Q.広沢さん、福岡の暮らしはどうですか?
積み重ねてきたことを、
形にしていける時期が来たと思う。
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伊藤 東京から福岡に移り住んで、何年になるんですか?
広沢 今年3月から14年目に入りました。
伊藤 ご結婚を機にした移住でしたよね?
広沢 そうなんですよ。たまたま福岡の人と結婚して、息子がお腹にいる時に引っ越して来ました。
伊藤 世の中的には、今ほど、“移住”や“2拠点”とかのムーブメントがそこまで大きくない時ですよね。
広沢 そうですね。まだ震災前で。当時周りからは「東京に拠点を残した方が良い」って、すごく言われたんですけど、その時はあまり深く考えてなくて、行ったり来たりしても良いかな?くらいの感じでした。福岡には以前からよく訪れていたので、そんなに不安を感じる土地でもなくて。
伊藤 その頃、広沢さんは東京でバリバリと料理の仕事をやっていたじゃないですか。そこに後ろ髪を引かれたりはしなかったですか?
広沢 今までと同じ仕事はできないかもしれないなあとは漠然と思っていたんですけど、それよりも、新たな人生を歩む……、いや、そこまでも考えてないですね(笑)。結構、ふわっとした感じで移ってきたから、その後に“移住”がもてはやされるようになって、世の中が変わったことの方にむしろびっくりしました。
伊藤 自分のテンションと違うから?
広沢 そう。都心部から1時間圏内の場所で土地を探して、美味しいものがあったら良いなくらいの感じで、糸島に住むことを決めたのに、突然、“移住者”っていうカテゴリーに入れられて……(苦笑)。
伊藤 急にね、レッテルをね。
広沢 そんなに意識高く移って来たわけじゃないから、ちょっと戸惑いました(笑)。
伊藤 僕の勝手な印象ですが、広沢さんはものすごいマイペースというか、あくせくするわけでもなく、仕事もきちんとされているじゃないですか。今、生活のリズムとしてはどうなんですか?
広沢 やっとエンジンがかかってきて、これでも仕事モードになってきました(笑)。福岡に来てから、子育ての不安の方が大きかったから、ずっと子供中心のリズムでやってきたんですよね。糸島に移ってからもずっと自分の生活とか仕事よりも“母になること”に必死だった気がします。それからだんだん自由に身動きが取れるようになってきて、うちは一人息子だし、いつかは親離れもするだろうなと思った時に、大した母ちゃんじゃないけど、今のうちに自分の立ち位置をしっかり作っておかなきゃまずい、と考えるようになったんですよね。子供にしがみついてちゃいけないというか。そう考え始めた頃にアトリエの物件が見つかったり、旧天神イムズの三菱地所アルティアムでの《jikijiki展》のお話をいただいたりと、いろんなタイミングがピタッと一致して、「これはもうお導きだ!」という感じで、2020年の3月からアトリエ《kichi》を始めたんです。ちょうどコロナと一緒のスタートになっちゃったんですけど、コロナを言い訳に、私の中では良い意味で助走期間を作れた気がしていて。2021年に料理教室《jiki jiki lesson》を始めて、今年はさらに頑張ろうと思っています。
伊藤 広沢さん的にエンジンがかかると、何が一番変わるんですか?
広沢 スケジュールの考え方ですかね。今まで中心にしていたのは家のこととか、息子の野球とか……。
伊藤 息子さん、野球少年ですもんね(笑)。
広沢 でも今は、仕事のスケジュールを優先して入れていくぞ!みたいな気持ちでいますよ。
伊藤 それがかなり久しぶりってことですよね。13年ぶり?
広沢 そうですね。ただそんな中でも、お母さんをやりながら、生産者さんたちとの繋がりもゆっくりと重ねていくことができたので、お互いにきちんと信頼関係が築けたなと思えていて。この積み重ねてきたことを、自信を持って形にしていける時期が来たのかなと思っています。
“伝える”こと、
“繋ぐ”ことが自分の役割。
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伊藤 今、具体的には何をやっているんですか?
