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BL総評#4

えっちで露骨なネタバレがあります。

①『アンダードッグ・パピーラブ』茶渡ロメ男
②『愛日と花嫁』渚アユム
③『歌舞伎町バッドトリップ2』汀えいじ
④『放課後ヴァージニティー』転はくと
⑤『いい子にできたら褒めてくれ』黒井よだか

①性自認したばかりのボンボン高校生×相方に振られた売れない芸人

・あらすじ
人気上昇中のお笑いコンビ新快速のボケ担当だった受けは相方に長い片想いをしていた。ある日酔った勢いで押し倒してしまい見事玉砕、さらには業界中にゲイで相方を押し倒したという噂が広がり仕事を干されてしまう。小さな劇場とバイトをかけ持ちしながら芸人を続ける受けだったがある日酔った勢いで抱かれた男に写真を撮られ関係を待つことになり·····。

・感想
Twitterの試し読みで気になったから買ったら大正解だった。ありがとうTwitter、いい時代になりました。
いや、倫理観しっかりしてるタイプでとても好感が持てました。まあフィクションだし少女漫画でも年の差でヒロインが高校生とか普通にあるから嫌悪感とかは別にないんだけどね。高校生だと知った受けがセックスに至らないように試行錯誤して逃げ回るというシチュエーションに好感が持てましたという意味です。「はじめてのHow toセックスクリップ」死ぬほど笑ってしまった·····のに最後の最後にそれで泣かせに来るの反則でしょ。「好きな人としようね」は受けの気持ちなんよなぁ·····。攻めの同棲愛者としての自覚云々あたりでシリアスよりかなと思ったのに「だから沢山男の人とセックスしたい!」「男のケツに僕のちんぽ突っ込んでガンガンに掘りたいの(ススス·····)」で(あっ、これギャグよりだ(察 し) )ってなったよね。明後日の方向に前向きすぎる攻め。それは若さゆえか天然か。そして倫理観しっかりしてるから本当に本番は最後の最後オマケで高校卒業した日のエピソードだけっていうの凄い。ていうかオタク好きでしょ?卒業までおあずけからの「卒業したよ!約束したよね!」のシチュエーション。そしてあんなにセックスはしない!って頑なだったのにいざ出来るとなるとノリノリでケツで抱きに来る受け。んでもって本番はないけど攻めの「挿れなければいいんでしょ」に絆されて割とフェラとか抜きあいはしているという。ちゃんと餌はくれます。そして新快速打上受けゲイバレ事件の時の受けの「せやな、せやな、」の顔が1番好き。ただ解せねぇのは受けに自分の描いた同人誌を渡しよったクソボケオタクだわ。お前全腐女子界隈敵に回したぞ。それはこの世で最も侵してはならないタブー、禁忌だ。特にナマモノだぞ。おい。炎上してしまえ。