだけでなく失敗事例や泥臭い地道な活動など、具体的かつリアルな生の現場の様子がうかがえ、そのエッセンスはみなさまの活動にいかしていただけるものと思います。 今回は「プロジェクトマネジメント」「組織変革・人材育成」「プロセス改善」「アジャイル」「エンジニアリ

SPI Japan 2021 の 歩き方 No.2

本記事では、1日目(10月6日 水曜日)の内容を紹介します。 1日目:10月6日(水)13:00~17:30◆基調講演SPI Japan オープニング直後の恒例となっている基調講演に、小野 和俊 氏にご登壇いただきます。 デジタル化が進む今の時代に必要な“カイゼン”についてのお話しは、みなさんのこれからに役立つ知識を与えてくれることでしょう。 タイトル:デジタル時代に求められる“カイゼン”とは 講演者:小野 和俊 氏 (株式会社クレディセゾン 取締役兼専務執行役員CTO

SPI Japan 2021 の 歩き方 No.1

毎年恒例のJASPIC主催のソフトウェア改善カンファレンス『SPI Japan 2021』がオンラインで開催(2021年10月6日~8日)されます。 ここでは4回にわたり、SPI Japan 2021の魅力をお伝えします。 SPI Japan 2021のテーマは、「いかす」 ~新たな時代に“カイゼン”の力を~ です。 我々を取り巻く環境は、Society5.0 や DX などによる変革に加えて、新型コロナウィルスの影響で新様式(ニューノーマル)の社会に向けて、急激な変化

こんにちは 運営委員長です。-2-

お陰様で、SPI通信も第2号を発行することができました(注:紙の新聞発行予定時の記事です)。 今回は、平成12年に産声を上げた日本SPIコンソーシアムの活動をヘイセイに振り返ってみたいと思います。 平成12年と言えば、パソコンのOSとして、マイクロソフト社がWindowsXPを発売する1年前で、まだ98やMe(忘れていると思いますが)が、巷に溢れていた時代です。勿論、アップル社からiPhoneが発売される7年も前のことなので、スマホではなくガラケーを皆が持ち歩いていました

No.2 監査員はポーカーフェイスで

【漫画の解説】  こんにちは、「ぶん」です。4コマ漫画は、JASPICの20周年記念誌の3部作に、昭和、平成、令和の各テイストで掲載し、20年の時の流れを感じるようにとの依頼でスタートしました。  ところが、新型コロナウィルスの感染が拡大し、1号(紙面)の後、なかなか発行できない期間が続き、ようやくデジタル化して2号の発行になりました。まずは3部作まで、当初予定のとおりにしようと、今回は平成テイストで作成しました。  ときは平成の真っ只中、SW-CMMからCMMIにバージ

新しくなったCMMI

 SPI(ソフトウェアプロセス改善)のコミュニティにおいて、組織のプロセス改善モデルとしてもっとも良く知られているモデルの一つが「CMMI(能力成熟度モデル統合)」である。1990年代の「ソフトウェアCMM」モデル以来、形を変えつつ四半世紀以上にわたって全世界で活用されてきた。そのCMMIが、2018年3月に新世代のV2.0として大幅に改訂された。2019年6月には日本語の公式訳もリリースされ、日本でも本格的に活用できるようになっている。JASPICは今回も日本語化の活動を支