広沢 まずは《kichi》をしっかり動かさねばっていうのがあって、主に料理教室《jikijiki lesson》をやりながら、生産者さんを呼んでイベントをやったりしています。外に出て行く仕事と同時に、《kichi》をベースにした発信もしっかりやっていきたいなという感じです。
伊藤 東京でやっていた仕事と、福岡での仕事で違いはありますか?
広沢 東京では雑誌や本などの紙媒体がメインだったので、福岡でやっていることとはちょっと違いますね。今はある程度、住んでいる場所に左右されずに仕事ができるようになったとはいえ、それでも東京でしかできない仕事はやっぱりあって。東京に拠点を残しておいた方が良いと言われたのは、そういう意味もあったんだろうとは思うんですけど。とくに最初の3年くらいは必死だったから、福岡の良さがわからなくなっちゃった時期があって、東京に帰りたいなって思ったこともあります。
伊藤 広沢さんにとって福岡は、最初は生きやすいとか仕事しやすい場所ではなかったんですね。
広沢 私も目線が変わったんでしょうね。今はもう東京でバリバリ働きたいみたいなことはあまり求めなくなったというか。
伊藤 世代的な話でもありますよね。もうそっちは良いかな、みたいな。
広沢 そう。もちろん必要とされることがあれば全力でやりたいとは思いますけどね。あとはやっぱり、地方にいたら仕事を待っているだけではダメじゃないですか。自分から発生する仕事を作っていこうとする中で、今のような生産者さんの思いを届けることだったり、“伝える仕事”みたいな自分の役割が見えてきたのかなって気持ちはあります。
伊藤 その“伝える仕事”に関して、リテラシーと言うと非常に嫌な言葉に聞こえるんですが、東京は大きいからある程度の少ない言語でも伝わる人が集まって来てくれると思うんですが、地方になるともっとわかりやすくしないと咀嚼してくれないみたいなところってありません?
広沢 東京と比べたら、そういうところはあるかもしれませんね。ただ福岡の人はマスなものにはもちろん飛びつくんだけど、それと同時に口コミレベルの伝染力も強い気がしています。すごく小さな受け渡しみたいなことも、しっかり受け取ってくれるんですよね。こちらもマスな発信だけでは伝えきれない部分があるし、それってやっぱり、福岡にいながらじゃないとできない仕事だったりしません?
伊藤 確かに。東京にいながら福岡の仕事をするのとは全然違いますよね。
広沢 そういう気質がわかってから、福岡にいることがしっくりくるようになった気がするんですよね。
伊藤 仕事をする中で、福岡のために何かをしようみたいな意識はありますか?
広沢 う〜ん……、そこまでは到達していないというか、まだおこがましいという感じです。ようやく「福岡県民です」って言えるようになってきたくらいなので(笑)。ただ、私が間に入って福岡の人と東京の人を繋ぐとか、本当に良いものを作っている人たちの力になれることがあるんだったら、還元したいなとは思っていますね。
伊藤 何かできそうなことは見えてきたんですね。
広沢 ゴールが何かはまだわかっていないですけど、仕事というよりは活動ですね。1回で終わる関係性じゃなくて、この先何か作っていけそうな繋がりは増えてきていると思います。
門は開いているけど
最後の扉の鍵が小さくて開かない。
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伊藤 広沢さんって、人当たりは優しいけど、すごいシビアというか(笑)、なんかそんな感じがするんですよね。誰でもウェルカムってわけじゃないですよね。
広沢 それ、子供の頃から結構言われています(笑)。門は開いているんですけど、最後の扉の鍵が小さくて開かないみたいな(笑)。
伊藤 でも、逆に開いたら……。
広沢 そうなんですよ。用心深いんですけど、開いてしまったらしつこいです(笑)。
伊藤 こういう言い方も変ですが、なかなか鍵が開かないわりに、仕事がずっと途切れないですよね。コツは何なんですか?全フリーランスが聞きたいと思うんですが。適度な距離感が良いのかな?