燃やすぞ。半年ROMれ、いや永久に創作物を産み出せると思うな。ただその後の押し倒しは三輪の誘導だろうな。そもそも、そんなプライベートで2人きりの時に起きたことが業界に知れ渡るなんて三輪の部屋に盗聴器でもない限り三輪しか漏らす奴おらんもん。ほんっと卑怯で姑息なやつ。そして気づかないお人好し。いや、薄々気づいてて気づきたくなかったんだよな。可哀相は可愛い。そんな受けだから自分の性指向に偏見もなく前向きな攻めに惹かれるんだろうな。「ゲイってそんなに悪いことなの?」は単純なセリフだけどその状況にいた受けにはいい薬だったと思うんだ。これ、最初は三輪が噛ませ犬役でなんだかんだ攻めに絆されてる受けを見て「お前俺のことが好きじゃないのか!!」ってなるパターンかと思ったら本当に徹頭徹尾計算高い姑息なやつで笑った。従順で自分の計画通りに利用してオレの養分にしてやろうという。良い奴ではないけどこういうやつの方が成功するんだろうな、とは思う。ただ受けの好意を利用するのはいただけねぇな。最後ちょっと、スカッと要素も入れつつ受けの「まあ器用なやつだからすぐに復活するだろ」が凄いしっくりくる。勧善懲悪とはいかないところがリアル。
そんで受けの地元の偏見やばすぎておもしろい。「神戸はよそ行きの兵庫や」「うちの田舎は大阪のヤクザが死体を捨てに来る場所」とか生々しい上にこの自虐の仕方は実体験か?
攻めは成長の余地もあるけど基本は完成されたいい子だった。伸び悩んでる受けのために金持ちのお父さん紹介しようとした時も断られた瞬間にすぐ自分の過ちに気づいて反省してたし。三輪の思惑に気づいた時も咄嗟に殴りかかろうとする前に(これじゃ結局受けに迷惑をかけるだけだ!)って思いとどまれてたし。基本は頭が良くて真面目ないい子なんだよなぁ。受けは三輪を吹っ切って一皮剥けるまでが第一段階、攻めへの思いを自覚してるのに攻めのことを考えて身を引こうとして攻めの気持ちに向き合うまでで二段階の成長がある。受けが最後自分がゲイだってカミングアウトして悩んでる人の力になりたいってるのとか、自分が芸人でいられるのはここがあったからだって劇場のライブ続けてるところとか、基本的にその、人柄がみんなに愛されるんだろうな。好き。そりゃ好きになるわ。そんな受けの気持ちを人質に撮りよってからにあの三輪野郎。自分のことを好きだから上手いこと飴を渡せば言うこと聞くだろ、と舐めてかかったら反抗された挙句に格下なはずの受けから解散宣言されたのザマーミロ!って感じ。別にそれで反省するでも落ち込むでもない三輪、強いなお前。でも勘違いさせるために触れられたり言われてもなんとも感じてない自分に(魔法が解けたんやな…)って吹っ切れる受けがいちばん強い。最強な攻めと最強な受けの最強にハッピーなBLでした!

