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採卵日以降の話-34歳の卵子凍結体験記-

こんにちは、もふもふです。
採卵から約3ヶ月経ち、ようやく採卵当日に関して綴ります。
せっかくの情報を温めすぎてしまったので、早速、時系列に沿って書いていきたいとおもいます。

【1】採卵日当日の流れ

9:30    クリニック集合

私がお世話になったクリニックでは、
採卵は午前中に決行、という決まりでした。

初診時にいただいたパンフレットに、マニュキアとメイクは落としておくよう記載があるのを発見し、無防備な状態で渋谷へ出向きます。
時間厳守!という注意書きに怯えて、集合の15分前に到着しました。

全身麻酔を希望する場合は、前日24時以降は食事禁止、当日6時以降は飲水も禁止です。局所麻酔の場合は、特に制限なしでした。
私は結局、局所麻酔を選びました。

全身麻酔と迷いながらも、
私が局所麻酔を選択した理由は、価格が懸念になったからです。
もし会社の福利厚生などで一定の額、補助がでていたり、2~3万円で全身麻酔を選べたりしていたら、迷うことなく全身麻酔を選びました。

それでも、以下を理由に、
不安な思いを断ち切り、決断できました。
・全身麻酔の選択肢がない、クリニックがあることを知ったから
・購入したい通勤用の鞄(約6万円)があったから

インターネット上で複数のクリニックHPと、採卵の体験記を読み漁ったところ、全身麻酔のオプションがないクリニックがあることを知りました。なかには、局所麻酔すらせずに採卵したという方の体験記もありました。

たとえば、歯の抜歯であれば、局所麻酔なしのクリニックは存在しないとおもいます。でも採卵では、クリニックによって麻酔の選択肢が異なる……それは、全身麻酔でなければ不可能な、痛みのレベルではないからでは……?と考えたのでした(あくまでも素人の見解です)。

さらに、私は学生時代、剣道部に所属していたこともあって、どこか、痛みに耐性があるのではとおもい込んでもいました。
20年近く前の話を持ち出して笑われてしまいそうですが、覚悟次第でどうにか乗り切れる痛みの種類ってある気がしています。

手術時間は15~20分なので、心頭滅却でどうにか凌げるかもしれない……
加えて、最大20分の痛みを取り除くための5万円と、
数年通勤で役に立つ6万円……とで天秤にかけた結果、後者の鞄を選んだのでした。

ちなみに、痛いのが苦手な方、痛い思いはしないに越したことない主義の方は、全身麻酔一択だとおもいます。あまり苦しまず乗り切れましたが、得られたものは、小さな達成感(と鞄)以外にありません。

10:00  手術室へ

クリニックに到着したら、出入り口がカーテンで閉ざされた個室へ通されます。そこには、ロッカーとリクライニングチェア、サイドテーブルがありました。

下着やアクセサリー類を外し、術衣に着替えて呼ばれるのを待ちます。
この日はおそらく、私の前にもおひとり、採卵の手術が行われていたようで、車いすで隣の個室へ戻っていく様子が聞こえました。

全身麻酔の場合は、手術室まで車いすで行き来するようですが、私は局所麻酔なので、すたすた歩いて手術室へ向かいます。点滴等もなしでした。
手術室には、医師の先生、看護師さん、培養士さんとで計6名ほどいらっしゃいました。なにせ意識が明瞭なので、多くの方に囲まれるなか、緊張や不安も高まってきます。すると、看護師さんが不安を紛らわせるために、BGMのリクエストを聞いてくださいました。

手術は、はじめに器具を挿入されたり、ガーゼのようなもので拭って消毒?されたりしながら進みます。記憶が確かであれば、その後、局所麻酔をしてくださり、超音波検査と同じようなエコー画像で卵胞を確認しながら、採卵が行われました。

採卵時には、卵胞一つひとつを針で刺し、卵胞液(鶏卵でいうと、白身も含めた中身全部と、素人なりに解釈してます)をまるっと注射器で吸引していきます。この様子は、私もモニターを見ながら見守ることができました。

