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in a room[ライナーノーツ]

P0cketです。

0.5th EP 「in a room」を発表しました。

本当は制作日記もあったんですが、更新そのものが3月上旬で止まっているのと、非常にそこ付近の記憶が曖昧であるため曲ごとの解説や作品の背景に留めようと思います。

はじめに

ざっとEP制作の時期、環境を整理します。

時期

2023年2月上旬〜4月下旬(M3前日)

環境

GarageBand
よくつかったもの
・Roland TR-909(キック、ハイハット)
・Roland TR-808(クラップ、カウベル)
・Poison-202(ほぼすべてのシンセ)
・KORG Erectric Wave(Glitch,FX系)
・rhythm-lab.com_amen_vol.1(amenbreak)
・PhaseDelayArray(エフェクト1)
・Wider(エフェクト2)
・VST Speek(1曲目の声)
Aviutl(XFD制作時)

精神状態

ゴミ

世界観&プロジェクト関係

このEPはM3で作品を頒布したい!というのが計画のスタートで、Notionというスケジュール管理アプリがあるのですが確認したところ12月半ばごろには計画を練っていたみたいです。かなり早いかな

実をいうとたこぴーさん同様小説を書こうとしていたのですが普通に書けませんでした。無能乙 下書きもあることにはありますが公開しません。黒歴史になる。

先にこの作品のリファレンスを話すのですが1曲目とラストを除いて「1984」「The Backrooms」「SPEC」の三作品を世界観としてリファレンスに取り入れています。ぱっきりサウンド感と同様にリファレンスを替えてるので気づくかも。リファレンスにふわっと共通していそうなのが閉塞感かなあと思ったので大きいコンセプトが閉塞感に決まり、自分が住んでいる6畳の部屋に大きい不快感と閉塞感を抱いていたので部屋もコンセプトに決まり、タイトルが「in a room」に決まりました。ジャンルは2,3曲目、4,5曲目、6,7曲目と分かれてます。

コンセプトが決まり磔にしよう、せめて学術的な要素がないとダメかなあと思い、脳科学および心理学を勉強しようかなと思ったのですが、普通に面白いまま一切小説に取り入れず終わりました。こいつ無能を晒しすぎかもしれん、磔にしよう

それと、勉強した内容が因果したのか、はたまた普通に限界だったのかわかりませんが制作に進むにつれ影を消していた希死念慮がとてつもなく強くなり、はっきり言うとNo廃人Yes廃人ぐらいのギリギリ生きてはいるけどなるはやで死にたいカスの低身長限界男性が誕生しました。告知を出したその週まで続いたほか、なんなら今でもわりかしそっち側なのでちゃんと休むことを練習すべきだったり、それかいっそ屋号を畳んでしまおうか…とか、今の勢いづく同年代とのギャップに悶絶して入水して終わってしまおうか、と考える日々です。シンプルに大学に同じ趣味嗜好の人がいないだけでこうなってるかもしれないので、そうだったら最悪だ…

みんなはあんまり言葉にできないけどなんかしんどいなと思ったらちゃんと休んでください。お前はお前しか守れない

告知用のメモ書きが残っていたので貼っておきます

ずっと、ずっと部屋に縛られる時がある。長期休みのバイトとバイトの間の一日、必死こいてスマートフォン内のGarageBandに一人どこにも出かけず、使命感と圧迫感に鍵をかけられ生きていることの意義のなさと絶望感の天井に体がつぶされそうになるような、そんな感覚。
死にたいと思うようになった。日中、一人きりの時頭がそれで埋め尽くされて、ああ今日で終わろう、死んでしまおう。そう思いながらそこから飛びこんだら意識は飛ばせるぐらいの橋や急斜面に生える竹林をぎりぎり脳にパンパンに詰まった希死念慮を嘘だと誤魔化し横目に走り抜ける日々があった。
日記を書くようになった。助けを別の、そのまた別の言葉に変換する。繰り返し。思うことはいつも、自分のこと。あまりに自己を見つめすぎて嫌いもまた好きのうちになりえてしまいそうだった。
自分を出すのをいつからか異常に恐れるようになった。趣味はないと言い張り、交流することさえできなくなり、強制的な会話の場ではどもるようになってしまって、ひたすら隠れてもがむ日々が続いて、それが死にたさをただひたすら助長させ続けた。
そんな中救いのメタファーを作品制作に充てていたのかというと、これまた死にたさを助長する希死念慮の歯車になっていた。誰かのためにならない、ただただ自己消費的な音楽のような何かしか生むことのできない苦しさが常に心臓を突き刺した。