②孤独なαの神様×突然Ωになってしまった生贄のお人好し青年

・あらすじ
物分りがよく頼まれたら断れない村の【好青年】だった受けはある日突然熱に浮かされ、目が覚めると村のしきたりとして人を食べるという噂もある神の生贄として捧げられることになってしまった。覚悟を決めて嫁ぐも神は噂とは違い拍子抜けしてしまう。そんな神様との日々は次第に受けと神の気持ちに変化をもたらし·····。

・感想
で、でた〜〜〜〜〜〜〜いい人が馬鹿を見るモブが割と厳しいやつ〜〜〜〜〜!!受けの気持ちが何となくわかるよ。良い奴を辞める方が、勇気がいることもあるよね。という前置き。内容にはニアミス風味の感想。いい人だね、って時に人を傷つける。「いつも笑顔で頼めばなんでもやってくれる」って今まで頼りきってΩになった途端男を拐かすから出てけって·····しかも生贄になれば村のためにもなるとか言っちゃっておい·····。
本編の感想全然語らないやん。。。
受けと攻めの一見異なるように見えて同じ孤独を共有していくうちにお互いが「特別」になっていく過程が凄い丁寧に描かれてて素敵。受けは攻めと過ごすうちに初めて自分をさらけ出せる、自分の意思で救いたい、救われたい、欲しいと思う相手ができたんだよね、だから「同じ」孤独と時間を共有したかった。攻めはウェレを奪った人間を憎みたい反面ウェレを護るために自分を捨てて等しく切り捨て助けてきたからこそ受けと過ごすうちに「特別」な存在になったんだと思う。最後の「俺は特別と同じくらい同じも欲しかったんだ」で涙腺崩壊した。そんでそんな受けを見て「変わってしまった」とヒソヒソする村人の醜さがまた、でもこれが人間。村人を通して人間の醜さを表現する一方でケイを通して人間の優しさや強さもちゃんと残してくれるのがいい。神話的な描き方をする作品だった。
そんで異種間ものでありがちな寿命による別離というビターエンド·····なんと回避されてます!!!!!!!素晴らしい!!!!!!異種間良いとこ取り!!!!!!
最後に「これでΩも好きな場所で生きていける」って苗を持ってきた時ケイは「それでも兄さんは(ここでは生きていけないんでしょ?)」と言おうとして飲み込んで「今度は義兄さんと遊びに来てよ」って言うシーンめちゃくちゃエモかった。
受けにとって故郷の地は嫌いではないけど自分らしく生きるにはあまりにも息苦しいんだろうな。
オメガバースといいつつそんなにΩ!α!って感じはないからTheオメガバースって作品が見たい人は少し物足りないかも。この世界観でΩっていうのはウェレの体を食べた人間の祖先から稀に生まれる特異な存在でαの多くは神っていう立場としてのスパイスでしかない感じ。
一応番って概念はあって受けの「Ωがヒートに悩まされない薬が開発できるまでは番にならない」ってシーン最高にいわゆる年の差のおあずけみたいで良き。
受けが中々ぐいぐいエッチを求めてくる。ヒート中はさておいても攻めの言うように生贄を受け入れる割にはしっかり自分を持ってるんだよな、と思ったけどそれは攻めといるからか。

