自身の状況に疑問を持たないことの怖さ

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勤め先にあった新聞に掲載されていた投書を切り抜いたものです。投書は読売新聞に掲載されていたものです。

中学生が自身のことについて書いていますが、これが中々に身の毛がよだつものですので、反射的に切り抜いてしまいました。
投書で中学生は、自身の学校生活のことを書いていて、「中学校の生活はとても忙しく、部活で毎日、帰りは夜7時ごろ。それから宿題をやると、あっという間に寝る時間になる・・・」と自身の学校生活が忙しいことを伝えています。

これのどこがおかしいのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、中学生にとって大事なのは勉強、休息と十分な睡眠です。成長期で身体が一気に大人に近づきますから、沢山の栄養と体力を要します。ですから、成長期の一番大事な時期に夜遅くまで部活に大事な栄養と体力を費やすのは、正常な発育を妨げる要因になります。

学校に通う子供にとって一番重要なことは、学ぶことです。特に中学校での勉強量は、将来の進学に影響します。小学校のときに勉強を多少サボっていても、中学校で取り戻せば、問題ありませんが、小学校のときにまじめに勉強していたとしても、中学校時代に部活で体力を奪われて、勉強に専念できなかった場合、自分の希望していた進学先に進めないというリスクが生じてきます。本人は『大丈夫、部活と勉強はしっかり両立できているから』と思っていたとしても、無意識のうちに体力というのは消耗していきます。
特に中学校で習うことは、小学校で習うこととはレベルが違ってきます。身に付けておかなければならないことが圧倒的に多くなります。また、中学校は3年間と非常に短いので、ほぼ”詰め込み”に近い感じで学習していく事になります。ですから中学生が遅くまで部活をするのは間違っているのです。

投書の最後のほうに、「平日は帰りが遅い父も、休みの日はのんびりテレビを見て、お酒を飲んでいます。中学生になって父の気持ちが少し分かってきました」とありますが、大人が遅くまで仕事をするのと、中学生が遅くまで部活をするのとでは意味がちがいます。冒頭でも述べたとおり、中学生は学ぶことが沢山ある上に、成長期が来て、身体と精神に大きな負担がかかります。体力という限られたリソースを成長期、人間関係、勉強、部活に割かなければならなくなるため、どうしても不足が生じてしまいます。例え睡眠時間が十分に確保されていたとしても、無意識のうちに疲れがたまってくるのです。

一方大人は、すでに成長期も過ぎ、リソースを割り当てる対象も異なるため、多少無理をしたとしても何とか乗り越えることが出来ます。

この中学生がどんな部活をやっているかは、投書からは読み取れませんが、勉強に専念しなければいけない時期の中学生に、遅くまで部活をさせる学校は、果たして本当に生徒のことを考えているのでしょうか。

また、中学生という大事な時期に、遅くまで部活をされられている事の異常さに気付かない中学生本人とその親御さんは、もっと客観的・俯瞰的に物事を分析するべきではないのでしょうか。


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