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心を撃ち抜く伝え方 〜SPICEの公式から学ぶ〜

 本日は、メンタリストDaigoさんの「知識を操る超読書術」より、読書で得た知識をアウトプットする上で使いたい、「説得力のある伝え方」をご紹介します。

 この本、本の効果的な読み方をと読む準備について説明する章を経て、第4章では「知識を操る3つのアウトプット」が紹介されています。
 本は読んで終わり、ではない。得た知識や情報を今までの知見とかけ合わせ、実生活に反映させてこそ多くの本を読む意味があるとDaigoさんは言います。
 アウトプットを前提として読み、誰かに伝えたり教えたり。得た方法を日々の生活で実践してこそ、読書が生きて自身にもよく定着するというのです。

 その3つのアウトプットの中で取り上げられているものの1つが、『人をその気にさせるSPICEの公式』=説得力のあるアウトプットの方法です。
 人に伝えるためのアウトプットをしようにも、知識が100あっても相手を説得能力・説得の力がない状態では、掛け算の答えとしてせっかくの知識が生きてきません。伝わらないのです。

1.Simplify(単純化)
2.Perceived-self-interest(お得感)
3.Incongruity(意外性)
4.Confidence(自信)
5.Empathy(共感)

 この5つの頭文字、SPICEです。オックスフォード大学の教授、心理学者のケヴィン・ダットン博士が、『人をその気にさせる説得の公式』としてまとめたもの。これらの5つの要素を話の中に盛り込むことで、相手に強い印象を与えつつ、うまく説得することができるそうです。1つずつ見ていきましょう。

1.Simplify(単純化)

 まず、単純化。相手に伝えたいことをできるだけ単純なメッセージにまとめることです。Daigoさんが挙げている例は、大統領選挙でのキャッチフレーズですね。

 Make America Great Again!(トランプ元大統領)
 Yes,We Can!(オバマ元大統領)

 最近では,NHK党の立花党首が言っていたじゃないですか。『NHKを〜ぶっこわーす!✊』
 メッセージがシンプルだとその人が何を言いたいのかがスッと伝わり、相手がその後の話に耳を傾けてくれるのです。

2.Perceived-self-interest(私的利益感)

 次は、私的利益感、という考えです。ただ自分の知識の中で良いところを伝えようと思っても、「聞いて聞いて」だけでは相手が聞く気を起こさないのです。
 例えば読書をして得た知識を相手にシェアして聞いてもらいたいなら、「あなたはこんな得をするよ」というメッセージが共にないと、心に響くことはない、ということですね。

3.Incongruity(意外性)

 次に、意外性について。これは、意外な事実・話に相手の注意が向いている時に説得すると良いということです。
 Daigoさんの例を引用しましょう。

 例えば、あなたが男性だとして、恋人があなたのパソコンやスマホの中にアダルトな動画が保存されているのに気づいたとしましょう。恋人は不快に感じ、あなたに怒りをぶつけました。

 ここで、知識に裏付けされた「意外性」を武器に話すのです。

 「知っている?アメリカで行われた恋愛に関する研究で、『週に2時間アダルトビデオを見る男性は、パートナーのことを非常に大切に考え、2人の時間を大事にしている傾向がある』と証明されているんだよ。」

 恋人の頭の中に、「??」クエスチョンマークが現れます。
 そして、エビデンスへの自信を見せつつ、恋人への愛情を感じさせる誠実さも乗せて、

「だから、僕のようなタイプの男性は、パートナーとして悪くないということなんだ。」

 次に紹介する「C=Confidence(自信)」と組み合わせてこの意外性のある話を盛り込むことで、相手が「おっ?」となっている間に説得する。要の話をする。それがポイントです。

4.Confidence(自信)

 これは先ほどの説明の通り。
 この本では、「ハロー効果(=相手の全体的な印象を、目立つ一部の特徴だけで決めてしまう心理)」の説明もされていますね。自信があるように見えるだけで、説得力が増します。1.のSimplify(単純化)で絞り込んだ要点を1点集中で自信を持って!

5.Empathy(共感)

 最後は、「共感」です。人は、感情を伴った出来事は記憶に残りやすい。相手に共感をしてあげ、それを入り口に説得を始めることで、相手の心にも話し手への共感が生じ、相手に伝わりやすくなるのです。


 以上、人の心を動かすためのトリガーとなる5つのポイントを紹介しました。
 相手に聞いてほしい、みんなにブログを読んでほしい。クラスをまとめたい。あの児童に伝わる話がしたい。
 相手にどう伝えたら良いのかで悩んでいた方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

 私は特に、教員として話をする中で、S(単純化)とP(私的利益感)はあまり意識していなかったなと思いました。ついつい話は長くなってしまうし、自分が伝えたいことを伝えようとだけ思ってしまう。反省です。

 本日もお読み頂き、ありがとうございました😌

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