なんすかこれ

解説

お見苦しいところをすいませんでした。ようやく解説します

1.in a room

ほぼイントロです。XFDの内容がほぼすべてまである。
この曲(?)は告知2時間前に着手して10分で終わりました。なので一番最後にできた曲がイントロということです。ウケる

冒頭からのPADは最後の曲「in a (front)room」のコピペです、ほぼ変わらないんですけど印象が違って自分でもマジか~となりました。特徴的なFX(鳴き声みたいなやつ)はGarageBandに入ってるApple Loopsの「Analog Suitcase FX 02」です、それにWiderを175%かけただけ。

機械音で何を言ってるかわからん声が特徴的ですがせめて内容ぐらいはわかってほしいので訳を貼ります。

I have to get out of the room.
(部屋から出ないといけない)
We have to live in reality.
(現実を見て生きなきゃ。)
It's the least I can do to make amonds to you.
(それがあなたにできるせめてものの償いだから)

あと中盤のカチカチ音はトースターの音です


2.hypocrite

制作したのは3曲目ぐらい。この曲はdepressiveというジャンルをやってみようかな、ということで制作しました。制作時期ぐらいににパソコン音楽クラブさんのDEPOT Vol.1が公開されたので結構それに傾倒しているかも。
木琴やピアノ、PADにはかなり深めのReverbをかけています。お風呂と言って敬遠されてしまうサウンドですが自分はこのジャンルでは大好物です。

中盤以降の調が変わっているところはhypocriteの名前の通り偽善であることに疲弊し苦しさからsurveillance(監視)の幻覚に追われる…といえば世界観的に綺麗ですが正直ネタ切れのためもうダメ!わからん!となり続けた末に生まれた部分です。次に繋がるようなストーリー性を感じられるのでまあヨシ


3.surveillance

たぶん5番目にできた曲です。depressiveは2曲目でやりつくしたし…と思いどうしよう…死ぬ?とこの時点で精神衛生が終わっていました(このEPの完成度2/3以降は希死念慮との揺らぎの中でできた曲といって差し支えなさそう)、あとこの曲のメインリフがマジで鬱すぎて聞きながらこれを書いてるんですけどなんか病みそうです。ただのA#minorなんですけど、キレイにはまった結果だと思います。コードをべた弾きしたピアノをリバースしたり切り刻んだりしんどい中なりに作曲のおいしいところをやれた気がします。中盤以降はずっと歪んだようなキックの乱発とアーメンの滝がありますが、キックに関しては「Old Aethral Signature Kick 1」というキックサンプルを1オクターブ下に変調で500hz付近をdistortionで歪ませ、かつブーストしています。(ちなみに序盤のキックは同じサンプルを加工せず使ってます、本EPではかなりよく使っているサンプルです)。Amenbreakに関しては20khzを5~6dbぐらいdistortionかけてます。個人的にこの曲はお気に入りの一つ。


4.DASH 4 YOUR LIFE

たぶん7番目に完成した曲です。告知の金曜日の夜からほぼ徹夜状態で作った気がします。ここからの2曲を制作するうえで参考にしたジャンルは「sextrance」というやつなのですが、次の曲がかなり制作前半で完成した曲なので完全に作り方を忘れ、締め切りも近く半ばヤケクソになりながら制作した記憶があります。ヤケクソだった分かなり勢い全振りな曲に仕上がりました。序盤の特徴的なビルドアップは「Aethral Fuck everything Snare」というスネアをサンプラーにぶち込んでMIDIで鳴らしてます。前半の切羽詰まってる感と後半のなんとかなったか…!?!?!?感の差がすごいですが、差を程よく埋めるための時間がありませんでした。ないけど、これぐらい意味不明であっても閉塞感と虚しさにやられてしまったメンタルなら飲み込んでくれ、という気持ちがあります(誰に向かって言ってるんだ?)