広沢 それはあるかもですね。福岡に来た当初も、息子が赤ちゃんだったから夜のお付き合いとかもできないし、つるみようがなかったですしね。糸島と福岡の市街地って距離があるから、新しくお店をオープンしたというお知らせが来ても、行けるタイミングが難しくて。オープンして1年半くらい経ってお祝いに訪問して、「ずっと行きたいと思っていたんですけど、すみません」みたいなことがよくあります。意外と人も知らないんですよね。「〇〇さん知っているでしょ?」って言われても、「あー……」っていつもなっちゃう(笑)。
伊藤 広沢さんはどこにも属していない印象はありますよね。
広沢 結果的には自分のペースを保てたので、それが良かったのかなと思います。
自分の直感を大事にしたい。
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伊藤 レッスンやイベントに来るのはどういう人が多いんですか?
広沢 本当にさまざまです。主婦の皆さんや大学生もいるし、夜の部は仕事帰りの方が多いように思います。基本は福岡の人が多いですけど、佐賀とか他県から来てくださる人もいらっしゃるし、年齢もバラバラで、ちょっと上の世代の方もいらっしゃいます。どうやって知ってくださっているのか不思議なくらいで。
伊藤 インスタとか?
広沢 そんな頻繁に更新していないですけどね……。
伊藤 それこそ、エンジンがかかってきたってことは、スタッフを雇ったりするんですか?そうすれば、アトリエの運営やSNSの更新もスムーズになりますよね。
広沢 それは大きな課題です。基本的にずっと一人でやってきたから、スタッフがたくさんいるとか想像できなくて。前は夜のレッスンもしていたんですけど、終わった後に掃除をして、糸島に帰ると、もうすごい時間なんですよ。ワンオペの大変さは十分わかっているので、これからもっと活動の幅を広げていくには、人手が絶対に必要なんですけど、それが本当にやりたいかと考えると……。
伊藤 自問自答しますよね。
広沢 東京だと掛け持ちでアシスタントをしている人も多いから、スタッフをシェアしたりとかもやりやすいんですけど、福岡だと「今日だけ来て」とか、こちらの都合の良いように来てくれる人はなかなかいないですよね。
伊藤 とは言っても、やりたいことはどんどん増えますよね?
広沢 そう。だから、その覚悟を決める時なのかなと。
伊藤 じゃあ、雇いますか。
広沢 でも、こればっかりはご縁ですよね。今、手伝ってくれている子も、もともと東京にいて、今は糸島に住んでいるんですよ。そんな感じで出会いがあれば良いですね。
伊藤 福岡がどんどん変わっていく中で、広沢さんの立ち位置だったり、求められる場面が増えていくんじゃないかと僕は思っているんですが、何か予兆はありますか?
広沢 それは全然ないですね。
伊藤 本当ですか?すごいありそうな気がするんですが。
広沢 それ、どこにありますかね(笑)?
伊藤 わかんないけど、広沢さんっていう存在がもっとバレちゃったら、大変そうですよ。今の福岡の再開発はライフスタイルや生き方がテーマになっている部分が大きくて、そうした時に広沢さんのような人は需要があるし、声が掛かることが多そうだなって勝手に思いました。きっと嫌だろうなあってことも含めて(笑)。
広沢 でもたぶん、大丈夫だと思います(笑)。
伊藤 なかなか鍵が開かないですしね。
広沢 (笑)。できないことはできないですよね。何かお話をいただいた時に、感じることってあるじゃないですか。そういう自分の直感を大事にしたいと思っています。挑戦はすごくしたいんですよ、矛盾しているけど。でも、苦手なことを今からやるより、得意な人にやってもらった方が絶対的にうまくいくんじゃないかなって思うから、得意な人を一緒に探す方が多いかもです。
伊藤 確かに、相談を受けた時、「あの人、良いんじゃない?」とかよく言っていますよね。
広沢 まあ、でもね、マスなことも自分でやるように頑張ろうとはしているんですよ。これでも(笑)。
ただ料理を作るのではなく、
リアルを伝える。
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伊藤 料理教室《jiki jiki lesson》はインスタで告知を見て、連絡したら通えるんですか?
広沢 そうですね。募集していますよ。
伊藤 どのくらいの頻度でやっているんですか?
