【どこでも住めるとしたら】犯罪の無い世界

アニメ『PSYCHO-PASS』の世界に憧れる――​。

最近、実家の両親へ宅急便や通販の購入品を送ったと連絡をすると「何日の何時に、何ていう業者が届けてくるか教えて」と返信が来る。
今までは大体の日数で良かった。
けれど昨今ニュースになっている『押し込み強盗』を恐れており、防犯の為にも来訪者の到着日時を正確に知っておきたいそうだ。

私は結構な頻度で帰省するし、兄も仕事の都合で近くに行けば用事がなくとも実家へ寄る様にしている。それでも、毎日ではない。

ただ平和に老後を過ごしたいだけなのに、他にも心配すべき事はいっぱいあるのに、何件も起きている犯罪のニュースを見ると、自分の身や家族にも起きるんじゃないかと心配をしてしまう。

アニメ『PSYCHO-PASS​』は、ざっくり言うと「予測逮捕」であり犯罪を犯していない人間の「犯罪係数」をAIが測定し、規定値を越えれば「潜在犯」として裁かれるというストーリーだ。

アニメの設定ではあるが、現実にイギリスでは犯罪を未然に防ぐ為の人工知能を開発し、犯罪予測を立てるテストをしているとニュースで見た。

幸せな事に私はこの歳になるまで大きな犯罪や事故に巻き込まれる事なく、平和に生きて来れた。しかし歳を重ねれば重ねる程、ニュースで見る犯罪は巧妙になって行き、いつかそれに巻き込まれるのではないかという恐怖は常にある。それは、自分なら何とか回避できそうだと思っても、歳を取っている両親は大丈夫だろうかと心配になる。

アニメ『PSYCHO-PASS​』の世界は、犯罪を未然に防ぐけれど、それでも問題が起きているから作品として面白いのであり、そこまで真似て欲しい訳ではないが、やはり『犯罪を未然に防げる』と言うのはとても魅力的であり、そんな世界に住めたら…と思う。

私は人生で8回引っ越しを経験している。
東京に暮らしていた時もあった。
けれど、現在住んでいる場所は過去住んでいた8カ所の中でダントツに「交通の治安」が悪い。
悪いなんてもんじゃない、世も末だと感じる。

横断歩道が青になり渡り始めていたら、私を轢かんばかりの勢いで信号無視をした爆速の車。私なら避けれるけど、小さい子供や障がい者、高齢者ならどうだろう…

「信号が変わりかけていて、赤信号で進んでしまった車」なら普通なのかもしれないが、人を轢く前提で横断歩道に突っ込んでくる車は、此処に住んで初めてみた。

これは「交通事故」なんかじゃない。
立派な「殺人事件」だ。

そして驚くべき事に、別の交差点の赤信号を平気で進んだもう一台はタクシーだった。信号に緑の矢印なんてない。

右足の太ももに車が掠りそうになったあの日の夜の恐怖を、私は絶対に忘れない。
仕事柄どうしても帰宅は遅くなる。朝はともかく、夜はその道を通らない事に決めている。帰宅が遠回りになるけれど二度と通らない。そんな危ない事が一体何回あっただろうか…。

青信号が点滅していたらもともと渡らない性格だったが、最近では「そろそろ変わるかも知れない」と思う信号は青でも渡らない。横断中に点滅したら走り出す。
一度怖い思いをした道は通らない。夜は懐中電灯を持って歩く。車がいたら先に行かせる。私が気を付けているのはこんなもんだろうか。

しかし歩行者が車を優先させるのは違反だと最近ニュースで知った。いやいや、わざわざ小走りしなきゃいけないなら先に行ってくれと万年歩行者の私は思う訳です。

それでも優しいドライバーも居る。遭遇すると吃驚する。私が足を止めて「お先にどうぞ」と手で合図を送っても、車のライトを消して横断を譲ってくれる人もいるんです。優しい人もいる。それは解る。嬉しい。

ただただ親切が嬉しい。「車が通るぞテメェ(歩行者)が避けろ」みたいなドライバーとの差が激しすぎて眩暈が起きる。交差点なんて無くなってしまえばいいのに。

パトカーが走って居ればスピードを落とすドライバーがいっぱいいるんだから、そこかしこにパトカーを置いといてくれないだろうか、と思う。まるで学校の廊下を走っていた子供が、先生を見かけて慌てて走るのを辞めるのと一緒だね。

警察でも先生でも人工知能でも何でもいい。
犯罪を未然に防げる世界があるといい――。


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