sextranceのプレイリスト貼っておきます、本曲ほど早くはない



5.9223372036854775807

4,5曲目がどんな世界観か大体わかってしまいますね、まあバレちゃいけないようなものではない
この曲は2番目にできました、お気に入り2です
特徴的なのはギチギチに歪んだブレイクビーツによるメインリフだと思いますが、本EP内でも特に抜きんでて特徴的な曲だと自負しています。これは意図的には生み出せない、かなり偶然にアイデアが降ることを待ち続けた曲です、時間はそれなりにかかりましたがその分満足して完成まで行けたなと思います。良すぎて語彙がない!これで500円回収できる満足さがある気がする、あってほしい!!!!!!!

結構この曲はリフとしてAcidとメインフレーズ(!?)をひたすら使いまわすタイプの曲で、作曲はじめたてはよくやってましたがこれに関してはそのうまみを今持ってる作曲力を総動員してできる限り回収できたな、と思ってます。

ある意味まだ精神が終わってなく、自己表現というかはロールプレイのノリでEPを制作している時期だったので制作者の所感ですが、この曲には変に皮肉めいてるというか、こちらを常に嘲笑しているような印象があります。ネタバレなのですがこの曲名の通りの救いのなさ、というのを嘲笑を通して私たちに伝えようとするそれなのかもしれません、今はそう思ってます。

6.SAVE ME

本EP一番の泣きメロ曲です。自信あります
4番目に完成した曲で、4月ごろに作成しています(M3まで一か月を切っているのに半分も完成していないのはマジでよくないことなのでみんなは絶対やらないようにしてください)。breakbeat主体のEPですがこの曲だけはメロディが主役です。KeyはE♭Majorです。そんなに使った覚えのないスケールですがかなりいいとこ付けたと思います。中盤のピアノソロ(?)地帯は音楽理論的にかなり危ない気がしてならないのですが、まああぶなかっしさも世界観といえばどうにかなる気がします。サビのメロディとドラム隊のバランス感がめちゃくちゃちょうどよくかつ8ビート感のあるミックスになったのでガシガシ聞きやすい曲だと思います。

7.until your heart stops breathing.

この曲は正直ショート版な気がしてます、この曲と4曲目、1曲目が告知当日まで未完成で、この曲をしっかりTrance調にしてドロップを入れるがラストに向けた小休憩的なトラックにするかで3時間他の曲を作りながら考えていたような気がします。結論としては小休憩的な尺ということで決定し、短くも満足はできる内容づくりに集中して制作しています。25秒ストリングスオンリーなことにこのライナーノーツを書きながら気づきました。
back number - 高嶺の花子さん のストリングスのみのイントロと同じ秒数です。(お役立ちtips)


割とトラック構成はシンプルにTrance調に整えたうえめちゃくちゃ前に作った(2年前)うるさすぎるキックをうるさくないぐらいに調整して、いい感じにTranceらしく、かつらしくない中間点みたいな曲になりました。

あと最近はpercussionのチャカポコ(チキチキ?)をamenbreakのチキチキしてる部分のみで代用するのにハマってます。その曲で常用するamenbreakの素材を流用すると一体感が出てGOOD

8.in a (front)room

嘘だと思われるかもしれませんがこの曲が一番最初にできました。春休み初日前日、テスト期間最終日の深夜1時~3時ぐらいでおおよそが完成し残りを補完するのに翌日を使った感じです。808bassをちょっと出してみたり、悲しげなピアノとbreakbeatをぶつけてみたり、Riser用に挿入していたシンセをグリッチっぽく切り刻んでみたり、シンプルに作曲をノリノリでできた気がします。悲しい感じですけど。

breakbeatの刻み方は当日ヘビロテしてたこの動画の生感を意識してます。

この曲が完成した時は普通に小説やるぞ!と思っていたのでラスト当たりのノイズは実際にドアを開けて部屋から出るときの音声を収録しています。若干荒い息も入ってますが曲でかき消せるしキモかったのでこれでいいと思います。