恐れていた痛みに関してお伝えすると、
痛みのピークは、はじめに行われた消毒?でした。体の内部がこすられて生じる、鈍い痛みがありました。
とはいえ私にとっては、部屋で足の小指をぶつけた時や、靴擦れの方がよっぽど痛いです。衝撃やズキズキを感じるものではなく、肌触りの悪いタオルでこすられているような、鈍い痛みでした。

実はこの消毒?作業は、手術の最後にもありましたが、そのときは全然痛みを感じなかったので、気持ちの問題であったり、慣れでやわらいだりする程度のものなのかもしれません。

そのほか印象に残っている痛みとしては、採卵時、卵胞液を吸引していくなかで感じた痛みです。10以上の卵胞から吸引していったため、最後の卵胞に差し掛かった際にだけ鈍い痛みが走りました。作業を繰り返すなか、負荷が蓄積?して感じたのかなと推測しています。

この痛みを無理矢理たとえると、ストローでシェイク等を吸い込むとき、頑張りすぎて疲れた際の口の痛みと似ているとおもいます。シェイクが少し固いときや飲み終える終盤、ちょっとだけ口が痛くなりませんか? そんな印象です。
と言いつつ、このたとえ、絶対伝わらないですよね? そもそも痛みのうちに入らないかもしれないので、忘れてください。もし、この文章を読みながら、口をすぼめて試してくださった方がいたら、感謝します。

一方で、事前に懸念していた針を刺すときの痛みはまったく感じませんでした。おそらく腕での採血の方が痛いです。
これも、ひとえに先生の技量と、常に話しかけ気を紛らわせてくださった看護師さんのおかげだと、深く感謝しております。

手術中、ずっと話していたので先生にとっては気が散る状況だったとおもいます。ご迷惑おかけしましたが、本当にありがとうございました。

10:30  手術終了

最後に痛み止めの坐薬をいれていただくと手術は終了で、看護師さんに付き添われながら、よたよたと歩いて個室へ戻りました。

全身麻酔の場合は、2時間の休憩が必要ですが、局所麻酔の場合は1時間後に帰宅できます。
診察で呼ばれるまでは、リクライニングチェアを楽な角度に調整して横たわったり、貸していただいた電気毛布に包まったり、提供いただいたパウンドケーキと暖かいハーブティで暖まったりしながら、労わりの時間を過ごしました。

この休憩の間に指示がされたことは、パウンドケーキをいただいた後に服薬することと、お手洗いで出血の程度を確認し、看護師さんへ報告することだけでした。

強烈な痛みはないものの、じわじわと身体への負担を感じ始めていたので、看護師さんの優しさと心配りが心底沁みました。

11:30  診察

所定の時間が経過すると、診察室へ呼ばれ、凍結できた卵子の個数が先生から伝えられます。私の場合は、当初の目標であった個数を無事達成し、10個以上の卵子が凍結できました。
※具体的な卵子の数は、最後の有料エリアでの公開とさせてください。
 文章として不特定多数の方にまで配慮できていないと感じているため、
 本当に情報を求めている方に絞りたい、というのが意図です。
 なお、現時点では、卵子の数に満足できており、再度採卵する予定はありません。

一方で、一度にたくさんの卵胞・卵子が育ったことで、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクが増えたのか、新たな薬が追加で処方されました。
そのお薬も含めて、計4種のお薬を数日、服用することになりました。

術後の痛みは、生理痛のような重い感じと聞いたものの、明確には実感しないまま、診察を終えました。

11:55  終了

私は局所麻酔を選択したため、追加で発生した費用はなく、この日もお会計は0円でした。
採卵を終えた安堵もあって足取り軽く、クリニックを出て歩き始めると、ビルのエントランスに差し掛かったところで急に痛みを感じました。
緊張が解けたうえ、痛み止めや局所麻酔の効果が切れたのかもしれません。吐き気を催すほどだったので、すぐ痛み止めを飲みました。

お昼を食べて帰る予定でしたが、考え直し、まっすぐ駅へ向かいました。
特に痛んだ部位としては、足の付け根と太ももの前側、脇腹です。生理痛を自分史上最も重くしたような感覚でした(くしゃみをするのが怖い、とスマホのメモにも残してありました)。

