宣誓。口臭を治してみせる。

口臭のせいで悲惨な人生

私の人生は、現時点まででいうと、悲惨だ。
その最大の理由は、口臭だ。
私は息が臭い。口が臭い。申し訳ないほどに。
コロナが5類になっても、私はマスクを着用し続けているが、感染が怖いのではない。口臭がバレるのが嫌なだけだ。とはいえ、もうバレているだろうが。
マスクの隙間から出る息で、十分バレる。そのくらい臭い。
話し相手の鼻に手をやる仕草ですぐわかる。「あぁ、臭いんだろうな」って。
最初は、死ぬほどショックだった。もう慣れた。でも今では、慣れてしまった自分に別の意味でショックを受けている。

口臭さえなければ。邪魔された恋。

好きな女だっていた。口臭さえなければ。もしかしたら、頑張れたかもしれない。でも、無理だった。口が臭かったから。チビもハゲもデブならば、許してくれる稀有な人もいる。"蓼食う虫"というやつだ。
しかし、口臭は違う。口臭は100%嫌われる。どんなに好きな女がいても、諦めるしかなかった。

上記で「慣れた」という言葉を使った。
本当に恐ろしいことだが、「慣れる」ということは厳然としてある。口臭の自分に慣れてしまい、こんなもんだ、仕方ないと思ってしまう日々が、本当に長く続いた。ついこないだまでそうだった。だから、それに伴い恋愛も無理なんだと。彼女は、妄想の中にしかいないと。ずっと、そう思っていた。そういう自分に、慣れていたのだ。

「なんとかせねば」奮起する33歳

だけど、33歳になって、彼女いない歴年齢で、動き出そうにも口臭でがんじがらめにされている現状に、ついに「なんとかせねば」という気が起きた。遅すぎるかもしれないけど。

何が原因なのか考えた。

まずは原因を把握することから始めた。
口臭は、①口内の磨き残し、虫歯・歯周病 ②胃腸の不調 ③その他疾患 以上3つが主な原因とされる。それぞれについて、考えてみた。
①の口内の磨き残しについては、まずあり得ないと思う。フロスなどは使っていないが、私の周りを見たって、そこまでしなくても口臭がしない人はたくさんいる。かつて、15歳以前の私だって、フロスなど一度も使ったことはなかったが口臭はなかった。 歯磨きは一生懸命している。当たり前だ、臭いの自覚があるのだから。
次に、②を飛ばして③。これもないと思う。疾患が原因なら、臭いが特定なのだ。甘い臭いとか、アンモニア臭とか硫黄臭とか。 でも、私の場合は違う。直前に口に含んだものが悪臭化するような口臭。臭いは一定ではない。 しかも、舌が異常に白く、一部黄色い。 これらを総合すると、②の胃腸の不調を主原因と推定した。

胃腸の不調が原因だとして、さてどうするか。

では次に、胃腸の不調だとして何をすれば良いのか。
まずは餅は餅屋ということで、胃腸科を受診。生まれて初めての胃カメラを撮った。すると、萎縮性胃炎(慢性胃炎)、表層胃炎、逆流性食道炎とされた。ピロリ菌の可能性は低いとされ、ただちに治療は不要とされたが、この胃カメラの結果は、明らかに私の胃が不調であることを医学的に明らかにした。しかし、先生は特に治療をしないという。では民間療法的なことをするしかない。
具体的に、次のことをすることにした。
①よく噛む。
②食べる量を減らす
③21時以降の夜食禁止
④お酒も減らす
これまでの私は本当に咀嚼が少なかった。それゆえ大食いだった。色々調べると、消化を良くするためにも、咀嚼を増やすことが大事らしい。一口30回も噛むべきなのだという。さっそく始めた。食べる時間がかなりかかるが、よく噛むことで満腹中枢が刺激されるのか、食べる量が減った。30回も噛むと、ドロドロになる。これは胃に優しそうだ。21時以降にお腹が減ることも減った。「よく噛む」の効果はすごいと思う。確実に痩せそうだ。ただ、今のところ、口臭には明らかな変化はなく、舌が真っ白から少しピンクに戻ってきたこと、下痢の頻度が減ったことくらいしか目に見える効果はない。まだ数日だ。長い目で見てみよう。

今からでもやり直せるか。

私の人生は、本当に口臭で台無しだった。
今さら治っても、もうすでに30代前半。何をやり直せるのかもわからない。でも、まずは目の前の敵を倒そう。そうすれば、思いもしない次の景色が、見えてくるかもしれないから。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?