あとフォルダに格納する直前にバッキングしたピアノを入れたくなったので入れてます。XFDと大して変わりはしませんがちょっとノリノリにはなるかと。

総合

作った曲順をおさらいすると、

in a (front)room (8) → 9223372036854775807 (5)→ hypocrite (2)→
SAVE ME (6)→ surveillance (3)→ until your heart stops breathing. (7)→
DASH 4 YOUR LIFE (4)→ in a room (1) *()内曲順

という感じで完全にバラバラではありますが制作時設定したジャンルを一曲ずつとりあえず完成させて残り一曲ずつのアイデア待ちをしているような制作プランだったみたいです。正直アイデア待ち自体あまり健全ではありませんし、より綿密にプランを練るべきだなと思いました。反省していますし、インターネットやめないで各位にはご心配おかけしました、すいませんでした…。

デザイン

今回はBORSCH+さんに依頼させていただきました。BORSCH+さんとはもともとスマホメインで作曲をやっていたりオモコロがすきだったり、まあまあにインターネットだったりと共通点の多さから結構交流こそしておりましたが今回依頼しようと思ったのはシンプルに好きだったからです。M3やコミケ以外にもクラブイベントのフライヤー作成、個人での作字etc…交流していた分なんとなしに作品をお見掛けする機会が多かったのですがいずれも最高だったのでこの機会に依頼できて本当に良かったです。

ポートフォリオ貼っておくので見てください、マジでかっこいいから

依頼の内容がシンプルなものを出してしまい、迷惑が掛からないだろうか…と思っていた中完成版のデザインをいただいた際大声で爆笑しました。かつ自分の曲にこんなにかっこいいジャケットがつこうとしているんだ、死ぬとかそんなのやってられる場合じゃない、何としてでもこれを完成して、曲とこの完璧すぎるデザインを世に出してからじゃないと死ねないぞ!と思えました。おかげで、作業が滞り絶望していたのを心地よいプレッシャーで押し出してくれて、そうしてこのEPが完成したのだと思うと依頼を快諾してくれたBORSCH+さんには感謝しかありません。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

終わりに

初めてEP制作を完走した感想ですが、
・めっちゃ疲れる
・当たり前だが複数曲を作らないといけないためアイデア待ちはできない
・合同出展してるとめっちゃ焦る
・めちゃくちゃで、人生を棒に振ってしまいそうならちゃんと休む決断を
・M3はたのしい!
・インターネットやめないでマジでありがとう
という感じです、
このEPに具体的なメッセージやストーリーはありませんが、製作期間中の苦しさなどの重い空気感はたっぷり詰まっていると思います。逆にすっからかんなぐらいの半笑いな、ひた隠すための嘘っぽい太陽を感じる曲もあって、なんだかんだP0cketの今の精神を司るパーツをすべて曲にできたのかなあと思います。これから感動とかポジティブな感想が出ることはないとは思いますがクソガキの歪んだ感情からはみ出る凄さ、えぐみを感じ取ってもらえたら、たぶんEPであることの意味は達成できるのかなと思います。
それと今回、インターネットやめないでという謎のサークルで出展したんですけど、マジで楽しかった。すごい人たちに囲まれて、すごそうぶれましたかね?どう思います?twitterアカウントも設立されたのでこの機会にフォローしてください。

https://twitter.com/net___love


0.5th EPとあります通り、P0cketは全然スタート地点に立ってない、そう思っています。尊敬する方々の背中をボーっと眺め続けるだけの4年間はほとんど地獄だったかもしれません。ようやく追いかけられます。背中を。反面、時間もそう残されていない気もします(生命的な意味ではなく、モラトリアムとしてのが)。

ほんとにおまたせしてばっかですが、こっから飛ばします、飛ばさないと追いつけないから。頑張ろうと思います。

以上です。ありがとうございました。


追記その1

先述していた制作日記を公開します。


追記2

in a roomのリファレンスプレイリストを公開します。解説はまた後々(更新したらまたお知らせします)

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