③超人気モデルのSな攻め×元人気ホストで目を見ると人の心が読める健気な受け(Mの疑惑あり)

・あらすじ
無事カップルとして色んなプレイでSMを楽しむ2人だったが元ホストの昼職探しは難航中だしドラマで躍進する攻めは有名になることで受けに迷惑をかけないか悩んでるしそんな中で二人の仲がパパラッチにすっぱ抜かれちゃうし前途多難なご様子で·····?SM新時代のヒット作待望の2巻はきわどいプレイと試される2人の絆編!

・あらすじ
続編〜〜〜〜〜ありがとう世界〜〜〜〜〜〜世界は今日も素晴らしい〜〜〜〜〜〜〜!!!!
絵がまじで本当に好きすぎて買った1巻が至高の一品過ぎたので続編も神なのは100も承知で購入そして感想を綴らせてもらっています。
SMプレイはSMプレイなんだけどあくまでちゃんとプレイなのを強調しておきたい。無理矢理とかはいっっさいない。(本人曰く)努力型Mな受けが痛いのはめちゃくちゃ嫌だけど攻めのためにSMプレイに対して超前向きに勉強熱心なの毎回強くて好き。痛いのが苦手な受けに無理を強いたくなくて我慢したり過度な行為を強要してるのでは·····と思い悩んでる攻めを「鏡プレイとか·····」とか言って動揺させてくるの本当に面白い。
この人の絵はシリアスもギャグも映えるから抑揚?メリハリがあってテンポ感よく見られるからまじでオススメしたい。
そして受けが言うように攻めも可愛いのよ。個人的MVPはリオ達に驚かされ帰宅後受けに驚かされ(なんで今日はこんなに驚かされるんだ·····?)ってバクバクしてるシーン。部屋の中一人でふひひ、って笑っちゃったよ。外じゃなくて良かった。次の日の不審者情報に掲載されてしまうところだった。
2巻、続編、となると障壁として噛ませ犬くんが定石だと思うけど今回出てくる元カノはそういうの一切ない安心安全お助けキャラで素晴らしい!
初登場の一コマ目から好感度1億くらいある。ギャルゲのお助けキャラ的存在。
お互い好みで付き合ってみたら2人ともドムで友達に戻る流れが勢い良すぎて笑っちゃっちゃ。だからこそ余計にありえないから!!っていう元カノの訴えが真に迫るよね。
更に受けのことも気にはなっていたみたいだけど受け自体が心を読んで先に察して一線置いてたし元カノも攻めの今カノだって知った瞬間ちゃんと身を引いてたしみんな理性も常識もあってよかった。
まじで追加戦士にしては好感度高い固定キャラの立ち位置についたね。
そんでもって1巻は心を読める受けに翻弄される攻め(というか心を読んでしまった結果とんでもない性癖を攻めの意思に反して知ってしまう)って設定が割としっかり味になってたけど2巻は焼きそばの福神漬けくらいのポジション。メインではないけどなくてはならない的な?
心を読めるせいで周囲から変人扱いされたり逃げるように上京してホストになってえげつない人の闇に挫けそうになったり受けの過去をちゃんとなぞってくれるの親切に泣ける。そしてえげつない人の闇にえぐえぐ泣いてる割には慣れて上手くかわせるようになるのも早い。そこが攻めの性癖を受け入れるどころかぐいぐい目覚めていく強さなんだろうな。
攻めも受けもお互いのことを最大限尊重しているのがすごい伝わってくる。本当は家に閉じ込めて養ってもいいと思ってるけど自分の性癖を理解していて経済的な上下関係ができてはいけないからと受けも受けで攻めの役に立ちたいのに!って昼職を探して悩んでるのとかお互いに依存しすぎずそれでいて大切って言うのが見てて真摯に伝わってくる。
元々絵がとても綺麗だとは思ってたけど2巻で表現?効果?の使い方がとても自分好みというか上手いのだと再認識させられた。テンポ感の良さはここから来るのだと思われる。元カノ今彼が発覚するシーンのコマ割りと効果と表情が特に好き。というかこの方表情の描き方がとても丁寧だし幅広いよね。喜怒哀楽に収まらない感じ。
「俺を見て」「徹の心を見せてよ」と言われたあとの受けの表情、一挙手一投足がとても可愛らし(ry、もとい何も取り繕わない受けって印象が表現出来ていて一億兆点。「甘えん坊」って攻めの表現を借りるとちょっとほかのシーンと比べても幼いんだよね。上京してきて色んな人間の醜い本音を浴びてきて大人にならざるを得なかった受けの本当の弱い部分を攻めにさらけだせたのかなぁ、と。心が読める分自分の心は誰にも見せられなかった受けが攻めに自分の心をありのままでぶつける瞬間だった気がする。