広沢 大体1ヶ月に2週やっていて、水・木とか、連続で開催することが多いです。レッスンの前の日に必ず生産者さんのところに食材を取りに行くようにしているので、日程をわけるのがなかなか難しくて。ずっと続けていきたいから、続けていける方法を考えた時に、今のスタイルでとりあえず落ち着いているという感じです。前はもっとハードなスケジュールを組んでいたので、1回腰が砕けそうになったりして、さすがにやばいなってなって(笑)。
伊藤 直に生産者さんのところに行けるのは良いですよね。
広沢 やっていて自分も楽しいんですよね。ただ料理を作るだけではなくて、もっとリアルなところを伝えられるので。野菜は多めに仕入れて、販売もしています。本当はもっとそこに力を入れたいんです。コロナで教室ができなくなった時期は、取りに来られる人にだけ野菜を販売するっていうのをやっていたんですけど、予想以上に買いに来てくださって。みんな美味しい野菜を食べたいんだってことを改めて実感しましたね。
伊藤 僕は料理教室に行ったことがないからどんな感じかわからないんですけど、大体いつも同じメンバーで埋まるんですか?
広沢 そういうわけでもないです。年間ではなく、その都度募集するので、一度来てくださった生徒さんには次もこちらからお知らせするんですけど、それでも毎回初めての方が4割くらいはいらっしゃいます。
伊藤 毎回生徒さんを募集するのも結構大変じゃないですか?
広沢 でもそこはちゃんとやりたいなと思っています。と言うのも、大人がゆっくりできる場所って意外とないんですよ。自分も大人になって思うんですけど、結局行くところがなくて公園とかに行っちゃう。だから《kichi》には、プライベート邸宅のような感覚で、できるだけ多くの人に来てもらいたいなと思っています。
伊藤 ちょっとわかる気がします。なぜそういう場所がないんでしょうね。
広沢 昔は街が落ち着ける場所だったけど、自分の年齢が上がってきたせいか、街にそれが見出せなくなってきて。
伊藤 それもわかります。街に新しくできるものとか真ん中にあるものが、明らかに僕ら世代よりも下をターゲットにしている。
広沢 キラキラしている感じ(笑)。
伊藤 でも若い世代って本当に移ろいやすいから、そこを目掛けて事を起こすのは逆にすごいと思う。僕らをターゲットにした方が長く稼げるのになあと思ったりします。そういう意味では《kichi》は良い場所ですよね。
広沢 一応、《kichi》は飲食店の許可も取っているんですよ。
伊藤 えー!すごい。なんか、誰にも教えたくない(笑)。
広沢 (笑)。でもだからと言ってお店をやるのも……、どうしようかなっていうのもあって。
伊藤 場所があるのは本当に良いことですよね。ここは広さもあるし。
広沢 そう、場所って大事で。どうしても家だと、やっぱり家なんですよね。自分の気持ちの切り替えもそうだし、仕事上のことでも支障が出てくる。アトリエがあると人が集まれるし、ここがあるからこういうことをやってみようっていうアイデアがいろいろ出てくる。
みんなの怒りや悲しみが
負のエネルギーになっている。
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伊藤 最近の福岡についてどう思っていますか?
広沢 再開発が進んでいて、街全体で“壊す”タイミングを合わせているんでしょうけど、「あそこもなくなっちゃうんだ」っていう、みんなの怒りとか悲しみみたいなものが負のエネルギーになっている気がします。循環して新しくなっていくっていうのは今までもずっとあったことだと思うけど、どこに行っても開発、開発となると、ちょっとどうなのかなって思っちゃいますね。
伊藤 ビッグバンとか言って、集中させるのではなく、分散させればよかったのかもしれませんね。
広沢 ね!それが目玉だったんだろうけど、一部の人にとって楽しく思えない状況になってしまっているとしたら、ちょっと残念かも。
伊藤 では、負のエネルギーとは逆に福岡の好きなところはどこですか?