ただ、鎮痛剤を服用すると、20分ほどで痛みが緩和しはじめ、吐き気も消えていきました。さらに30分経過する頃にはすっかり回復できたため、所用を済ませ、昼食も食べて15時頃帰宅しました。

卵子の保管サービスであるGrace Bankに対しても、採卵数を報告し、保管プランの契約も行って、採卵周期の2週間を終えたのでした。

【2】当日以降のこと

ここからは、採卵以降のことについて、書いていこうとおもいます。

・卵子の保管プランについて

卵子を預けたGrace Bankには、3つのプランがありました。
いずれのプランも、卵子15個までであれば、採卵数による金額の増減はなく定額でした。

  • 年額30,000円プラン(初年度は、初期費用10万円も加えて支払う)※税抜

  • 年額45,000円プラン※税抜

  • 月額3,900円プラン※税抜

この中で、私は年額45,000円(税抜)のプランを選びました。
私の場合は、44歳までの10年間保管を想定しているため、単純計算であれば、総額は初期費用を支払うプランがお得です。
ただ、今後たとえば他院で保管いただくことになったり、数年の内に卵子を用いる可能性をも夢見たりして、初期費用なしの年額プランに決めました。

契約後はプランの変更ができないので、近い将来、用いる可能性がある方は、月額プランがおすすめのようです。

・当日以降の体調について

当日から2日程度は、微熱が続きました。
38℃を超える発熱があった場合は、診察を受けた方が良いようですが、採卵後に服用するお薬の影響で、すぐに次の生理が来ると説明を受けていたので、生理前だからかな?とあまり気に留めず過ごしました。
※実際、採卵から4日後の12/31(土)には、生理になりました

ただ、それ以上にしんどかったのが便秘です。
採卵日から5日ほど続いたとおもいます。普段、便秘する体質ではないこともあって、余計にしんどく感じました。

・婦人科クリニック受診について

実は、採卵から2週間程度が経過した1月上旬に、
卵子凍結とは異なる婦人科クリニックを受診しました。

今回判明した『卵巣のう腫』の存在が気になっていたためです。
『成熟のう胞性奇形腫』は自然に消失することはなく、3ヶ月毎に大きさを経過観察をする必要があったので、かかりつけ医を見つけておきたい気持ちがありました。

さらに、採卵後にOHSSという言葉を知ったことで、身体の回復状態も気になっていました。卵巣のあたりが張っているような感覚があったからです。
診ていただいた結果、問題なければそれで良いのだし、自分の体に関心を持つことはいいことだと捉え、早めの受診を決めたのでした。

このあたりのお話は、
第二章として、卵巣のう腫摘出体験記で書き残していこうとおもいます。

・卵子凍結を終えた感想

不安も痛みもピークだった採卵日や、当日までの2週間を振り返ると、
信頼できるクリニックを選ぶことって大事だな、と改めておもいます。

体の内部で何が起きているかなんて、素人にはわかりませんし、
疑うような意地悪なことは、考えたくないけれど、
凍結した卵子の状態なんて、解凍して、用いる時まではわかりません。
なんなら、卵子が間違いなく自分のものかすら、調べない限りわかりません。

それでも、私は卵子を凍結した日から、
気持ちにゆとりが生まれ、暮らしの質も高まりました。
この安心感は、クリニックへの信頼があるから得られるのだとおもいます。
クリニックや卵子の保管サービスに対して疑心暗鬼の状態だったら、こうはいかないとおもうからです。

私はたまたま、1軒目のクリニックで、
費用、信頼性、先生や看護師さんのお人柄等、納得できる選択肢を見つけることができたけれど、
離職中で時間に恵まれていたから実現できただけ、とも考えます。

現状は、卵子凍結に関する情報はもちろん、
クリニックの情報も、誰でも享受できる段階にはないとおもうので、
今後はより一層、正確&多様な情報が充実していくことを願っています。

……それでは最後に、凍結できた具体的な採卵数を公表しようとおもいます。
前述のとおり、卵子の数は10個以上、再度採卵の予定もありません。
詳細な数が知りたい、と興味を持ってくださった方だけ購入へとお進みください。

その他の方は、ぜひ第二章となる卵巣のう腫摘出体験記で、
引き続き、お付き合いいただけたら嬉しいです。

・凍結できた卵子の数

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