攻めも攻めで自分の性癖と向き合う姿に胸を打たれる·····というかキュンキュンする。BLだから正しい反応だよね?!Sとして受けを愛おしいと思えば思うほどいじめたくなる。そしてそんな自分にゾッとする。特殊性癖とはいえ常識あるタイプだからそんな思い悩む程の性癖でもないと思うけどね。僕より数億倍マシ。というか元カノも言ってたけど犯罪犯してるわけじゃないんだし。
というか攻めのプレイはSMプレイの中でも支配欲求?が強い?タイプ?に見受けられましたが自分SMプレイには明るくないものでどうでしょう?元カノは殴りたいタイプみたいなシーンがあったし色々あるんだろうなぁ。
そんな攻めが受けのアグレッシヴ努力型Mに救われるのもめちゃくちゃ見所になってます。すげー男前な顔で「SMプレイをもっと教えて欲しい」めちゃくちゃ笑った。
あと表現で言えばパパラッチにすっぱ抜かれて攻めと休憩室で電話するシーンよ。結局攻めに迷惑をかけてしまった、自分が男だから?ホストだったから?でもホストでいた自分も否定したくないし攻めへの気持ちもなくしたくない、でも報道は否定してくださいと言うしかない、周囲の視線が怖い、いっそ心なんて読めなければ、そんな思いが爪を血が出るほど引っ掻くシーンに凝縮されてた。痛いのが失神するほど嫌いなはずの受けが無意識に自傷する姿は体の痛みよりも心が痛いというのをよく表していたと思う。
そして最後の「心を読むことは出来ないけど何を考えてたかなんとなく分かります」と言った攻めと「心を読まなくても何を考えてるか分かるくらい」と言った受けの対比?テーマを迷わず貫いててやっぱりえろだけじゃなくてストーリーもきっちりハマってるなと思いました。
そんで作品を語る上で忘れてはいけないのが元カノ含む周囲の個性豊かな面々だったりする。
1巻のSMを語る姐さんがいないのは残念だがじゅんとリオは相変わらず準レギュラーの顔で登場するし新キャラバ先の池田さんも登場してよりどりみどり。
じゅんリオだと思ってたし実際じゅんがほとんど家に帰らずリオの家に寝泊まりし布団まであるし受けが転がり込んできてからニトリでもうひとつ買うあたりじゅんリオの説は否定できなくもないがなんとフラグが立つのは意外にもリオと池田さん!!!!
まじでビビる。が。この作者の傾向を見ると確かにリオは受けじゃないし池田さんは受けど·····。
特に意味もなく何度も来店しいつの間にか仲良くなってる·····これは池田さん目当てなのではと思わざるを得ない!が!私は!関係性オタクなので池田さんは決して悪い人ではないが!リオとじゅんの絆を舐めないでいただきたい(謎目線)
だってだってだってずっとホスト仲間として過ごしてきて家に布団があるくらい仲良いし家族なんだよ?受けがしばらく住むかもってニトリに布団を買いに行くんだよ?帰れと言いつつじゅんが家にいることを最初から肯定してるんだよ??????うわーーーーー!!!!!
何はともあれふたりが受けの本当に良き理解者であってくれたことにとても感銘を受けております。
悪態をつきつつ、軽口を叩きつつ、本気で心配し口を挟みだからといって踏み込みすぎないで見守ってくれる、そんなのもう、家族じゃん·····っ!(男泣き)
肝心のエロシーンは言うことないです。まじで最高。プレイとしてのSM、甘々セックス、鏡プレイ、チクピ。
攻めの押しに負けて乳首にピアス開ける受けの可愛さが天元突破だからぜひ見てほしい。顔色悪くなるくらい怖いのに攻めが望むならやってあげたい、って加虐心を唆る……煽ることについぞ長けた受け。
そんでチクピはともかく、最初の攻めが喜ぶからやる、からSの人が攻めみたいな人ならこんなに気持ちいいんだ、とSMプレイを教えてもらいたい理由が自分もやってみたいからにシフトしてるの完全に目覚めてるし攻めの愛がなせる技だなと感心する。
最後のおまけで抱き潰された翌日なのに普通に起きてきて(←腰が強いタイプ)って書かれるあたり素質もあるわけで。
幸せ甘々SMプレイとストーリーのバランスがとても丁寧で上手な圧倒的神作でした。前作より表情が可愛らしく豊かになってる?