広沢 福岡の人の祭り気質が好きです。九州男児たるや、みたいな世界がちゃんと残っているムードが良いですよね。私も祭りが好きで、山笠も、唐津くんちも、東長寺の節分も、ずっと毎年家族で行っているんです。普段はみんなバラバラに過ごしているけど、祭りが唯一、絶対的な家族の共通項になっています。あと、地元愛が強いのも福岡の人の羨ましいところ。私は千葉県の新興住宅地で育ったから、全然、愛県心がなくて、大学生の頃、福岡出身の子が「今は東京にいるけど最終的には福岡に帰ります」ってずっと言っているのを聞いていて、「何てことを!」と思ったのをすごい覚えているんですよね。それだけ街に魅力があるってことだと思います。うどん屋さんなら私はここ、僕はここって感じで、小さな自分のお気に入りをそれぞれが持っているのも良いなと思います。
伊藤 広沢さんの好きな場所はどこですか?
広沢 私はアクロス周辺がすごい好きです。時間ができたらよく行きます。
https://www.acros.or.jp/r_facilities/stepgarden.html
街の中に芝生の広場とか山とかを持って来る発想がすごいと思うんですよね。だから《霧島アートの森》みたいに、森の中に芸術作品が馴染んでいる感じとか、もっと福岡でもできそうなのにと思います。福岡は東京みたいに公園が多くないのがちょっと寂しいですね。公園でなくても良いから、ちょっとした緑のある通りや場所が増えていったら良いなと思います。
伊藤 福岡にはぼんやりできる場所とか、時間を潰せるところが少ないと言う人が多いですよね。
広沢 港にある《かもめ広場》も良いですよ。あと、なくなっちゃったけど、旧天神イムズの屋上の《スカイガーデン》も良かったです。
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00945/
伊藤 意外とあそこよかった。ああいう場所って今はなかなかないですよね。あえて意味を持たせていない場所というか。
広沢 そう。みんなが自由に過ごしているのが好きでした。何をするでもなく、おじさんがベンチに座って何か食べているのを見たりしながらぼーっとするのが好きで。あそこはめちゃめちゃ行っていましたね。
福岡はそこまで街過ぎない
暮らすのにとても良い場所。
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伊藤 広沢さん的に、福岡のサイズ感ってどうですか?
広沢 サイズ感はすごく良いと思います。でも、東京は特色のあるエリアがいっぱいあるのが魅力だけど、福岡はコンパクトな分、街すべてが同じ感じにならないと良いなとは思います。小さな中にもそれぞれ違いがあると楽しいですよね。博多だと寺町の方とか、せっかく特色があるのに、みんなあんまり行かないですよね。
https://hakatanomiryoku.com/walk/jisyamati
伊藤 行かない人は全然行かないですよね……。
広沢 自分のテリトリー以外は行かないというのも、福岡の人の気質なのかも。
伊藤 薬院のアトリエに通うようになってから、行動範囲は変わりました?
広沢 変わらないですね。レッスンが終わった後も、結局どこにも行かないですもん。街にいたら街の人になれるかと思っていたけど、全然違いました(笑)。
伊藤 でも、ここのアトリエは良い場所にありますよね。
広沢 そこまで街過ぎないですしね。
伊藤 今、広沢さんは糸島に住んでらっしゃいますけど、どうですか?
広沢 暮らすにはとても良い場所です。食材が豊富だし、空が広いから、モヤモヤしている時も空を見上げれば「ああ、大丈夫。まだ行ける」って思える(笑)。執筆の仕事も集中してできるし。あと、アトリエまでの移動時間もすごく良いです。考え事をしたり、好きなラジオを聴いたり、糸島の景色を見たりとか、気分を切り替えるのにちょうど良いんですよ。
伊藤 移動は苦じゃないタイプなんですね。
広沢 全然。40分とか、別に何とも思わないです。むしろ一人の時間を持てて、最高ですね。ただ糸島は、場所によってはコミュニティが濃いのも事実です。だからそういうのに抵抗がある人は、糸島の中でも別荘地に住むのが良いかも。
伊藤 そんな広沢さんもご近所付き合いが得意ではなさそうだけど。
広沢 ちゃんとやっていますよ!元気に「おはようございます!」ってご挨拶しています(笑)。
edit_Mayo Goto
photo_ Kousaku Kitajima
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