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インターネットは学校に来た”お客様”か

避難訓練

 「学校にお客様がいらっしゃいました」
これは小学生時代、僕の学校に不審者が侵入した際の隠語であり校内放送で流れた場合、速やかに避難を開始するという訓練を行っていました。この記事を読んでいただいた方々にも、似たような経験はないでしょうか?
 今回は、そんな学校(子どもたちの下)にやってきたインターネットが何者かを、以下の記事を読んだ後に考えてみました。

https://toyokeizai.net/articles/-/403770

この記事の参考文献:Impact of frequency of internet use on development of brain structures and verbal intelligence: Longitudinal analyses.
リンク:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/hbm.24286

やばいよやばいよ~

 記事によると、インターネットの利用時間が多くなると、そうでない場合と比較して脳の成長が遅れ、3年分程度の差がつくそうです。言ってみれば、小3程度の知能の小6の子がいるようなものです。これは、誰が見ても脅威と感じるでしょう。
この記事の参考文献を読むと、完璧な統計ではないものの有意なものであり、それも考慮してもインターネットの過剰使用は子どもたちに対しての脅威となるのは間違いないでしょう。しかし、間違えてはいけないのがインターネットが脅威なのではなく、脅威になる可能性があるということです。

とはいえ、近年教育のIT化とIoT化が進み、教科書としてタブレットを導入したり、学校の設備ではできない理科実験をオンラインで視聴したり、また新たな教科としてプログラミング学習も導入され始め、児童とインターネットの関係は切っても切れないものになっています。更に、文科省は全国的な教科書のタブレット化やプログラミング教育を推し進めており、また新型コロナウイルスによるオンライン授業の必要を迫られるなどの影響で、奇しくもその速度は上昇しています。

とも言い切れねぇだろ!

 単純に「インターネット=脅威もしくは悪」また「インターネット=善」と考えている人は、アレルギーと中毒です。これだけは断言できます(笑)。
大事なのは、インターネットを有効に使う方法を身につけることで、インターネットを味方にすることができます。ただ使う(動画閲覧やSNSなど)だけでは、それこそ脳の成長を妨げるだけです。

やはり、義務教育段階でインターネットを自身の成長に使う方法を学ぶことが一番簡単な方法だと思います。今は、ネットを幼少期に触れてこなかった世代が殆どで、そういう人間が問題を起こし、次代への課題を残していると思います。その経験を糧として今の子供達には、新しく適切なインターネットを構築していかなければなりません。

心に夢を君には愛を

 個人的には、教育のIT化は賛成寄りです。
教科書をタブレットに集約することで、教科書忘れや増加し続けている荷物の重量に歯止めをかけ、それによる健康被害の防止は確実にIT化の恩恵として享受できるはずです。テストを行う場合、大事なときは筆記だとしても、普段の確認のための小テストなどをオンラインで行えば、教師は児童一人一人の習得度合いや、得意不得意の傾向をより正確に知ることができ、今後に活かすことが可能になります。教育上不適切なサイトなどの不安は、校内ネットワークはファイアウォール等を設定することで、教師たちの目が届く安全なLANを構築することで解消できます。

 しかし一方で、現実に経験できるものであれば実際に経験させたほうが絶対にいいと思っているのも事実です。
この世に紙という物体が存在する限り、「紙の本」というものは絶滅しないはずです。その「紙の本」「触る・めくる」という質量的な経験や、その日に必要な物の取捨選択しランドセル(もしくはカバン)に詰めて準備するといったことも経験としてさせるべきだと考えます。大事なのは自分で考え、行動する体験をすることです

インターネットは自分の手足や目、耳の延長であり、決して脳の延長ではありません。インターネットを適切に使用できているかどうかは、そこでわかると思います。実際に手に入れられない資料や本、資金がなければ見れない場所や景色、芸術作品、そこでしか聴けない音や音楽など100%ではないものの、ほぼ同等の体験ができるものはどんどん活用すべきですが、問題に直面した際に、自分で考える前に検索機能を利用するのは断固止めるべきです。
そういったことを踏まえて、ネットリテラシーと物理的・感覚的に触れる経験をさせてあげることが、今後の教育で重要になっていくと考えています。

悪くないだろう。ピューウ♪

 結論、学校において学校というファイアウォールを正規ルートで入ってきたインターネットは”お客様”であり、不正に侵入してきたインターネットが”不審者”とすれば、その中では子どもたちが伸び伸びとインターネットを利用し、より多くの経験を重ねることができます。

今の子どもたちには、新しいインターネットを作り上げてもらいたい。

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