④クール系ヤリチン攻め×オナニーマスター受け

・あらすじ
彼女なんて無縁の男子校で友人とAV鑑賞会に勤しむ受けはさらなる快感を求めアナル開発に目覚め猛特訓中!ゲイビを友人と見ているところを歩く女性トラブルメーカーヤリチン攻めに見られてしまう。内緒にして欲しい!とお願いするはずが何故かセフレになる流れに·····?

・感想
メインカップルも素敵なんだけど後ろの3Pが気になって集中出来ん!いやまじでなに!笑
同じ作者の作品を読んだことがあって、つまり作者買いです。元々絵柄があまりにも好みで手に取ったんだけど相変わらずどストライクにエッチな絵を描かれる。
というか男子校とはいえこんな爛れた?というか性に奔放なのは例外すぎるでしょ。BLはファンタジーとはいえよ?男子校だからって友達同士でAV鑑賞会しながら堂々と自慰をするか?男子校に夢を詰め込みすぎて草。そこがまた好きなんや、BLの醍醐味。夢は持って生きたい。
個人的にはクールな黒髪は受けにしたい宗派なんだけどこの方は大体攻めだし受けは明るい髪色のバカワイイタイプ。それでもどストライクと言えるほどの魅力がある。外見の好みというズレを絵柄というフィジカルで超えてきた。伝われ。
バカワイイ上にまじで天然?素直?裏表のなさが最強を地で行きます。というか気持ちいいを追求するためにあなる開発に勤しみ挙句同級生に1回抱いてみてくれないか交渉するの自分の気持ちいいに対してひたむき過ぎないか????そんな受けが面白くて可愛くて仕方が無い攻め。駆け引きや諸々のめんどくさいが勝つから同じ相手とは寝ないという攻めが凡そ初回からのめり込むくらいには強い。
というか完全におもしれー女展開なんだろうな。分かりやすくて駆け引きなんかいらないストレートな性格だからってのもあるけど攻めも大概読者目線だと一目惚れに近い。受けの方が「あれ?セフレなはずなのにこの気持ちは何?」みたいな葛藤がややある。はしがみ程度だけど。
「俺もう女とできない気がしてきた」に対して「俺は…お前とするの好きだけど」ってこれはもう告白なのよ。それがたとえそのセックスが始まる前に受けが俺とのセックスも好き?と聞いたことによる答えだとしても。(暴論)
受けの拙い「キス」じゃなくて「ちゅー」に煽られちゃう攻めがくっそ良い。そして同感、わかりみ侍と申す者です。この作者の方が描くえっちってエロくてえっちな訳じゃなくて、いやえろいんだけど、可愛くてえっちなところが良いのよ。
少女漫画みたいなえっちなのよ!!!!!!なにそれ!!!!
とはいえやることはやってるし快感を求めてるオナニーマスターなだけあってセックスのexhibition hall。あおかん、騎乗位、対面座位、フェラ、拘束プレイ、やりたい放題やんけ、しかもこれほとんど受けがやりたいと言い出すやつ。おまけで玩具のレビューしまくってる受けを見て玩具に嫉妬する最高に可愛い攻めが見られます。そしてそのレベルなのに別に受けはビッチって印象もないのよね。まさに性に奔放って感じ。
やりたい放題、と言えばやっぱり後ろの3P無視できないのよ。存在感やばい。
何がやばいって3人とも癖が強すぎ。全員主人公ばりに個性強いじゃん。既に君たちが主人公の作品出てない????
水責めしたり宙吊りの方が萌えるしペニパンで男を掘るAVとか見るからゲイビも抵抗ないリオ、なんか最初から全てを悟ってるし柊くんを狙ってる伊都くん、男らしいような押しに弱いようななんだかんだ毎回流されてエッチなことをされちゃう柊くん……君たち人の家で何をしてるの……。
めくるめく性春物語って感じ。
メインカプよりえっちなの面白いじゃん……。
あと個人的だけど「俺、お前のちんこ管理する!」が帯タイでめちゃくちゃ好き。でもこのくだり全部終わったあとにまだ攻めの告白をよく理解してない受けがセックス好きな攻めにほかの女と寝てもらいたくない!って一心で言うんだよね。最初に言うのと最後に言うんじゃ随分と印象違ってくる。攻めのとっくにお前だけだよ、って顔にニヤニヤしちゃった。シリアスな展開に疲れてる人はオススメ。

⑤愛の重すぎる独占欲強い甘やかしDOM×一見完璧だけど強がりで甘え下手な甘えん坊Sub

・あらすじ
褒められて、甘やかされて、よしよしされてみてぇ--。なんでもできる事で周囲から期待されSubだと言いづらい受けはSubだと周囲に隠していたせいで婚約者に振られ、教師という職業柄関係者に見つかることを懸念し避けていたマッチングアプリを衝動に任せて使ってしまう。
そして案の定目の前に現れたのはかつての教え子で困っているところを見捨てられず家にあげたのが運の尽きか流れるように関係を持たれてしまった。その上攻めは女を取っかえ引っ変えのとんでもない野郎で……。

・感想
ドムサブユニバースは諸事情あって二次創作でも避けてたんだけどTwitterの試し読みで続きが気になって購入。ちょろいな。というかTwitter想像以上に宣伝効果あるよ。絵がとても好みだと言うのもあるかもしれない。
元教え子×教師で話しぶりからして一応おじさん受けのジャンルもニアミスかも。ただTheおじさん受けじゃないからおじさん受けが欲しい!って人には物足りないので注意。アラサーはおじさんか……そうだよな……おじさん……。教え子との年の差を感じさせる差別化的な要素でしかおじさん要素はないです。
ただ年の差おじさん受けあるある鉄板王道焼きの「イケメンでモテそうなのにこんなおじさんがそばに居て恋人だとは思わないよな」が一瞬だけとはいえ見られるので必見。
メインはやっぱりドムサブユニバースの世界線で第二の性に悩む2人の葛藤と愛の育みだから。
とはいえ暴力的なプレイは一切なくて、攻めのDOMはDOMでもどろどろに甘やかして溺愛したいっていう重すぎる愛が独占欲、支配欲として出てくるタイプのDOMなんだよね。
で、Subである受けは一見Subには思えない(という思い込みがまず偏見なんだけども)エリートでSubであることを言い出せず甘やかされてよしよしされたい欲求をひた隠しにしていてそれを攻めに暴かれてってストーリーなので基本でろでろに甘やかされるセックスしかない。
ドムサブユニバース初心者の入門編として教本にして欲しいバランスのとれた内容だった。
これだったら全然ドムサブみられるなぁ、、、と思うけど油断すると設定的に地雷がありそうだからしっかり見極めていきたい。
甘やかされたいけど元教え子だし、そもそも合意じゃない(と思ってる)し、抵抗が強いのに毎回流されてしまう馬鹿みたいにお人好しな受けとドSクールに見せかけて好きな人を甘やかしたいだけなのに孤独な攻めが相性良すぎ。
しかも攻めはそもそも学生時代からめちゃくちゃ受けのことが好きだったってバックを聞いてしまったらそんなのもう。
DOMの体質上甘やかして溺愛してずっとそばに置いておきたいという欲求が強すぎてひとりだと眠れないっていう設定が死ぬほどいい。そしてそれをサラッとしか言わないから冗談だと思ってた受けが「酷いことを言ってしまった」と青ざめるシーンからいい。
攻めの感情が読みにくいだけでかなりアグレッシブなのもいい。受けのことを凄い甘やかしてくるしSubを侮辱されてキレちゃったりするし、受けが嫌がれば体調が悪くなってもちゃんとおあずけする。健気。受けも受けで母親から言われた「Subは可哀想な人たち」という言葉に囚われて「ちゃんとしよう」と強がって少し無理をして生きてきたやわい部分を中々認められなくて葛藤するシーンがまた良き。
ドムサブユニバースまじでほぼ初めて触れるから感想も難しいな。
かませ犬ポジションの桜井先生も悪くなかった。オメガバースでもあるような展開だけど無理やり関係を持とうとしてしまったのはSubのフェロモンにやられてたからって言う、抗えない理由があったから最後の謝罪で読者も悪い人じゃないか、となれる。これなぁ、普通に気の迷いだとしたらどんなに謝罪されても許せんやろ。とこういうシーンを見る度に思う。
後半のお互いがお互いをすきだと認識する過程のシーンめちゃくちゃ感動したけど傍から見てかなり序盤から認識済みの両思いにしか見えなかったからそこはもうちょっと落差つけてもいい気もした。
攻めがバイト入れまくって会えない時期ももしかしてもう俺のこと好きじゃないのか?と自覚した途端に振られそうになって焦る受けだったのかもだけど洗濯物干してあったりビール補填してあったり常に存在は見せてたしね。
2人の過去のトラウマがちょっとシリアスチックなんだけど基本は起伏なく読めるBLでした。
まじで受けはどストライク。可愛い。

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